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保育園の運動会ラストイヤーでパッションの踊りを目撃する

 甥っ子はこの世界で5年目の秋を迎える。
そんな彼は、今年が保育園ラストの運動会となり気合十分。
見に来て欲しいと熱望され乗ることにした。

当日は雨だったが、地域の大きな会館施設に併設している体育館で開催されるため雨天決行で行われた。

年長組は出番も多く、園児入場時の太鼓隊から始まり大団円の年長組リレーまで計5種目に出場する。
開会10分前に私が到着した時には、小さなトラックの中に年長組、年中組がスタンバイしており、大勢の保護者に囲まれていた。
ちなみに1歳児、2歳児は親から離れての待機ができないので、トラックを囲む保護者に保護されている状態で呼ばれるまで出番を待つ。

どこなのか!

太鼓を携えた年長組園児たちの中に甥っ子がいるのだが、遠方を見る能力に欠けた私の眼をいくら大きく見開こうとも童の区別がつかない。
遠方用の眼鏡を持参し損ねたので、顔の造作はおぼろげだ。

甥っ子を見つけ出すことが不可能だと諦めかけた時に、甥っ子の方から私を見つけて名前を叫んで大きく手を振った。

こちらも応えて手を大きく振り返す。
ぼんやりと見覚えのある顔がうれしそうだ。

場所を確認できたので、狙いを定めてその園児の一挙手一投足を見守る。

入場曲に合わせ、保育士さんの指揮のもと3種類の太鼓とシンバルを組み合わせた演奏が始まった。
ロータム担当の甥っ子が、指揮を確認しながらマレットを操っている。

数年前までは、ダンスの演目でぼーっと突っ立っているだけ。
かけっこ種目でも走ろうとしなかった甥っ子の成長っぷりには目頭が熱くなる。

綱引きでは勝ったことに歓喜して飛び跳ね、組体操でもヤーッ!と掛け声を出してキメポーズを取っていた。
各種目へ出場するたびに、こちらが見ているかを確認して嬉しそうに大きく手を振っている。

かわいい。
めちゃくちゃ、かわいい。

自分の出番ではない3歳児のダンス演目でも、完璧に振り付けを覚えているらしく年長組控えエリアで人知れず踊っている姿を見た。

かわいい。
踊りたい気持ちが弾けているじゃないか!

出番でもないのに踊っていたなと、甥っ子の事をずっと見守っていたのだという含みを持たせて言ってみたら、先生が勝手に3歳が踊ると決めたのだと不服そうに答えた。
踊りたければ、何歳だろうと踊っても良いのだ。
というのが彼の主張だ。

めちゃくちゃパッション
いつも楽し気に踊って歌っている5歳児の主張は純真だなあ。


大団円のリレー

年長組の2クラス対抗リレーで、小さなトラックを園児たちが次々に疾走する。
棒状のバトンは危ないので、輪っかを持って次の走者へつなぐ。
抜いたり抜かれたりして勝負はもつれ込み、途中で転んで泣きだす子も出たが、走るのが早い子と遅い子の順番が絶妙で大差になることがなかった。

11番目の走者として、甥っ子が登場。
真剣なまなざしでバトンを受け取り駆けだす。

2つ目のカーブ辺りを陣取ってベストショットを狙う。
とはいえ古い型のスマホなので画像は若干粗い。
コーナーを通過する甥っ子のカッコいい写真を収めることができた。

走ることを拒絶していた数年前とは別人だ。
その後もトラック半周差をキープして、甥っ子のクラスが勝った。

ここまでずっと立ち見で3時間。
さすがに疲れたので、園長による閉会のあいさつは失礼して帰路についた。

帰宅して30分後。
甥っ子が、おもちゃやお菓子を持参して我が家に遊びにきた。

どこまで元気なんだ。
踊って走って演奏して、疲れ知らず。
大人は立ってるだけでも疲れて眠いのに。

でも、こうして遊びに来てくれるのは、まんざらでもない。




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