〘自作詩〙如何にそれっぽく詠むか
『逆流性食道炎』
澄んだ空気の中
洗面所で嘔吐
ああ洗面所にたどり着く前にちょっと床に出しちゃったな
カーペットにかかってないといいな
吐瀉物
冬のとある朝の話
『腰痛』
痛みには気づいていた
しかしすぐに痛くなくなったから
そのままざっざっと進んでいった
そして寝て起きたら
激痛
動こうにも動けない
べとべと壁にぶつかって
ぬたぬた体を引き摺り歩く
あの時の痛みか!
予兆はあったんだ
しかし忘れていた
もう遅いのだ
倒れ伏した
さよならだ
痛みが引いたらまた会いましょう
『積本』
積み上げられた言葉たち
先人の言葉、今の人の言葉
今日は言葉に触れようか
そう思いながら惰眠を貪る
今日は言葉に触れようか
そう思いながらスマホをいじる
今日は
今日は
今日こそは
あの言葉が欲しい、この言葉が欲しい
どんどん言葉が積み上げられる
言葉は人を形作る
言葉に背を向けている私は人の形を保てているだろうか