やっててよかったぁ、音楽!
学力低下、知識不足、自信喪失・・・ギムナジウム高等部での僕は廃人同様でしたが、そんな僕を救ってくれたのが、音楽です。
僕は現地校の2年生に編入したとほぼ同時にヴァイオリンを習い始めました。ロックに目覚めた中学時代には独学でギターに挑戦。ヴァイオリンは途中で辞めたものの、ギターはその後も継続し、現在に至っています。
高校生にもなるとそこそこ弾けるようになっていたのですが、それが僕に大きな転機をもたらしました。学校祭などでの演奏を通じて、僕の腕前と、それに伴って僕の存在が徐々に(やっと?)認知されるようになったのです。「影は薄いけど、ギターは上手いヤツ」・・・こんな感じだったとは思いますが。
日本では1990年代前後にバンドブームが訪れましたよね?僕が通っていたギムナジウムでも、同時期にちょっとしたバンドブームが起こり、それに便乗した多くの生徒がエレキギターを購入していました。そんな中、よりにもよって超消極的だった僕がVan HalenやMetallicaのリフを披露したものだから、みんな、度肝を抜かれたのだと思います。
11年生のときに学校のジャズバンドに入部した僕は、コーラス部とともにミュージカルを上演したり、イギリスやフランスの姉妹校で開催されたコンサートで演奏したりと、毎年何かしらのイベントに参加するようになりました。本番直前の強化合宿では、朝から晩まで練習に励み、夜はみんなでキャンプファイヤーの火を囲みながらビートルズを熱唱したりしたものです。
それらの活動は、成績の評価対象にもなりました。成績表には「Kotaro Nakaoはギター演奏を通じて、学校の文化芸術活動の推進に大きく貢献した」などとちゃんと記載されるのです。まぁ、成績よりも嬉しかったのは実は、合宿やゲネプロの際は授業に出席しなくてもよかったことでしょうか(笑)。
また、音楽の授業に限っては、成績が筆記・口頭ともに常に14~15点台、つまりほぼ最高点をキープしていました。その他の科目の成績が低空飛行を続ける中、音楽が、高等部における僕の総合成績を底上げしてくれたのです。
音楽に関わっている間は、「ドイツ語に自信がない」などという不安を忘れ、自分らしく振舞うことができました。僕のギムナジウム生活を、音楽が救ってくれたのです。