見出し画像

自分がどの世界にいたいかが大事 ひとり言@フランス語



新型コロナウィルスのパンデミックが2020年に起きて、そこから約3年半に渡り生活様式が変わったことと、自分の年齢がその間にぐっと50に近づいて節目のようなものを目前にしたこともあいまって、わたしの中の「自分がどの世界にいたいのか?」ということに対する観念や価値観などは大きく変わった。
いや、変わったというより、自粛生活を強いられたせいで、気づかされたという方が正しい。自分の生き方、必要なことや人、自分がどの世界に身を置いて時間を過ごしたいのか、ということが明瞭になった。

その間、自分のとりなし方もわかるようになり、50歳という節目を迎える前に生きる方向性がわかるようになったことは、(これは人生で初めてのことじゃないかと思うけど)自分で自分を褒めてあげたい。

そんなわたしは自分の時間を "タイムイズマネー" ではなくて "タイムイズ余生" だと思って生きている。別に生き急いでいるのではなく、楽しんでそう言っている。

これから自分のいたい世界に身を置きながら年をとっていく先で、自分が実際にどうなっていくのかを見ることが今から楽しみなのである。
そこまでつづく未来への時間が、わたしのとっての余生なのだ。

こう思うようになったのは、コロナ禍を超えて、自分の身の置き方がわかるようになってきたことや、自分がどの世界にいたいのかがクリアになった今だからこそ、そう強く感じられるのだろうと思う。




先日、菓子研究家、フードコーディネーターの菖本幸子さんの本「ボナペティ!おいしいフランス巡り」の出版記念イベントが東京であり、そこへ参加させていただいた。

この本は、著者の菖本さんが、ほぼ一人でフランス全土13地域圏をまわり、そこで出会った食や人や旅について書かれているエッセイ本です。

今年6月に出版されたばかりの本です。


フランスの各地域をほぼ一人で周られてきたことが驚きで、この本をすぐ手に取ったのを覚えていますが、本の中にはたくさんの郷土食、地元飯やその土地の情景などが紹介されていて楽しいのと、それに何より読んでいてとにかくお腹がすく本!笑

フランスはメジャー観光地に関する書籍が圧倒的に多い中で、異彩を放つフランス13地域圏を食と共に一冊で紹介していくこのスタイルは、とても面白いし、新しいです。
是非皆さんにも読んでほしいなと思い、おすすめします。

(以前の蔦屋書店についての記事内でも、こちらの本について紹介していますので、よろしければ下記リンクもご覧ください)


その行われたイベントに参加することも、いまのわたしが思う「自分のいたい世界」の一つでした。
フランス、食、ワイン、エッセイ、どれも大好きです。

この本から感じるエッセンスが、わたしのお腹をすかせたり、憧れさせたり、賞賛させたりと、小さな刺激がほとばしる世界へいざなわれて、シンプルに「好き」という心地よさをたくさんもらうことができました。

実際イベントでは菖本さんにお会いし、少しお話もさせていただきましたが、本で読み取っていた通り、とても気さくで、明るく、飾らない性格とセンスがあふれていて、そのお人柄は誰からも好感を持たれるはずだと思いました。

フランスをほぼ一人で周られ、地元民ばかりであふれるレストランやカウンターで、一人飯やワインを楽しんでこられる、そんなことをやってのけるアクティブさ、外交的さ、(本来のご性分なのか?人生の中で培われ養ってきたものなのか?は分からないけれども)その根底には、やはり "自分がどの世界にいたいか" に通じていると思いました。

又、このイベントのスローガンである “Zinc à Vin”(バーのzinc(亜鉛)板張りのカウンターで、日本の角打ちのように飲む様子を指していらっしゃいます) をフランスで体験してきた菖本さんは、ご自身の好きな世界に身を置いていたその時間、とても幸せだったと思います。(うらやましい..)

Zinc à Vin. と言うだけで飲みたくなるので
魔法のようだ。笑
旅の写真が飾られていた店内。
イベントでは、会場近隣にある
南仏・地中海家庭料理の店
"Cocotte cuisine"の美味しいおつまみを
ワインと共にいただきました。
爽やかな空気の中、テラスで楽しみました。






では、「自分のいたい世界にいる」ということは、簡単なのかというと、そうではない(と言える側面がある)。

人生もう何十年も積み重ねたのちに、自分が今さらどの世界にいたいというのか?世界を変えたり、打破するなんて簡単にできないし!今のいる場所におさまってて環境的にもなかなか変われない...

というのは、すべてわたしが今までの人生で思ってきた言葉。

みんながうまくはじめから「いたい世界にいる」という訳ではない。


わたしが今「自分のいたい世界にいる」ということに至ったのは、もちろん冒頭のパンデミックが大きく関係してきたこともあるけれど、そこには二つのキーワードがあって、立役者ともいえるものがあった。

それをフランス語やフランスに関わるわたしの仲間、いやわたしの年齢的に後輩の方々かな、笑、と思える(と思いたい)皆さまに、最後にお伝えして今回は終わります。


それは、
「好き」と「勢い」です。

この二つを実際に手に取ること。

人は小さな好きを集めると、それが必ず小さな幸せを呼んできます。
それを集めること、そしてそこに身を置くのです。

(これに関しては「フランス語を学ぶと、その先に何が待っているかという話」に更に詳しく書いています)



そして、「勢い」。
何かを変えたいときにこれは必須です。勢いが大事なんです。

わたしはフランス語キャリアを大昔にそれなりに積んでいました。しかし後に、いとも簡単にそれを手放し、そこから約15年もの間、フランスやフランス語から離れて過ごしました。

フランス語をやっていないだけではなく、フランスにも全然行っていないし、とにかくフランス関連のことは、自分とはまったく違う世界のもの、というような立ち位置にいました。

しかし、数年前に一念発起して仏検受験を始めます。フランス界隈に自分の位置を戻す作業を粛々と始めました。

勉強が久しぶりすぎて、自分のあまりの出来なささに最初戸惑いましたが 笑、「変えよう」という勢いからそのまま2年近くを受験生活に費やし最後まで過ごしました。
そして、今このnoteに仏検のことを書いています。それは勢いで動いた当時の自分にはまったく夢にも思っていなかったことです。

やろうかな、やめようかな、とわたしはグダることがしょっちゅうで、こうかな、ああかな、ではなく、「もうやる。」と決めてやってしまう。
勢いをつけてやる。
この覚悟が必要で、人生を変えていくのだと思います。


余談ですが、かのスティーブ・ジョブズが、某大学の卒業式のスピーチで言っていた、「connecting dots」のお話しは大変有名ですが、
『あんなにすごい人が言っているんだから、人生のエッセンスとしてきっととても重要なんだろう』と当初単純に真に受けて自分の心に残っていましたが、
まさにわたしが勢いつけてはじめた仏検は、数年後にnoteでいくつも仏検記事を書くにつながり、誰かの何かに少しでも役に立っていると信じて今も書いています。

そして、それが自分のいたい世界の一つなのです。

「人生、自分がどの世界にいたいかが大事」
そして、「好き」と「勢い」をそこに携えてみてください。



ではでは、また次回のnoteでお会いしましょう。

À bientôt !!
Eva

美味しい旅の写真の後ろに
リアルにワインが並んでいて素敵な眺め。


※当noteの情報を転載、複製、改変等は禁止いたします。著作権はサイト管理者または各権利所有者が保有しており、許可なく無断利用(転載、複製、譲渡、二次利用等)することを禁止します。コンテンツの内容を変形・変更・加筆修正することも一切認めておりません。

いいなと思ったら応援しよう!