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『僕は本なんて読まない。だってネットに内容が載ってるから』
前職の働かない管理職オジサンが『僕は本なんて読まないです。だってネットに載ってますからね』と豪語し、その後彼は『会社の求めるパフォーマンスを出していない』と評価されて会社を去ったエピソードを記事にしたことがあります。
直近でジブン株式会社マガジン仲間(と勝手に私が認識している)のMasao Iwasakiさんが興味深い記事を書いていました。
Iwasakiさんの記事によると、本を読まない若い世代は『まとめサイトを見ればその本の内容はわかるから』ということで読まないそうです。
この文章をみて感動しました。
『前職にいた働かない管理職オジサンと一緒じゃないかーい!!(ワイングラスをチン♪)』
今回は読書の秋&Iwasakiさんきっかけで思い出したこともあり、以前書いた記事の2024年バージョンとして、件のオジサンに今何を思うか、まとめたいと思います。
発言の舞台~前職のベンチャー時代
研究職のメーカーを退職後に入社した前職のベンチャー時代のことです。
当時の会社では社員の購入した書籍への補助があり、社員が申請すれば経費として会社が負担してくれる制度がありました。
私も本を買ったので、当時直属の上司であった件の彼に経費申請の仕方を聞いたころ、出たのが冒頭の発言です。
『僕は本なんて読まないです。だってネットに載ってますからね』
観点①若いころからのアップデートが停滞
発言を聞いた当初は『まぁ本を読まない人増えてるしなー』という印象でしたが、今になって考えるとその発言から見える短絡さから彼の普段の言動の伏線がとれたというか、そんな感覚を覚えます。
・業務委託など、正社員以外で参画しているメンバーへの排他的意識
・『自分でやります』と言っておきながらやらない等、有限不実行
・(フルリモート勤務のため)チャットで彼に連絡しても2-3時間返事が返ってこないのは日常茶飯事(もちろん会議など入っていない時間です)
・仕事をアサインする際に嘘をつく(KASHIWAのキャリアアップのため、と言われてアサインされたが、結局は自分がやりたくないから)
もちろん、仕事での素行不良を「本を読んでいないこと」に結びつけるほどの短絡的な結論にするつもりはないのですが、上記に挙げたような彼の素行を踏まえると、子どもや学生時代の感覚から精神的な面でほとんどアップデートできていないのではと思います(むしろ彼よりしっかりしている子供や学生もいますよね)。
アップデートの手段の一つとして本を読むことが挙げられると私は思うので、件の彼が本を読んでいないというのは『さもありなん』ですね。
本を全く読まない、仕事も素行不良が目立つ人が本以外の手段、例えばオンラインビジネススクールや資格スクール等で学んでいるとは考えにくいので、若き頃からアップデートする習慣がないのでは、と考えた次第です。
②そもそも『ネットに載っているもの』すら君は読んでいないのでは??
彼の言う『本の内容がネットに載っている』と言うのはあながちウソではありません。有名Youtuberが本の解説をしていたり、noteでも本の要約や解説をしている方がいらっしゃいます。
実際にGoogleで ”失敗の本質 まとめ” と検索したところ、多数の要約・解説記事が検索結果に出てきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1726639074-gTFBPnuMjtHw3i2UbvzkrlcW.png?width=1200)
失敗の本質は私も読んだことがありますが、上位に表示される要約note記事を見ると、うまく本のエッセンスを表現されていて、読みやすい記事でした。
そのため、『本の内容がネットに載っているから、わざわざ買ってまで読む必要はない』と言うのは悔しいですが、ロジックとしては通ってると言えるかもしれません(読書好きとしてはもったいない気は大いにしますが)。
ただし、彼のような人間に関しては別の懸念があります。
そもそも『本の内容が載っているサイト』を彼のような人が見ているのか?という疑問です。
彼に限った話ではありますが、彼はいま50代前半ということで、彼のキャリアを歩み始めたころ(平成の初頭)は会社や経済の主体が今よりも男性主体、みんなと同じことをしていればいい、それが唯一の絶対解、と言った具合に今ほど多様な価値観が無い時代だと認識しています。
唯一の絶対解について具体的に言うと、以下(※)の通りです。
・長時間労働してこそ一人前。家事育児なんか男のすることじゃない
・上司の言うことは聞いて当然
・異動や転勤にもハイかイエスで対応しろ
・精神的に辛いなんて甘え
・転職なんてもってのほか!裏切者!
私は幸いにもその時代に働いてはいませんが、このような価値観がまかり通っていたと聞きます。
件の発言の彼は決して暴言を吐くタイプではありませんでしたが、日頃の行動だったり上記①で挙げた彼の素行を見ていると、彼の働きぶりというのは※に毒されつつ、のらりくらりとかわしながら働く(自分が言ったことをなあなあにする、都合が悪くなると連絡がつかないなど)傾向があり、平成初頭の労働環境に悪い意味で最適化された印象を受けるのです。
また、彼の場合は一応『管理職』というポジションについていましたので、平成初頭にありがちな『上司の言うことは絶対』な価値観に染まっていると、自分が上司になった途端に自分がパワーアップしたかのような錯覚に陥り、自分の行動は許される、自分はもはや勉強なんかしなくていい、だって偉い管理職だもん★、という心境に陥っても、決して不思議ではないと思います。
職場の人間環境が画一的な場所で、似たような人とだけ付き合う、管理職になったら自分の中身関係なくパワーアップ・賢くなった気分になる。。このような価値観を持っていると、特に自分をアップデートする必要性を感じないのではないでしょうか。
自分をアップデートする必要性を本人が特に感じないため、ネットに本の内容が載っていたところで、彼がわざわざその要約サイトへ見に行ってインプットしているとは今一つ考えにくい、と言うのが私の率直な印象です。
また読書の意味としては、筆者の体験を疑似体験するところにあると思うので、エッセンスだけを抽出して知った(気になる)ところで、楽しいのか?、と言うのは個人的に大いに疑問です。
最後に
以前の記事にも書いたように、件の彼は『会社の求めるパフォーマンスを出していない』と経営層に判断され、会社を去ってゆきました。
もちろん、クビになったのは読書していないからだ!などと安易に結論付けたりはしませんが、なんだか妙に示唆的なものを感じるのは私だけでしょうか。
以上、以前書いた記事を2024年の今思うことバージョンとして改めて書いてみました。
こちらが昨年書いた記事です。
それではまた!
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