【番外編】若者の聖地『スイパラ』に見る時代の変化〜『推し』文化の浸透とマーケット感覚〜
こんにちは!今日は15年ぶりにスイパラに行ったことで気づいたことを時代の変化、マーケットについて紹介します。
スイパラとは
スイーツパラダイス、の略で首都圏や近畿圏を中心に展開するデザートビュッフェ専門店です。安いプランだと大人一人2000円弱でケーキやムースなどの生洋菓子にサラダ、スパゲッティ、カレーなど数十種類が食べ放題というお店です。
そのような値段感と品揃えから、客層は10代〜20代前半くらいと思われる女性グループが半分くらい、あとは小学生くらいの親子連れ、若いカップルがメインなお店です。
私は大学1年生のときに上京して東京出身の子にスイパラを教えてもらい、その存在に感動した記憶があります。
大学3年くらいまでは定期的に通っていました。
(その後は寿司食べ放題のお店に目覚めてしまい、スイパラからは足が遠ざかりました)
今回子どもを連れて15年ぶりくらいにスイパラを訪れたわけですが、昔と変わらないところと変わったところ、両方考えるところがあったのでまとめたいと思います。
変わらないところ
15年ぶりのスイパラとはいえ、変わってないなぁと懐かしく思う点もあります。昔訪れた方にはきっとエモく感じる点です。
①店内の雰囲気
上でも述べたように客層のメインが若い女性なこともあり、店内がキャピついていると言うか、少なくとも男性一人ではかなり入りにくい雰囲気だろうなとは思います。私は子どもを連れての入店だったのでそこまで浮いてなかった(と願いたい)と思いますが、ここまでキャピついてると年代関係なく女性一人客も入りにくいかもしれません。ここは昔と変わりませんね。
②店内の(色々な意味での)圧迫感
スイパラの店舗は基本的に都市部のビルの中に立地していることもあり、決してお店の中は広くありません。
今回訪れた店舗も、デパートのレストラン街の一角にあり、その中に学校の教室レベルでビッシリとテーブル席が並んでいます。
しかも入店した順に端から詰めて着席させるスタイルのため、混んでくると隣の人の陽気なおしゃべりと皿に盛られた大量のケーキ、パスタ類、そしてたくさん食べてやるぞという周囲の勢いで、かなり色々な圧迫感を覚えます。
そして今でもコロナ禍の名残なのか、各テーブルにアクリル板が置いてあるため、さらに圧迫度合いがレベルアップ。
一部、コースによって席を離しているパターンも見られましたが、それでも混んでくると賑やかになるので婚活などでゆっくり食事をしながら会話したい方には絶対にオススメできません。。
③デザートが並んでる光景にはちょっとした感動
とはいえ、数十種類の生菓子類が並んでいる光景にはちょっとした感動をいまだに覚えます。我が子も『ワー!』とテンション上がっていました。
高級ホテルのデザートビュッフェと比べたら値段が安い分もちろん見劣りする感は否めませんが、初めてスイパラに来た時の感動のような懐かしさも相まって、テンション上がりますね。
スパゲッティ類も食べ放題なのですが、パット見で並んでいたのは2種類だけでした。あれ?こんな感じだったかな、と一瞬落胆したのですが、席に戻って食べていると店内に『リンリンリーン♫』とベルが鳴り『〇〇パスタ出来立てでーす!』と新しいスパゲッティの完成をアナウンスする店員さんの声が響きました。そうでした、スイパラは今出ているスパゲッティが無くなったら別のものを出すスタイルなのでした。食べ盛りのティーンネイジャーたちに飽きさせない工夫なのだろうなと、食べ放題ではしょっぱいもの、甘いもの、しょっぱいもの、と永遠に食べていた昔の自分を思い出しながら考えました。
変わったところ
ここからは昔と比べて変わったと思うところをお話します。もしかすると私の行った店舗だけのものかもしれませんがご容赦くださいませ!
客の高単価化(高級コースやマンガとのコラボ)
券売機がキャッシュレス対応になったり、コースにフライドポテトがあったりとプチ変化はありましたが、一番驚いたのは全体的に高単価化されていることです。
◆高級コースの導入
今回我が家が食べたのは4段階中下から2番目のコースで大人一人2000円ほど(夏休み価格)、その上にはモンブランが食べられるコースや、その上にさらにフルーツコースとして桃やマンゴー、パイナップルやメロンが食べ放題のコースもあり、3500円/人ほどだったと記憶しています。
3500円だと、ランチの焼肉屋さんに行けば焼き肉食べ放題が出来ますね(〇角など)。なかなかチャレンジングな値段設定だなと思います。
でもそれ目当てで来ているお客さんも少数ながらいました。
どんな方が来ているかと言うと、スイパラとしては年齢層高めの30代〜50代くらいの方で一人で来ている方が多かったです。この高級コースを選んだ方は他のコースの人とは離れた席に配置されていたのですが、一人黙々と高級フルーツを食べている様子は、15年前には見られなかった光景だと感じました。
高級フルーツコースは3000円以上するので、スイパラとしても10代や20代の従来の客層というよりは、成長して小金を持つようになった層を狙っているように思います。また、高級コースの客は他コースの客と席を離した場所に座らせることで、キャピついた店内で少しでも一人客が来やすいように工夫されている印象を受けました。
15年前だと選択肢は2000円くらいのコース一択だったと思うので、高級コースの導入で客単価を上げること、それにより若者だけではなく、ちょっと小金を持った層という、従来はなかなかお店に来なかった層に来てもらう、といった15年前には無かった光景が、今の商売らしく思います。
◆キャラクターとのコラボ
また、コースの値段以外に変化した点としては、有名作品とのコラボがあります。
店内の壁を見ていると、漫画『推しの子』のキャラクターがスイパラのデザートと共に描かれているポスターが多数貼ってありました。
またオプションでコラボドリンクも販売していました。これは漫画のファンにはたまらないと思います。
『推し』という表現が一般的になり久しいですが、京都先端科学大学の奥田によると、推しのある方はしばしば『推しへの愛情表現』として積極的な消費行動をする傾向があります。
出展:二次元コンテンツにおける推し活の展開
推しへの愛情表現を利用した顧客層の拡大、そしてスイパラコラボでしか会えない推しのイラストや商品をちらつかせることで、うまく顧客を高単価化させていると思います。
最後に
ということで、15年ぶりにスイパラ(スイーツパラダイス)へ行ってみたことで、昔と変わらず懐かしい点と変わった点を紹介しました。
変わった点に関しては木下斉さんのVoicyを聞くようになってからアンテナが立つようになり、ある程度の良質なインプットのおかげで、ふとした時にも何科に気付けるきっかけになりますね。
またちょっとした外出きっかけの記事も書きたいと思います。
参考までに私のお出かけシリーズの記事はこちらにもまとめています。
https://note.com/france1989/m/m0381e5e6c53c
それではまた!
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