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2・26事件に学ぶ、職場の“善意の罠”とキャリアの悲劇

歴史から見た“善意”の危険

今日は2月26日。89年前の今日は、歴史の教科書でおなじみの2・26事件が起こった日です。木下斉さんも今日のVoicyでこの事件を取り上げていました。

(安心してください。私は中学の歴史の授業以来、日本史を履修してないので難しい話はしません、というか出来ません)

今日の放送も踏まえて私が認識した限りだと、2・26事件は1936年に青年将校たちが起こしたクーデターで、腐りきった政財界を改革しようとして起こしたもの。ただ、青年たちの「良かれと思った行動」は、政府関係者の多くの命を奪う悲劇となってしまった、と認識しました。

事件の前に首相をしていた高橋是清(たかはしこれきよ)という人物もこの事件で暗殺されました。

彼の経済政策が優れていたおかげで日本は世界恐慌の大不況からいち早く立ち直れた、という見方が一般的ですが、彼が主導した「軍事費削減」に不満が募ってしまい、青年将校から命を奪われてしまった、という次第です。

この事件を抽象的に表現すると、善意や正しい行いでも、受け手によっては誤解され、悲劇を招くことがある、と表現できると考えました。

またそのような悲劇は、現代の職場にも通ずるものがあります。

例えば、「マミー(パピー)トラック」の問題です。企業側の「配慮」という善意が、本人にとっては「キャリアを奪われる罠」と感じるケースです。

マミー(パピー)トラックの現実

私はメーカー退職後に入社したベンチャーでバックオフィス業務を担当していました。

評価面談で予想外にいい評価を頂いたので、さらなるキャリアアップのために私の改善点はあるか、評価者に尋ねたところ、ニコニコと『直すところはないですよ!』と言われました。

私のパフォーマンスに喜んで貰えてるなら良いのですが、その反面、今後ここにいてもストレッチの効いたチャレンジングなことには取り組めないのかな、と思ってしまったのです。

良い評価を頂いたとは言え、給料もさほど上がらず(しかも当時一緒のチームにいた働かないオッサンは私の倍以上貰っている)、この会社にいてもしょうがないなと思えました。給料のこともあるし、自分が頑張るやりがいを見出せなかったので、1年半で私は転職しました。

評価者本人に聞いたわけではないのですが、当時私はまだ未就学児を育てていたこともあり、その人としては、未就学児のママがバックオフィスをしている=そんながむしゃらに上昇志向持たなくていいよ★、みたいな意図だったのではと思います。

でも私は『小さい子どもがいるので難しい仕事は回さないでください!!』などと言った記憶もないので、勝手に相手の思い込みで仕事量やキャリアの進め方をセーブされるのって大きなお世話でしか無いのですよね。

マミー(パピー)トラックの典型的な例

先ほどの例は私が経験したことに過ぎませんが、ネットでマミートラックと検索すると、
・育休復帰後に責任のない補佐業務にアサインされる。
・「無理をさせない配慮」として、チャレンジングな仕事から外される。
→これらの仕事では給与や評価に反映されず、結果的に離職につながる。 
という流れが説明されています。

問題点

もちろん、会社側の配慮のおかげで両立が出来て助かった!という方といると思います。

一方で、育休明け・子育て中だけど難しい仕事にも出来る範囲でチャレンジしたいよ、という層もいるわけです。

そのため、子どもを育てている人に確認もなく補佐的な業務を与えて、『配慮』したつもりでも、人によっては「キャリアを諦めろということか」「期待されていない」と感じてしまい、離職という悲劇につながってしまう、ということです。

「善意の罠」に潜む危険

2・26事件と職場の悲劇の共通点

2・26事件とマミー(パピー)トラックに共通しているのは、「正義感」や「配慮」という善意が、受け手には「制約」や「圧力」に感じられる点です

そこから誤解が生じることで、取り返しのつかない結果(暗殺や離職、組織の分裂)を招いてしまいます。

では、なぜマミー(パピー)トラックのような「善意の罠」が生まれてしまうのか考えてみると、私の経験も踏まえるとコミュニケーション不足が挙げられます。

「相手が本当に何を求めているのか」を確認していないのです。

もちろん、パートナーが単身赴任で常に子育てが1人で、仕事にそこまでエネルギーを割けない、という方に仕事のボリュームを配慮するのは良いことだと思います。

でも、そこまでの『配慮』される必要はないと言うか、されると逆にモチベーションが下がる人間もいます。

「こうした方がいいだろう」という一方的な『配慮』や、『自分の正しさ』を優先して相手の視点に立ててない点は、善意の罠として危険な要素だと思います。押しつけになってしまう。

まとめ

2・26事件から気付いたこと、職場で活かせそうなヒントとしては、以下の要素が挙げられます。

1つ目は、相手の意図を確認することです。

タラレバの話にはなりますが、2・26事件を防ぐには「民意を汲み取る」ことが必要だったのではないでしょうか。

同様に職場では、「この業務は今のあなたにとってどうですか?」と、部下やメンバーに直接聞かないと相手の考えはわかりません。
もちろん、メンバーもチャレンジ出来るなら意思表示は必要ですね。

2つ目は配慮の押し付けを避けることです。

こちらのバイアス・思い込みから「〇〇してあげるよ」ではなく、「サポートが必要なら教えてほしい」と、相手に選択肢を与えるコミュニケーションが必要だと思います。

最後に

ということで、2・26事件は歴史の素人から見ると『善意が悲しい結果を生むことがある』と表現できると考えましたので、同じようなケースが職場にもあるというお話をしました。

やや強引な繋げ方かもしれませんが、歴史から組織・キャリア論を考えたということでヨシとしたいと思います!(ヨシ!🐱)

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KASHIWA@マイノリティキャリア
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