観光に人が来てほしい、でも来すぎないでほしい
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三連休の間、ウチの市内でも観光地に多くの人が訪れ、また各種イベントが行われ、大勢の人出があったようです。
特に最近はマルシェと呼ばれる小さな出店が多数集まる市場スタイルが人気です。
同じ日に市内で何カ所も開催されており、それぞれに大勢の人が集まっていました。
以前は観光地といえば、ガイドブックで紹介されたりテレビの旅番組で紹介されるような名勝地と呼ばれるところが中心でした。
私自身も地球の歩き方やるるぶを買ってきて、まずはそこに載っているモデルコースや名所を検討していました。
今はインターネットで実際に訪れた方の感想や写真がアップされるため、それがバズると、これまで注目されなかったところが急にクローズアップされます。
私の住む滋賀県高島市では、メタセコイア並木があるのですが、冬に雪をまとった姿が「冬のソナタ」のワンシーンに似ていると話題になりました。
そして、新緑や紅葉の季節も美しいと拡散され、新聞の紅葉スポットで取り上げられると、大量の人が押し寄せるようになりました。
白鬚神社の鳥居は琵琶湖の中にあるため、近江の厳島神社と言われたりして、駅から少し距離があるにもかかわらず、多くの人が歩いてやって来ます。
一方で、大勢の観光客が集まることで観光公害やオーバーツーリズムと呼ばれる弊害も起きています。
例えばバスやタクシーに観光客が殺到することで、日頃の生活手段として使っていた地元の人が利用できないといったことがあります。
また、花畑や花の群生地などでは、柵などの規制線を越えて観光客が侵入して、畑を踏み荒らしたりしていると言われます。
先ほど書いた白鬚神社では神社と琵琶湖の間の道路の交通量が多いのですが、琵琶湖にできるだけ近いところで鳥居を見ようとして横断歩道が無いところを歩行者が渡っていきます。
カーブもありスピードもよく出るエリアなので大変危険で、数年前に死亡事故も起きました。
小規模とはいえ観光地に生まれ育ったため感じるのですが、地元の方は人が来ない頃は、沢山の人が来てほしい、と言うのです。
そして、本当に沢山の人が来ると手のひらを返して、迷惑だ、と言い始めます。
大勢の人の賑わいも、落としてくれるお金も欲しいけど、自分の都合は優先してこれまでと変化があることは避けたい、というわけです。
そして見学するだけの観光地には正直お金が落ちません。
やはり宿泊を伴ってこそ観光地への収入になると感じます。
市内でもグランピング施設や民泊施設が増えてきています。
ビジネスホテルのように個人か二人で泊まる施設ではなく、大規模に大勢の人を泊める施設ではなく、小規模に地元の資源を活かして家族単位で宿泊できるような施設が今の流行なのでしょう。
私自身も行政書士として民泊の営業許可を取る依頼を受けて現在進めています。
依頼者さんは海外から来られる6〜10人程度の宿泊を見込まれているようで、まさに先ほどの条件に当てはまる規模です。
私の街もマスメディアで取り上げられて大勢がやってくるのではなく、Instagramやトリップアドバイザーなどの口コミで評判が広がって、少しずつでも途切れずに人がやってきてくれるようになるといいな、と感じます。