身近な植物を観察しつつ写真撮影を学んでみた
清水の舞台からダイビングする勢いでミラーレスカメラを購入してから早10か月。入門書を読みネットで検索しつつ独学で勉強をしていたが、気付いたら「限界」という2文字が心のドアをノックしはじめた。写真、むずかしい。
そんなとき、さがみん(相模原市のゆるキャラ)のXアカウントが「自然も写真も大好きなみんな~📷🌳」と言って、「相模原の環境をよくする会」主催の写真教室開催をアナウンスしていた。ゆるい。
「自然も写真も大好きなみんな」のうちのひとりとして、さっそく申し込んでみる。座学に実技講習に写真の講評までしてくれるということだ。場所は相模原市橋本台のリサイクルスクエア。小学生のときに校外学習の一環として見学しに行った、清掃工場の隣に位置する建物。相模原駅からチャリで向かったら、思いのほか時間がかかって体力を消耗してしまった。
講義では、おじいちゃん先生が「撮影するときの心構え」「撮り方」「カメラ・レンズの基礎知識」「ズームレンズの使い方」などを教えてくれた。40分という短い時間の中でぎゅっと基礎知識とちょっとした応用をまとめてくれる。メモをとりながら座学を受けて、少し大学時代を思い出す。
参加者の印として黄色い腕章をつけて、実技講習に入る。隣接する相模原北公園に足を運び、約1時間にわたり木々や花などを写真に収めた。
撮影時間の終わり際、先生が声をかけてくれた。実技講習では先生が参加者のもとを回って、気になることや分からないことを教えてくれるのだ。北公園はそこそこ広いので「参加者と会うのが大変」と笑って話していた。
広角がうまく使えないと相談したら、バラを主題にしながら丁寧にレクチャーしてくれた。広角は「背景をぐっと奥に追いやって主題を際立たせる」、望遠は「背景をぐっと圧縮して主題を際立たせる」というイメージ。アドバイスを受け、カメラの設定を変えながら実際に撮影してみる。
広角・望遠の使い分けで印象がガラッと変わる。すごいなぁ。どんな頭の良い人がこの仕組みを考えたんだろう。それを再現できる写真家もすごい。学んだことを活かし、残りの時間でもう少し撮影を続けてみる。
ここでタイムリミット。最後はリサイクルスクエアに戻り、講評の時間。参加者ひとりにつき3枚の写真をピックアップする。それらの写真を先生が解説してくれるのだけど、写真からイメージを広げて言語化する能力の塊だった。プロってすごい。
参加者がそれぞれ撮影した写真は、主題も構図も画角も全然ちがう。迫力のある木々、食物連鎖を感じさせる枯葉、木立を照らす光と落ちる影。自然や植物に対するまなざしが、一人ひとり違ってはっとさせられる。写真は、ただ風景を切り取るだけでなく、自分の感動を自分の感性で伝えるためのツールであることを実感する。
写真のテクニックも大切だけど、自分がどんなときに心揺さぶられて、その瞬間を写真に収めたいのかをもっと大切にしたいなと思う。せっかく、川や山を身近に感じるまちに住んでいるので、これからも自分の好きな風景を探しに出かけてみたい。体力よわよわ人間につき、チャリで4.5kmはもう再挑戦できないけれどもな……。