地震保険を語る上で欠かすことができない罹災証明の話
熊本地震から5年
熊本地震から5年も過ぎますと色々と記憶が薄れたり忘れたり変わったりします。震度7の威力は凄まじく暗闇の中でパリンパリンと響く屋根瓦が落ちる音の中、避難所に逃げたこともすべて懐かしい思い出。
しかし今後いつ同じように地震が熊本いやそれ以外のどこかで起こることだって考えられます。熊本に住む私達が経験した震災からの復興はきっと今後役に立つはず。
忘れないうちに仕事としての地震保険の話よりも大事な罹災証明の話をしておきたい。これにみんな助けてもらったわけです。そんなお話をします。
半壊以上でないと使えない
地震が起こったらまず思い浮かぶのは地震保険でした。自分もそうだし近所の方々もそうでした。私の住むところはお年寄りが多く地震保険のことは知っているけどどうしたらいいかみんな困っていた。
証券を見せてもらって代わりに保険代理店に電話すると心よく引き受けてくれるところもあれば自分で保険会社に電話するようにいう代理店もありました。自分のことで精一杯なのでしょうね。
地震保険はその後査定がきて一部損もしくは半損の判定が出て終わりでした。確かに地震保険は助かったし有り難かった。でも多くの人の関心は罹災証明のことでした。
訳もわからず公民館へ
最初は訳もわからず罹災証明をもらいに公民館に行きました。一部損の認定の罹災証明ならその場でもらえました。知らない人はそれをもらって帰宅していました。
しかし徐々に情報が伝わるようになると一部損壊では役に立たないことがわかってきました。そう、半壊以上でないと様々な援助金が受けられないのです。
ちなみに半壊だった我が家がありがたいことに受けたものには以下のことがあります。
義援金 43万円
自宅解体費用
アパート家賃(6万円まで)
引越し費用 10万円
生活再建支援金 300万円
まだあったような気がしますが特に生活再建支援金には助けてもらいました。ではこの生活再建支援金ですが頂き方の手順がありますのでそれを説明しておきます。
生活再建支援金の手順
生活再建支援金は確かに合計300万円を頂きましたがじっとしていてももらえるものではありません。申請が必要です。まず区分は複数世帯と単身世帯に分かれています。
我が家は複数世帯でしかも半壊以上です公費解体をしていましたので基礎支援金100万円の申請をしました。罹災証明書、滅失登記、住民票などが必要になります。
さらに加算金の200万円を貰う方は自宅の再建が必要なので住宅の請負契約書が必要になります。なので黙っていてもらえるものではないのです。市役所に何度通ったかわかりません。
教育資金面でも助かった
罹災証明書で助けていただいたのは家だけではありません。予備校の授業料が半額免除だったり私立高校からも授業料減免があったりもしました。住民票なども申請に使う場合は無料だったりです。
住宅ローンは災害復興住宅融資
使えなかったけど住宅ローンでは半壊以上で災害復興住宅融資がありました。これは長期固定で金利も当時は0.58%程度でした。数人のお客様のお手伝いはしましたが私は使いませんでした。
その理由はこのローンは結構めんどくさいところがあり、震災需要で高騰するマイホーム価格のために限度額オーバーでした。地震により坪単価GA10万円程度上がったからです。
このローンには金利面での大きなメリットと反雑な手続きと限度額というデメリットもありました。今後フローが改善されれば長期固定金利で低金利という大きなメリットがあるローンなので是非考慮に入れてください。
地震で生活を再建させるには2つ必要になります。1つは地震保険です。熊本は地震のないところでしたので入っていない人が多かったように思います。
それ以上に大事なのは罹災証明です。義援金・生活再建支援金・公費解体・避難住宅のアパートなどです。これが生活立て直しでは中心でした。思い出とは言えもうあのような思いはこりごりです。
書いていて2度とごめんだとも思いました。