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CFP®試験(2023年第2回)の合格ラインが公表されました。

 CFP®2023年11月試験を受験された方、本当にお疲れ様でした。

 2023年12月20日に発表された合格ラインは以下の通りです。今回もまた、どの課目も難易度が高く、全体としては最も難しかった課目が並んだように感じます。

合格ラインの設定について

 資格審査試験ですから、深く広い知識が求められるのは仕方ありません。しかし、試験の実施時期によって合格ラインが大きく異なることに違和感をおぼえます。

 国家試験としてのFP技能士(1級から3級)、協会認定の検定(1級、AFP/2級、3級)はすべて60%の合格点が設定されています。しかし、CFP®だけは合格点の設定がなく、いわゆる足切りとなる試験です。しかも、さきほど触れたように、実施回によって合格ラインがかなり異なることがあります。何とも納得できない部分です。

 また後述のとおり、合格ラインが26点(50点満点)という課目すらあります。出題内容の半分しか理解できていないのに合格ということです。それで良いのでしょうか。公表されたレビューも説明が大雑把感が否めませんし。

金融資産 |合格ライン 26点

出題分析記事(金融)

 金融政策に関する問題で正解できる受験者が多かった。一方、証券分野全体、ポートフォリオ理論、外貨建て金融商品、派生商品の問題で正解できていない受験者が多かった。
 CFP®認定者は、国内外の金融政策、経済金融の動向、各種マーケットの動きや時事的な出来事・制度改正、新商品の動向等を押さえ、これらを実務で活用するための応用力が必要となる。また、計算問題は解法・パターンを暗記するのではなく、本質が理解できるよう深い知識を身に付けたい。

日本FP協会 CFP®資格審査試験レビュー

不動産運用|合格ライン 30点

出題分析記事(不動産)

 資産としてみた不動産の特性及び投資用マンションの譲渡に関する法律知識等については概ね理解できている受験者が多かった。一方、不動産の取得や保有に係る税制を苦手とする受験者や不動産価格の動向の情報収集が不足している受験者が多かった。
 CFP®認定者は、不動産の売買や賃貸借ならびに不動産投資や不動産の有効活用に関する相談、助言等に不可欠な不動産に関する調査、法令、価格、税制等の基本的な知識を習得し、これらを実務で活用するための応用力も身につけるとともに、公的地価動向や不動産に関する税制および関連する法令の改正動向等の時事的な情報にも気を配る必要がある。

日本FP協会 CFP®資格審査試験レビュー

ライフプランニング|合格ライン 29点

出題分析記事(ライフプラン)

 ライフプランニングに関する情報および育児・介護休業法に係る問題で正解できる受験者が多かった。一方、労働・雇用関連法規、健康保険、公的年金、企業年金、リタイアメントプランニングの一部の問題で正解できていない受験者が多かった。
 FP実務においては、相談者の状況を把握し、改善等の適切なアドバイスをする能力が求められる。アドバイスに必要な社会保険等の取扱い、教育・住宅資金設計等の基本的な知識や計算能力に加え、それをアウトプットできる応用力を身に付けたい。また、時事的な事項、倫理・コンプライアンス、関連法令・各種制度の制定・改定等をチェックし、常に最新の情報にブラッシュアップしておく必要もある。

日本FP協会 CFP®資格審査試験レビュー

リスクと保険|合格ライン 30点

出題分析記事(リスク)

 生保分野は、保障ニーズとコンサルティング、商品パンフレットの読取り、名義変更時の税務の問題で正解できる受験者が多かった。一方、生命保険契約に関する税務上の取扱い、必要保障額の考え方、役員退職金の現物支給、定期保険の仕訳の問題で正解できていない受験者が多かった。
 損保分野は、保険料算定の原則、賠償責任保険及びペット保険の約款読取り、賠償責任保険の一部の問題、個人の損害保険金の税務の問題で正解できる受験者が多かった。一方、自動車保険の約款読取り、法人の自動車保険、労働災害総合保険、圧縮記帳の問題で正解できていない受験者が多かった。
 生保分野・損保分野ともに、保険商品の自由化、事例、提案手法の多様化が進んでいるため、実務や事例に則した活用ができるよう、関連法令や法改正を押さえるとともに、商品の動向等、日常的に情報を収集し知識を身に付ける必要がある。

日本FP協会 CFP®資格審査試験レビュー

タックスプランニング|合格ライン 27点

出題分析記事(タックス)

 レビューでは触れられていませんが、退職所得に関する出題で一部不備があり、全員正解としてる出題がありました。全員正解とならなかった場合には、合格ラインが26点だったかも知れませんね。

 株式等の譲渡所得と配当所得に関する税の取扱いやリタイアメントに伴う税計算及び住宅ローン控除については概ね理解できている受験者が多かった。一方、土地・建物の譲渡に関する計算問題や法人の保険に関する問題、所得税の調整控除、みなし役員の判定などの問題を苦手とする受験者が多かった。
 タックスプランニングでは、税に関する総合的な知識が要求される。税体系全体に関する幅広くより深い知識とそれをコンサルティング実務に活用できる応用力を身につけるとともに、税制改正などの最新情報も押さえておく必要がある。

日本FP協会 CFP®資格審査試験レビュー

相続・事業承継|合格ライン 27点

出題分析記事(相続)

 相続税額の算出に係る控除額や加算額についての知識や相続税額の計算については概ね理解できている受験者が多かった。一方、相続財産の評価や生前事業承継については正答を導けない受験者が多かった。
 CFP ® 認定者は、相続・事業承継については様々なケースに対応できるよう、総合的な知識が要求される。相続税や贈与税の仕組み、申告と納税にあたっての知識、相続財産の評価、民法における相続の考え方、事業承継等に関する横断的な知識を身につけるとともに、関連する法改正等も押さえる必要がある。

日本FP協会 CFP®資格審査試験レビュー

さいごに

 テキストをお買い求め頂いた方や、講座を受講頂いた方からの合格メッセージ、多く頂きました。合格おめでとうございます。そして、ご連絡ありがとうございます。皆さんからの御礼メッセージに励まされている日々です。

 今後も、たくさんの方の応援をしたく、新教材のお届け、次回試験向けの講座を準備しております。

 テキストは、今回の試験を反映した内容で、2024年税制改正(大綱)にも対応しています。

 また、次回の講座でも、学習方法のコツ、重点対策項目、取り組むべき過去問などお知らせ致します。

 ここまで、読んでくださってありがとうございました。2024年はこれまでよりもたくさん、CFP®試験情報について触れる予定です。

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