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1級FP技能士が伝えたい「普通の会社員が1億6千万円収入に差をつけた」思考(特に女性、女の子に知ってほしい)
こんにちは、FP1級のりさです。今回は、私が知らない間にある本(著者)に出会っていたおかげで生涯賃金「1億6千万分多い収入を得る」思考を持っていた。という話です。(高校生の時でした)
私の話です。現在はIT企業に勤めていますが、新卒で勤めた金融機関は、「結構」激務な会社で退職率が割と高めでした。(3年以内に3割辞めるは最低ラインのイメージ)
特に女性は、早く結婚相手を見つけて寿退社。というのが多い会社(時代)でした。(仕事が激務なこと、また結婚相手の男性が同じ会社の場合、相手の転勤が多く会社を辞めざるを得ない環境もあり)
現在は共働きが主流になりつつありますが、私の勤めていた約20年前に勤めていた時は、子育てしながら勤めている女性社員は派遣社員の方、もしくは1店舗に一人子持ち社員がいるかいないか。多くの同期が寿退社を選択していきました。
私の場合、結婚して寿退社をせずそのまま働いていましたが、その時にとなりのチームの40代半ばの職場の男性上司に
「きみはどうして結婚したのに会社を辞めないの?」
と面と向かって聞かれたことを今でも思い出します。
純粋な質問だったのか。嫌がらせだったのかわかりませんが、20代の私は「お金がないので!」と笑顔で返しました。(いやっ絶対に嫌味やろ!!)
さて、話は変わりますが「女性の生涯賃金」は子育てのタイミング、(もしくは結婚等)で仕事を辞めるか、やめないかで一生涯の賃金が大きく変わると言われています。「出産退職 は2億円のマイナス」というのは聞いたことがありますでしょうか。
ちなみに当時のことを思い出しながらですが、会社勤めをする中、子育てで働くのが難しくなった場合、(現在なら時短勤務が使いやすいのかもしれませんが)当時は以下の選択肢しかなかったように思います。
①.(迷惑をかけるからと)自主退職する
②.派遣社員として契約しなおす
③.17時退社でも、正規の社員と同じ力を出せるようなレベルまでがんばる。(家に仕事を持ち帰ったりして)
④.その他(部署異動が認められるところもあったようです)
当時の、子供が生まれたばかりの私は、④の選択肢がそもそもない会社だったので、③を時短勤務で選択しました。
でも、子供のお迎えの時間にお客様から電話がかかってきたり、(現在の為替を聞かれてめっちゃ焦りました。。。その時代は会社携帯を皆が持ち帰る制度だったため)それこそアポイントが保育園のお迎えに間に合わないところにしか入れられなくて、他のメンバーに代わってもらったり。実績が全く積めず、1年ほどで泣く泣く転職してしまいました(ほんとに結果を残せず涙しました)。
そして、そもそも退職した際にいた支店では、100名を超える社員の中で、30歳を超えて子供を産んで、なお営業で働いているという人がその時回りに一人もいなかったですね。(事務の方は派遣で数名いらっしゃった)
話を戻しますね。
「出産退職 は2億円のマイナス」の話ですが。
こちらはニッセイ基礎研究所の少し古いですが2016年の資料「大学卒女性の働き方別生涯所得の推計-標準労働者は育休・時短でも2億円超、出産退職は△2億円。」から抜粋させていただきました。
≪前提≫
・大学卒業後、同一企業フルタイムの正規雇用者、60 歳で退職。
・2人の子を出産、それぞれ育休を1年取得。
・出産後は短時間勤務(通常8時間勤務を6時間と仮定)を第2子が3歳未満まで。
【生涯賃金】
22,070万円(2億2千70万円)
≪前提≫
・大学卒業後、フルタイムの非正規雇用者で働き、第1子出産時に退職。
・第2子小学校入学時にパートとして再就職、60 歳で退職。
【生涯賃金】
6,147 万円
今回のケースだとすると、22070万円-6147万円=15,923万円
つまり約1億6千万の差がでます。
結論、大学を卒業した女性が新卒で勤務し、出産後退職した場合とそのまま働き続けたケースで約1億6千万の差ができます。
「2億円の差」というのは、
・大学卒業後、同一企業でフルタイムの正規雇用者として働き続け、60 歳で退職。 ・出産等なしで就業継続。
の場合の生涯年収が25,816万円のため、差が約2億。となります。
なので、1億6千万円は、同じように子供を二人育てながらも、一度会社をやめてパート勤務をした場合と、同じ会社で働き続けたときの差とみていただければと思います。
話を戻しますが、私はこのデータを知っていたから、なんとか1社目の激務の金融機関を白い目で見られ続けたけれど結婚しても辞めずにいたとか、すぐに転職活動して次の会社につなげた。
という話ではありません。(このデータは2016年のものです)
どうして、この鋼のメンタルを持てたのか。どうして、自分も結婚したら会社を辞めようと思わなかったのか。(ちなみに私の母は専業主婦です)
そこにフォーカスしてみると、私の人生に大きな影響を与えた作家さんがいたことに思い当たったのです。
それが「森瑤子」さんです。
タレントの森口博子さんでも、女優の森口瑤子さんでもなく、作家の「森瑤子」さんです。
今の若い方で、ご存じの方はあんまりいらっしゃらないかもしれません。37歳でデビューしてから52歳なくなられるまでに、100冊を超える著作を書かれています。
1980年代に活躍された方で、私が高校生で初めて本を読んだときにはもうすでに亡くなられていました。(52歳とか若すぎですよね)
どこでこの本を手に入れたのかというと、それは断トツ田舎にも多く点在している「BookOFF」です。
100円で手に入れられる本ということで、それはそれはたくさん読みました。
中でも、小説というより私が惹かれたのは森瑤子さんの生き方でした。
芸大を卒業し、広告会社という晴れやかな舞台で働き、実力もあるにも関わらず結婚し、家に入ると何物でもない私。。。
そこから文芸賞を取るなど、精力的な動きを取られていますが、当初の「夫も子供もいて、不自由ない生活を送っているけれど自分の意志(経済力)で行動できない不自由」について書かれているのが私は忘れられませんでした。
一度も読書感想文に書いたこともないし、誰かにこの本いいよと勧めたこともなかったですが、大人になって働き方を思い出したとき、この本から受けた影響は大きかったなと感じています。
寿退社が決して悪いわけではなく、寿退社したくなかったけどせざるを得なかった人もいると思います。
私たちが10年遅く生まれていて、コロナでテレワークがこんなに進んで、女性の働き方改革とかをもっと早くしていたら、もっと選択肢もあったかもしれません。
「森瑤子さん」が自分にとって、女性の働き方、これからの自分の人生について、生き方について大きな影響を与えたと感じています。仕事も自分の人生の一部として。
自分の娘にも、また、このnoteを読んでいる方にもお伝えしたく本日は本の(作家さん?)の紹介をさせていただきました。
一言でいうと、自分の人生を考えること。自分にとっての仕事の役割を考えること。 そんなことを考えるきっかけが「森瑤子」さんでした。
結果、子供を産んでもなんとか仕事をやめず、今のところはフルタイムで続けられています。ただ、これからの時代、同じ企業で働くことが重視されるわけでもないと思います。
また、「企業」で働き続けられることが評価される時代でもないと思います。
自分の軸をある程度持つこと(仕事に対して自分はどう対峙したいのか)を考えることはとても重要だと思いますので、「お金の面でも」ぜひおすすめしたいと思います。
現状、2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況に記載があるように現在、児童のいる世帯における母の仕事が正社員の割合は32.4%だそうです。
2004年(およそ20年前)に16.9%だったことを考えると、少しずつ正社員の割合も増えてきています。(とはいえ少ない)
働く環境も、制度も少しずつですが子供を持つ社員に対して応援する会社も増えているように思います。
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必ずしもなんらかずっと働き続けるのが正ではないと思います。
キャリアがなんらかの理由で断つこともあると思います。
でもその時、全く違う分野でパート復帰するのではなく、20代のうちに専門性を持っておくだったり、何か特技(英語とか企画力とか広報スキルなど、資格もよいかと思います)があって強みとして活かせるものを持っておく。というのは重要だと思います。
森瑤子さんも文章を書くという、ほんまモンのスキルを磨いて持ち続けていたからこそキャリアを復活し、ご活躍されていました。。
自分の子供にも、若い人たちにも、いろんな思考やケースを知って、どんな生き方をこれからしていくのかを考えるきっかけになったらいいなと思います。