家族なのに…会いたくても会えない
コロナ禍、病院や施設にいる家族に会えない…
そんなつらい思いをしている人はたくさんいるのではないでしょうか?
我が家の場合も、父が入院してからの約6カ月間、亡くなる直前まで、対面では会うことができませんでした。
寝かされたままの父は、認知能力も体力もどんどんと低下していきました。
2021年秋~冬のコロナ感染者がほとんどいなかった時期も、リアルで会うことはできませんでした。
面談の条件は病院によって違うようですが、父が入院していた病院では、リアルでの面談は、一切NG。オンライン面談は1回2人まで、時間は5分間。次の面談までは2週間あけること。
残りの時間がもう短いということも分かっているのに、限られた時間を家族で一緒に過ごすことができない。手を握ってあげることもできない。
それでも母は、たった5分のオンライン面談のために2週間に1回、病院まで1時間近くかけて通っていました。それが6カ月間続きました。
2週間に1回、5分の根拠は?
コロナ感染者がほとんど出ていない時期に、なぜリアルで会わせてくれなかったの?
家族としては言いたいことはあるけれど、病院側の立場もわかります。
看護師さんたちはとても良くしてくださっています。
だから従うしかありません。
コロナだからしょうがない…
分かっているけれども、やるせない気持ちです。
亡くなる直前、父は会うチャンスをくれました
でも、父は亡くなる直前に、ちょっとだけ、会うチャンスを作ってくれました。
病院から連絡が入り、家族が駆け付けた時には、まだ息がありました。
全身をビニールエプロンで覆い、フェイスガードとマスクを付け、ビニール手袋をして、完全防備で病室に入りました。
ビニール手袋をつけたままですが、手をさすってあげることができました。
「今までありがとね」と直接声をかけることができました。
たった数分間の時間だったけど、家族にはとても大切な時間。
この時間があったから、少し救われた気がします。
コロナ禍、病院や施設では、家族との面談ができないところがほとんどだと思います。
安全は確かに大切です。それはわかります。
だけど…
残された時間を一緒に過ごすことは、家族にとってはかけがえのないことなのです。
コロナ禍、こういう思いをしている家族がたくさんいるということも、知って頂きたいと思います。
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