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私の1日(4〜12月 営業日)

朝、04:00〜04:30に起床。

支度を整えて階下へ降りると、そこはもう仕事場です。

僕は早速に店内のお掃除をします。
妻は、せっせとお料理の準備をします。

極めて狭い店内ですが、とにかくモノ(古びた雑貨など)が多い為に、少しばかり手間がかかります。

日の短い季節は、まだ外は暗く、ご近所さんは当然眠りの中ですので、掃除機の音には気を使い、全ての窓を閉めたことを確認してから行います。
(といっても、お隣さんとの間には森が広がっていますので、そこまで気にはならないかな)

紅茶葉の出涸らしを床に撒き、箒をかけることもあります。

拭き掃除やお手洗いの掃除も終えたら、
各テーブルにメニューブックなどを並べます。

そして欠かさずに毎朝、
ホワイトセージを焚いて、店内の各所に煙をくぶらせます。
ふうふうと、種火に息を吹きかけながら、隅から隅へと歩き回り、キッチンの妻の身体にも煙を吹きかけます。
妻はそれに合わせて深呼吸をして、はぁ、と溜息を吐きます。

これは浄化の為の、秘密の儀式。と勝手に決めています。


そして、春から夏は、窓を開け放ち、
秋から冬は、薪ストーブに火を入れます。

営業開始時刻の06:30が近付いてきました。

もう一つ、秘密の儀式があるのだけれど、
これは、本当に、秘密です。

お湯を沸かし、テラスの電球を灯します。


06:30
ドアベルが静かに鳴り、1組目のお客様が入ってきます。

11:00
午前中の営業を終えました。これから2時間、お店はクローズとなるのです。
溜まった洗い物を大急ぎで片付け、そしてお昼ご飯をいただきます。
そして、10分いや、5分だけでも、身体を横にして仮眠を取るようにします。

13:00
午後の営業開始時刻です。
ドアベルが明るく鳴り、午後1組目のお客様が入ってきます。

18:00
閉店の時間となりました。
閉店後も、溜まった洗い物を片付けます。

営業時間中も含め、ひたすらに洗い物ばかりを続ける日々です。
僕のお仕事の実態は、「カフェ」ではなくて、お掃除と皿洗いです。

妻は、8年間変わらないメニューの、素朴で引っ込み思案な料理と菓子を、ひたすらに作り続ける日々です。


ようやっと、1日の仕事が終わりました。

妻が作ってくれた晩御飯を食べます。
お風呂に入ります。
一刻も早く、ベッドに入り、疲れ切って溜め息しか出なくなった身体を休めます。


明日も、また06:30にお店を開けます。



・・こんな日々を送り続けて、8年目になります。


でも、こんな1日の中に、驚くほどに美しく日が射す時間があったりします。

とにかく周りの全てに手を合わせて感謝したくなるような、そんな時間があったりします。

ほとほと、疲れ果ててしまうような、
不安や悲しさで埋まってしまうような、
そんな時間もあったりします。


これだから、カフェを、やめられないよねと、
妻と微笑んで慰め合う時間が、あったりします。


こんな日々を、これからも送り続けていきたいと、祈っています。





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