保険屋が陥る「自己満足セミナー」とは?~資料内容とパワポの使い方編~
はじめに
保険業界のセミナーで見かける「自己満足セミナー」とはどのようなものでしょうか。セミナーが自己満足に陥ると、参加者にとっては「で、どうすればいいの?」「結局、何が言いたいの?」と疑問が残り、保険加入に繋がるどころか、保険そのものに不信感を抱かれてしまうこともあります。
この記事では、特に「自己満足」で終わらせないためのセミナー準備法に焦点を当て、どうすれば参加者に響く保険セミナーが実現できるのかを考えます。
1. 自己満足セミナーとは?講師の「俺すごいやろ」「保険に入るべき」発言の落とし穴
自己満足セミナーの最大の問題は、講師が「自分の自己アピール」や「知識の披露」に重きを置きすぎることにあります。講師の皆さんにとって、保険は確かに大切な知識であり、業務としてもプライドを持って話したい内容でしょう。しかし、自己満足が先行すると以下のような「残念セミナー」が出来上がってしまいます。
「俺、すごいやろ」講師にありがちな特徴
知識が豊富であることや業界経験が豊かであることを、セミナーで積極的に見せたいと思うのは自然なことです。しかし、「俺すごいやろ」と自分を高く見せるような話し方が続くと、参加者は「その話は分かったけど、私にはどう関係するの?」と感じてしまいます。講師の自己満足が伝わってしまうと、聞き手は一気に興味を失い、「このセミナー、意味あるのかな?」と心が離れていきます。
「保険に入るべき」という押しつけが参加者にとって不快に
「保険に入るべきです」といった言葉を何度も繰り返すと、参加者に「押しつけ」と感じさせ、セミナーに来てしまったことを後悔させる可能性があります。参加者が求めているのは、「あなたの状況なら、こんな商品・または保険が役に立つ」という具体性であり、押しつけがましい「べき論」ではありません。セミナーでは、参加者自身が「自分に合う保険はこれだ」と気づけるサポートに徹することが重要です。
2. 聞き手の立場で考える:参加者が知りたいのは「具体的な行動」
セミナー参加者が知りたいのは、「すごい保険屋の知識」でも「保険に入らないといけない理由」でもありません。彼らが聞きたいのは、「自分はどうすればいいのか?」という具体的な次の行動です。自己満足に陥らないために、参加者目線を取り入れたパワポ資料作りが鍵となります。
参加者の不安や疑問に答える資料作り
参加者が考える「老後の不安」や「万が一のリスク」に焦点を当て、彼らの不安や疑問に合わせた情報を提供することで、「この保険が自分の課題解決になるのかも」という意識が生まれやすくなります。そのためには、スライドに多くの文字を並べるのではなく、疑問や不安に即した少量のキーワードや具体例を盛り込むことが重要です。
コンテンツ(内容)が的外れだと全く効果ありません。例えば20代の人に老後の資産と言ってもあまりピンとこないでしょう。
また逆に家族持ちの人に「お子さんの事は置いといて、株・投資で大穴狙いましょう!」なんて言うと、どうなるかご理解いただけると思います(笑)
参加される方に対して有効かどうかを考えながら資料作成が必要です。
また1ページ1分が基本です。
120ページになると120分になるのでこれは聞いてる方も辛いです。また文字数が多いと最初の話が頭に残っていません(笑)
朝ドラが主婦に人気な理由は?
月曜9時のドラマの構成は?
30分アニメのターゲットは?
大学の講義がしんどい理由は?
こう考えると答えが見えてくると思います(^_-)-☆
この辺の考え方は次回の「③コミュニケーションとは?」で記事にしてみたいと思います。
行動を促すスライド構成
例えば「教育費に備えるには?」といった具体的なテーマを軸に、「なぜそのリスクがあり、それをどう解決できるのか」というシンプルな流れでスライドを組み立てます。参加者が「じゃあ、どうすればいいの?」と感じたときに「保険の活用法があるんですよ」と結論が出せる流れを意識すると、押しつけることなく自然と保険の価値を理解してもらえるでしょう。
3. パワポ資料は「情報の詰め込み」ではなく「記憶に残るデザイン」に
スライド資料が文字でびっしり埋まっていると、参加者はその場で内容を理解しようとするよりも「難しそう」「退屈だな」と感じてしまいます。セミナーを成功に導くためには、文字情報は削り、図解や写真などで視覚的にインパクトのあるスライドに仕上げましょう。
文字情報は「強調したいポイント」だけに絞る
資料に書きすぎると参加者は混乱し、セミナーの話が頭に入らなくなります。文字数を極限まで減らし、例えば「教育費」「医療費」「相続」といった参加者の関心の高いキーワードを中心に構成すると良いでしょう。文字数が少ないと参加者の注意が話し手に集中しやすくなり、スムーズな聞き手の理解に繋がります。
ビジュアル要素で興味を引きつける
複雑な説明を避け、参加者が直感的に理解しやすいグラフやイラストを多用しましょう。たとえば「年齢別にかかる医療費の推移」や「子どもの教育費の推移」といった図表は、直感的にリスクを感じてもらいやすく、「どうしたらこのリスクに備えられるのか」と、具体的な行動を考えてもらいやすくなります。
4. 参加型セミナーのすすめ:「聞き手のために話す」姿勢を大切に
「自己満足セミナー」を避けるためには、参加者が積極的に関わる「参加型セミナー」が効果的です。講師が一方的に話すのではなく、参加者と双方向のコミュニケーションをとり、参加者のリアルな意見や疑問に向き合うことで信頼関係を築くことができます。
少人数制にして、一人ひとりに寄り添う
保険の説明を大人数に向けて行うと、聞き手の疑問に寄り添うのが難しくなります。少人数制のセミナーにして、参加者と直接コミュニケーションを取ることが重要です。5~10人程度の少人数にすれば、個別に向き合いながら「あなたの場合ならこうした保険もあります」と具体的な説明ができ、自然と保険に対する興味を引き出すことが可能になります。
質問を受け付け、個々のニーズに応える姿勢
「保険ってややこしそう」と思っている参加者も少なくないため、「何か気になることはありますか?」と質問を投げかけ、気軽に意見を言える場作りを心がけましょう。保険について押し付けるのではなく、参加者のペースに合わせて説明することで、参加者が「納得して保険に入る」ことが目指せます。
5. 資料の「飛ばし」はNG!ターゲットに合わせて資料をカスタマイズ
スライドで「このページは良いです」と飛ばしがちなこともありますが、聞き手に「最初から不要なら作るな」という印象を与えてしまいます。最初から参加者にとって本当に必要な情報に絞り込み、ターゲットに合わせて資料をカスタマイズしましょう。
参加者に合わせた具体性を持つ資料を
たとえば、参加者の年齢や家族構成に合わせて、「若年層向けの保険」「家族がいる人向けの保険」など具体性のある内容にすると、参加者の関心が高まります。漠然とした保険の知識や一般論ではなく、参加者にとっての「役立つポイント」に絞り込むことが大切です。
この「役立つ」とは何なのか?
単に「こうすれば儲かります」とか「こうしないといけない」とかでは無く
時には講師の体験談を入れ込むことも必要です。
成功だけでなく、失敗したことなど話に入れると
信ぴょう性と共感が生まれます。
まとめ:「俺すごいだろ」ではなく、参加者に「どうすればいいか」を考えさせるセミナーへ
「俺すごいやろ」といった自己満足が前面に出るセミナーでは、聞き手の共感を得ることは難しく、結果として保険の魅力も伝わりません。参加者が「保険ってこんなに自分にとって役立つものだったんだ!」と納得し、次のアクションに進みやすいセミナーを目指しましょう。
参加者にとって、具体的な行動がイメージできるセミナーが理想です。自己満足を捨て、参加者に寄り添う姿勢を意識しながら、今後のセミナーに活かしてくださいね(^^♪