「この人生も、愛して」
前回の記事を書くのは緊張した。
前世が見えると書いても、常にというわけではない。
人と関わる仕事なので、普段は意識せずにちゃんと現実を生きている。
その中で一つの前世に向き合った時、その人生の流れを掴むまで10年以上かかった事もある。
見たいと思っても見えない事もあるし、見えすぎて気持ち悪い時もある。
過去世の自分の人格も作用しているような気がして、とても、不可思議だ。
そして、ありのままを書きたいから書いていこうと決める事も、情けない話…正直吐き気がする。
それだけ、私は見える自分の過去世が嫌いだった。
“自分が許せない。”そんな思いの人生を追うことが多い。
しかしご縁があり『自分の過去は今の自分と繋がってるので、過去の自分を否定してると今の自分を否定している所から逃げられないんですよね。出していった方がいい。』
とアドバイスをいただいたので、今とても勇気を出し書いている。
ある、悲しい記憶のひとつ。
解消できていない思い。
新しい思いでnoteを書いていこうと決めた時に浮かんできた感情。
彼が私に伝えてくる。
“この人生も、愛して”
と。
私はその彼を抱き締めながら、文章にする事にした。
~ここからはグロい表現も含みます~
ヨーロッパのある国の王子。
年は12~3歳であろうか。
父が国王、母と弟がいた。
何不自由のない暮らし。
贅沢な暮らしであったと思う。城から出た事はなく、不安定な状況になっているのは知らなかったが…戦が始まった事は何となく分かっていた。
ある時、慌ただしく「逃げる準備をする」と言われた。
戦況が悪化しているのか?訳がわからない。
何も教えてもらえず、何の説明もなく、ただ言われるがまま数日を過ごしていた。
ある時。
見知った騎兵長が部屋に来て、王の玉座の前に連れていかれた。
騎兵長はただただ何度も謝っていた。
そして…意識が飛んだ。
次、目覚めた時…動けない自分に驚いたのと、共に目の前には味方の兵の死体の山があった。
僕は、玉座に縛り付けられていた。
玉座に鎖で繋がれた動けない自分。
そして、王の証である勲章と「王位は継承した」という文章が側に置かれていた。
そしてその隣には敵国の兵が。
パニックになりそうであったが、なれなかった。
王位を僕に譲り…人質としてここに置いていかれたんだ。
何も知らせて貰えなかったのはそのためか。
「…そうか。捨てられたか。」
父にも、母にも、国にも。
そのまま連行され、牢屋に。
手錠はかけられたままであったが、何もされなかった。
…それもまた…恐怖であった。
外の空気を吸える事もあった。
よく分からない状況。
食事も運ばれてきた。
誰に何を聞いても答えてくれなかった。
それから…半年…?一年…?
ある時、急に動き出した。
白い服を着せられ、頭にも布を被せられる。
そして、人の気配がする所に連れていかれた。
壁に縛り付けられ、頭巾を取られる。
レンガ作りの溝になっている広間のような空間に連れていかれた。
(水の入っていないプールのような作り)
目線より高い場所に人がいる。
座って酒を飲んでいる。笑っている。
訳が分からない。
声も出なかった。
ある大柄の男が向こうから目の前に三つの丸いものを運んできた。
それを僕のいる場所に投げ入れた。
それが何か分かった瞬間、恐怖が爆発した。
父と母と弟の頭だった。
そして、大声で語られる事実。
王が逃げるために王子だった僕が王に祭り上げられ、玉座に縛られていた事。
そう…親に、国に、捨てられた事。
その捨てた者達の首を取った事。
…それは、国の侵略が完了した事。
あざ笑う観衆。
そう。
待っていたんだ。敵国の血の者で楽しむために。
その後は縛られたまま、女とやらされた。
そして、狼が三びき入ってきて僕を食おうとする。
腕は壁に繋がれてるので足だけしか自由がきかない。何度も足を噛まれ、血が流れる。
白い服だと血がよく分かる。
初めは抵抗できていた。
しかし、体力の限界もあり動けなくなってくる。
すると、首に鎖はついていたものの、手の拘束も解かれ、自由に。
狼は腹や首を狙う。
本能的に逃げようとする。
しかし逃げれない。
逃げ場は観衆のいる方向しかない。
観衆の方へ行き、壁を這い上がって逃げるしかない。
試みたが、観衆の一人に蹴りおとされる。
何度もそれが続く。
それを見ながら皆楽しんでいた。
観衆から見えにくい場所にいくと、首につけられた鎖を引っ張られ中央に引きずられる。
敵国の王子という名の王の末路を笑っている。
王家の血を引く者を陥れるのはよほど楽しいようだ。
最後は力尽き、狼に食われて死んだ。
父と母と弟の頭も狼に食われていた。
不思議と傷の痛みは分からなかった。
ただ…心が痛かった。
涙が止まらなかった。
悔しかった。
その場にはあちこちに血の後があった。
きっと自分の他にもこの“遊び”は繰り返されているんだろう。
惨めだった。
何よりも僕を傷付けたのは、どうして一緒にいさせてくれなかったのか。
「どうして、僕を置いていったの…?」
僕は誰にも愛されていなかったのか…。
その思いだけが永遠にその場に残ってしまっていた。
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水色の目をして、クリーム色に近い金色の髪をした彼。
自分が扱われた状況よりも、「どうして僕を置いていったの?」という悲しさと寂しさが残っていた。
この子が私の中の何の感情の1つかは分からない。
だけど、私の中の何かの感情である事は分かった。
思い出す事で、必ず現実は変わる。
これが何に繋がるのか…それはまた感じた時に書こうと思う。
そして、
『この人生も、愛して』
これは彼からのメッセージ。
大切に温めてあげようと思う。