『ラ・シルフィード』 現存する最古のバレエ作品
こんにちは。
ただのバレエ好きのあゆみです。
毎日暑いと言ってますが、
今日は一段と暑い。
外に出ると熱波に体全体が包まれる感じがします。笑
みなさん、どうぞご自愛ください!
(ちょっと日本語変だけど伝われ〜)
さてさて、
前回のnoteからロマンティックバレエの時代に突入しました。
今回のnoteは
『ラ・シルフィード』というバレエ作品を紹介します。
前回のnoteに登場した3人目のマリーがこのお話では大活躍するので、
もしよければ読んでみてください☺️
まずはじめに
作品紹介・解説に関して
これからこのnoteではバレエの歴史を追いながら、
今回のように作品の紹介・解説も織り交ぜながら更新を続けていく予定です。
私がこれから書き綴るものは、
本を読んだり、
映像を見たり、
インターネットでいろんなサイトを見たり、
したものに、自分の見解などを交ぜながら話していきます。
なので、時には断定できなかったり、
私の見解が史実とは違かったりする場合もあるかと思います。
何か、思ったこととかそれ違うよ〜ってことがあれば
ぜひコメントに残していただけたら嬉しいです!
どうぞよろしくお願いたします。
それではスタート!!
作品概要
作品名:『ラ・シルフィード』全2幕
シルフィードとは風の精(空気の精とも)という意味
初演:1832年3月12日@パリ・オペラ座
原作:シャルル・ノディエ『トリルビーあるいはアーガイルの妖精』
アーガイルとはイギリスの地名。アーガイル柄が有名。
台本:アドルフ・ヌリ
音楽:ジャン・シュナイツホーファ、ベルマン・ロビンシュルド
(あれ?なんで作曲家2人もいるんだろう…??
そういえばversionも2つあるみたいだぞ!)
version:タリオーニ/ラコット版、ブルノンヴィル版
今回は、
✔︎あらすじ
✔︎見どころ
の2つにスポットを当てて紹介していきます!
それら以外の作品解説はまた次回以降に更新予定です☺️
(原作と上演台本が実は男女逆転されてたりと結構面白い)
登場人物
シルフィード🧚♀️
この物語の主人公。風の妖精。
ジェームスのことが好き。
ジェームズ🚹
スコットランドの農村に住む青年。婚約者がいながらシルフィードのことを好きになってしまう。
エフィー🚺
ジェームズの婚約者
ガーン🚹(グルン、ギュルン)
ジェームズの友人。エフィーが好き。
マッジ🧙♀️
謎の魔女。物語をかき乱していく張本人。
この5人を中心に物語は展開していきます。
あらすじ
1分で読めるざっくりあらすじ
スコットランドに住む青年ジェームズには、婚約者のエフィーがいます。
エフィーとジェームズの結婚式当日、突如現れた妖精シルフィードに心を奪われてしまたジェームスは上の空。結婚式の段取りを進める中、突然シルフィードが現れて、ジェームズがエフィーに渡す予定の指輪を奪って森の中に逃げていってしまいます。シルフィードの跡を追ったジェームズにエフィーは悲嘆に暮れます。
妖精たちの森に連れてこられたジェームスは、すっかりシルフィードの虜になり、彼女を自分の元にとどめておきたいと願います。そこに魔女マッジが現れて「これでお前の願いが叶う」と魔法のベールを渡します。ジェームスが魔法のベールをシルフィードにかけた途端、シルフィードの背中から羽が抜け落ち、シルフィードは息絶えます。
1幕【詳細あらすじ】
ジェームスがソファーに座って眠ってしまっていると、どこかから妖精シルフィードが姿を表します。どうやらシルフィードはジェームズのことが好きな様子。シルフィードはジェームスのそばにいられるのが嬉しくて、部屋中を飛び回っていましたが、想いを堪えきれずジェームズにキスをします。
不意に目を覚ましたジェームズは、シルフィードに気づき部屋の中を探し回りますが、シルフィードは暖炉の中に消えてしまいます。
その日はなんと、ジェームズと婚約者エフィーの結婚式当日。親戚や友人が訪れるが、ジェームズの親友ガーンはエフィーを愛する気持ちを諦められない。ジェームズは大事な日だというのに上の空。シルフィードにすっかり心を奪われてしまったのです。
そこに魔女のマッジが現れ不吉な予言をします。「エフィーはジェームズとは結婚せず、お前の親友のガーンと結婚する」と。それに腹を立てたジェームズはマッジを追い出してしまいます。
結婚式が始まろうとしているところに、再びシルフィードが現れ、ジェームズの結婚指輪を取り上げて森の方へ消えていってしまいます。思わず後を追いかけるジェームズ。それを見たエフィーは悲しみに暮れ、ガーンはエフィーに求婚します。
2幕(詳細あらすじ)
たくさんの妖精たちが舞う中、ジェームズはシルフィードを追いかけ妖精たちが住む森にやってきます。
ジェームズは、自分の結婚式の途中であることも忘れ、妖精たちと戯れているうちにすっかりシルフィードの虜になってしまいます。シルフィードのことを何度も抱きしめようとしますが、妖精シルフィードはふわふわと舞い、するりと抜けていってしまいます。
なんとしてもシルフィードを自分の元にとどめておきたいと願ったジェームズの元に、魔女マッジが現れます。ジェームズの願いに応え、マッジは魔法のヴェールをジェームズに渡し、「このヴェールをかけさえすれば、その妖精の羽は抜け落ち飛べなくなる。そしてお前の手元にとどめて置けるようになるだろう」と告げます。
魔女マッジの言葉をすっかり鵜呑みにしたジェームズは、マッジからもらったヴェールを手に意気揚々とシルフィードの元に戻ります。シルフィードはすっかりヴェールに魅せられ、触れせてくれないジェームズを追いかけますが、ジェームズは勿体ぶって渡そうとしません。
満を持して、ジェームスはシルフィードにヴェールで包み込みます。その途端、シルフィードの羽が抜け落ち飛び回れなくなっただけでなく、全身の力が抜けその場で動けなくなってしまいます。最後の力でジェームスに指輪を返すと、シルフィードはジェームスの腕の中で息絶えてしまいます。
騙されたジェームズはマッジに詰め寄ります。マッジが彼方の方を指差すと、エフィーとガーンが挙式を終え、友人たちに祝福されながら旅に出ようとしているのが見えます。シルフィードも婚約者も失ってしまったジェームズはショックのあまり気を失ってしまいます。
↑こちらは、
「世界バレエフェスティバル」にて
シルフィード役:タマラ・ロホ
ジェームス役:スティーブン・マックレー
で上演された、
『ラ・シルフィード』2幕の抜粋です。
よければご覧ください!
見どころ
今も上演される作品のうち最も古い
この『ラ・シルフィード』は、今でも上演される作品で最も古いものです。
さらに、歴史上初めて、トゥシューズを一作品通してずっと履かれていた作品だと言われています。
それを可能にしたのが、初演したマリー・タリオーニの足の強さ。
もともと、
・妖精の軽さを表すため
・妖精という人間離れしたものを表すために人間離れした技が必要だった
という理由でこの作品中トゥシューズを履くことが決まったらしいのですが、
この時代のトゥシューズは、今ほど先は固くなく、靴自体にも耐久性がありませんでした。
サンダルの延長戦のような靴で一作品丸々踊るって、みなさん想像できますか!?!?
少なくとも、
私は、嫌です。
足が悲鳴上げるのと、メンタルが悲鳴上げるのとどっちが先かなぁ
という感じです。笑
人間が妖精役をやる凄さ
シルフィード役をやられるダンサーさんには毎度驚かされます。
「彼女らには本当に足が生えているのだろうか??」
と私が本当に思ったのが、
元パリ・オペラ座バレエ団エトワール、そして同芸術監督も務めた
オレリー・デュポンが演じたシルフィード
軽さとなんだか惹きつけられてしまう魅力、
そして柔らかい愛らしさがすごく好きです。
演技力
この作品はテクニックはさることながら、
ダンサーの演技力がすごく光る作品です。
ジェームズが好きすぎるあまりに振り回してしまう愛らしい
シルフィード。
結婚式当日なのに、キスされた感覚が忘れられずシルフィードを追いかけ、挙句のはてに全てを失うジェームズ。
(これに関しては自業自得でしょとも思いますが)
結婚式当日に、邪魔者(シルフィード)に狂わされてしまうエフィー。
エフィーをずっと愛していて、急にチャンスがやってきたガーン。
などなど、
全て演じがいがある役に思います。
バレエは
言葉を発さずに物語が展開していく舞台芸術なので、
ダンサーが踊りや表情でどの様に演じていくのかも見どころです。
まとめ
今回は『ラ・シルフィード』のあらすじと見どころを紹介しました。
動画や劇場で見る際の参考にしていただければ幸いです。
次回は、『ラ・シルフィード』の創作秘話や裏話をしてみようかと思ってます!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
Twitterではタイムリーに色々呟いているので、
ぜひ覗いてみてください☺️
それではまた〜