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GIANT 油圧DISC完成車の組み立て ブレーキキャリパーピストンの馴染みだし編
いつもありがとうございます。FORZAの新井です。
PROPEL、DEFY、TCRと続いたGIANT主要ロードモデルフルモデルチェンジ
おかげさまでたくさんのお問い合わせを頂いております。
誠にありがとうございます。
ご成約を頂いた車体は、1台1台丁寧に組み立てを行わせて頂いております。ほぼほぼ完成した状態で出荷されてくるGIANT BIKE。
しかし長く安全に快適に、耐久性の高い状態で乗り続けていただくには不完全な状態です。
今日はちょうど1年前にご紹介させて頂いた記事をブラッシュアップ。
GIANTのディスクロードバイクはもちろん、他のメーカーのバイクでも行っている完成車の油圧DISCブレーキ作業についてご紹介させて頂きます。
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BR-R8170の不具合
いきなり不穏な見出しですが、モデルチェンジを行ったアルテグラグレードのDISCブレーキキャリパーBR-R8170。
実はセカンドロット以降に不具合を抱えている個体が多くございます。
具体的にはレバーの引き代が浅くなってしまう症状が出てしまいます。
これはレバーではなくキャリパー本体、ピストン部分のシールの不具合で、今回紹介するピストンの馴染みだしなどでは改善しません。
新しいキャリパー(対策品と思われます)に交換することで適切なレバーの引き代が得られるようになります。
組み立て時にほぼ気づくことができるので、最近はほとんどのアルテグラ完成車で不具合を確認しており、事前に交換作業を行っております。
GRXのキャリパーも同様です。ちなみにモノブロック構造のDURA-ACEグレードではほぼ起きておりません。
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ピストンの素材について
まずはパッドを取り外して、ピストンのチェック。
外したパッドは小分けの袋に入れてオイルなどの汚れから隔離。樹脂でできたレジンパッドは油を吸ってしまったらそこでほぼ終了です。
モデルチェンジ後のブレーキキャリパーはピストンがセラミックからレジンへ変更されております。
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こちらはこれまでの11速系ブレーキキャリパーに使用されていたセラミック製ピストン。
扱いに注意が必要で割れることもあるセラミック。レジンになったことで安心感も増えました
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ピストンの準備運動
パッドがない状態でレバーを何度も空引。ピストンを出していきます。
ただ、出荷状態の新品のキャリパーでもほとんどの個体でピストンの左右差があります。
片側の動きが悪かったり動く量が違ったり。
これは通常使用でもピストンの汚れなどによっても起こります。パッド交換時などに定期的なクリーニングが必要です。
もちろん新品の状態であれば汚れはありませんので、ピストンの準備運動。馴染みだしを行っていきます。
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ちょっとした小道具。
この際、片側のピストンを安全に出すためにちょっとした小道具を用意します。
ブリーディングブロックを1/3カットして作成したブロック。これをブレーキにセットします。
レバーを空引して、動きの悪いピストンのみを出していきます。
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一度出したピストンは僅かにオイルアップし、慎重にゆっくりまっすぐ押し戻していきます。私は樹脂製のタイヤレバーを使用しています。
前述の通り、11速などのブレーキキャリパーではセラミックピストンとなっておりますので、この作業でまっすぐ押し戻さないと割れてしまうことも。
この作業を何度か繰り返し、できる限り左右のピストンが同じように動くようにしていきます。
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準備運動からのオイルブリーディング
これでピストンの馴染みだしが完了。
そしてブリーディングブロックを装着。オイルブリーディング、エア抜きに進みます。
ピストンの動きが悪いとブレーキパッドの偏摩耗だけでなく、ブレーキタッチに直接影響していきます。
新品の状態でもちょっとした手間をかけてあげることで、バイクの基本性能をちゃんと引き出すだけでなく、後々のメンテナンスも楽になります。
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納車時の組み立て工程説明
こういった作業工程についても写真に収め納車時に説明させていただいております。
愛車がどのように形になっていくか知りたい方も多いはず。
愛車の特徴と構造をご理解いただくことで、さらに愛着も湧くでしょうし、機材を知っていただくことは機材スポーツにおいて良いことばかりです。
皆様にとって特別な1台ですから、お応えできることはすべて行わせていただきます。
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