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クッキーをやきましょう
小さい頃からクッキーを焼くことが好きだ。特に型抜きクッキーが好き。型の種類は少しずつ増え、箱いっぱいのコレクションになった。最近はアイシングにも手を出している。
さあ クッキーをやきましょう
こむぎこ さとう バターに たまご
おかしつくりは はかり がだいじ
ひとつ ひとつ はかりましょう
私にも「はかり」がいる。今私が持っているものは、有形無形ごちゃごちゃだ。そのままなんともなしに眺めていても、心のモヤモヤは晴れなくて…。
私の事実とまっすぐ向き合うためには、はかるための道具がないと始まらない。(お菓子の材料は簡単に量ることができるのに、体重は誤魔化したくなるのは不思議…)
さとうと バターを まぜましょう
ころころたまごも まぜましょう
こむぎこ さらさら ふるいにかけて
ボウルは まっしろ ゆきげしき
さっくりさっくり まぜてみる
あまくて とっても いいにおい
クッキーを焼く時は、砂糖とバターを混ぜる行程が一番ツライ。バターを柔らかくするのをいつも忘れるし、混ぜるには案外力がいる。一番嫌な作業だ。
料理には必ず始まりと終わりがある。料理に限らずこの世の大抵のことはそんなもんだ。最初は行き当たりばったりでも、何回も何回も繰り返せば始まりから終わりを見渡す余裕が出てきてうまくいく。ここだけ頑張ればあとは楽。
こねこねこねた まあるいきじ
やさしい きいろの まるいきじ
すこし おひるね させたなら
ゆっくりゆっくり ひろげましょう
生地を混ぜる。混ぜている間にもう何を入れたのか忘れてしまうほどに、跡形もなくひとつになっていく。それは私を構成するものが「私」になっていく過程と同じだ。
ひとつにするには感覚を使う。これからどんな時代になったって感覚が大切なのは変わらないと思う。頭にある意識を手に移動して、生地の感触を確認しながら、気持ちを合わせる。
きょうの きぶんは どのかたち?
ハートに おはな どうぶつたち
こころを こめて かたぬきを
人にも型と呼べるものはたくさんあるだろう。職業を選んだり、好きな洋服を選んだり、お化粧したり…。型があれば、どんな自分にだってなれる可能性を秘めている。私もアフロヘアーにでもなれば、もうちょっと第一印象はファンキーだろう。
いよいよ オーブン でばんです
トレイにのせて スイッチオン
たまに ついつい にらめっこ
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おいしいクッキー できあがり!
おもいどおり? ちょっとしっぱい?
どんなかたちも あいらしい
さくさくふわふわクッキーに ねがいをかけて
ほろにがコーヒーと いただきます
クッキーを焼く時に一番テンションが上がるのは、焼き上がりの瞬間だ。焼き上がりはいつも違う。うまく焼けた、失敗した、どちらかの感想になるが、焼けば焼くほどできたできないの境目がなくなっていくのが楽しい。
別に料理上手ではないけれど、料理の「コツ」を押さえることは、人生の「コツ」を押さえることに似ている気がする。大事なとこだけ押さえれば、あとはほどほどで美味しくいただけるのかなと思っている。