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エッセイ

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日常の中で体験したこと、感じたこと。
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おじいさん、すれ違ってごめんなさい

時は遡り、私が大学2年生の頃。 15年くらい前の出来事である。 当時の私は大学生らしい 自由なファッションを楽しんでいた。 流行りのレイヤー感のある重ね着スタイルや、 ショートパンツにカラータイツを合わせたり。 好きな服を好きなだけ着て 青春を謳歌していたと思う。 そんな私が、 近所の雑貨屋さんで一目惚れした逸品があった。 それは赤と白のマーブル模様のタイツだった。 「この柄サーティンワンアイスクリーム! ストロベリーチーズケーキだー♡」 乙女心に火がつき、 ウキ

おしゃれ花泥棒

お姉さんはロングスカートをさっと翻し、「あら、素敵なお花ね」と言わんばかりに数本花を摘み取った。そして、満足そうに去っていった。 アルプスの大自然で花を愛でるハイジのような世界であれば、あら、すてきなワンシーンねでときめいたのだろうが、ちょっと違うシチュエーションでの出来事。 ・ ・ ・ 空は快晴、よく晴れた昼さがり。何かいいことでも起きそうな天気である。街に出て買い物をした帰り道、地下鉄の入口に入ろうとしている30代くらいのおしゃれお姉さんを見かけた。 福岡市には市

おじいさんが美しい

博多駅でエスカレーターに乗っていたら、 階段を登るおじいさんに目を奪われました。 ユリ・ゲラーが渾身の一撃で曲げたスプーンのような腰曲がり。 小柄な体と比べるととても大きなリュックを背負うその姿は、 ランドセルにまだ慣れてない小学一年生のよう。 そして手には「じゃがいも」と書かれたダンボールを抱えていました。 70代くらいの方なのか。 その状態もわりとインパクトだったのに、 足腰しっかり、重心をぐらつかせずにずんずんずんずん… と歩いていました。 すごい。 あんなに色ん