生涯発達の視点ーエリクソンー
リク・エリクソンは、ドイツ生まれのアメリカの発達心理学者であり、人間のライフスパン全体にわたる発達を研究し、エリクソンの発達理論を提唱しました。
エリクソンの発達理論は、人間の生涯にわたる発達が8つの段階に分かれており、それぞれの段階で人間は特定の発達課題を解決する必要があると考えます。この発達課題を解決することによって、人間は成熟し、より高いレベルの発達を達成することができるとされます。
以下は、エリクソンの8つの発達段階とその発達課題の概要です。
信頼対不信(生後1年半〜2年) - 信頼の基礎を築くこと
自律対恥感・疑い(2歳〜3歳) - 自己の意見や欲求を表現する方法を見つけること
産業対劣等感(4歳〜5歳) - 成功体験を通じて自己価値を確立すること
業績対役割の拡大性(6歳〜12歳) - 自分が何者であるかを理解し、役割を受け入れること
同一性対彷徨の時期(10代〜20代前半) - 自己のアイデンティティを見つけること
親密性対孤独(20代半ば〜40代半ば) - 他者と親密な関係を築くこと
生産性対停滞(40代半ば〜60代前半) - 自分の才能や能力を社会に貢献することで実現すること
完了対絶望(60代以降) - 自分の人生を振り返り、自分自身や人生に対する満足感を見出すこと
年齢については学説もいくつもあり、平均寿命や情報へのアクセス、身体的成育のスピードの個人差や全体的変化など変化もありますので、年齢というよりも「関連のある段階的な道のり」というイメージではないでしょうか。
以上のように、エリクソンは人間の発達が8つの段階に分かれ、それぞれの段階で特定の発達課題を解決する必要があると考えました。この理論は、人間のライフスパン全体にわたる発達を研究する上で重要な基盤となっています。