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多角化した事業のメリハリを付けて、素人集団で利益を最大化しようとする話

多角化した事業。どこからロードマップを描く?


A社は京都に本社を構える企業で、業種的にはほぼ同じなのですが
少しずつ業態が異なる4つの事業を展開されていました。

そんなA社のY社長から「会社全体の利益を大きくしたい」というざっくりとした将来像を教えていただきました。

各事業の位置付けを整理し、どこをどのようにテコ入れしていくか
収益性、将来性、資源の分配の最適化、、、など様々な観点で会話を進めました。

収益性:K事業。ただしハイリスク・ハイリターン。
将来性:F事業、T事業は拡大見込みが薄い。

将来性が見込めないF事業とT事業は優先度を下げて、
将来的にハイリスク・ハイリターンなK事業にチャレンジすることに。

このK事業へ投資するためのキャッシュを作るために
安定した利益を創出できる、ローリスク・ローリターンなC事業で基盤を作ることで直近の方向性が決まりました。

営業力の標準化が必要に


まずは広告予算を追加しC事業で集客を拡大します。
獲得したリードの対応が必要になってくるので、優先度を下げたF事業部とT事業部から人員を異動させリソースを調達します。

予算追加もあり、目標としていた集客数は問題なく実現できました。
次のステップは無料トライアルに誘導することです。
流れとしてはリード獲得後、営業担当から電話フォローし案内をします。

しかし他の事業から異動させてきた社員はスキルが伴っておらず
集客→無料トライアルまでの誘導率が著しく低い状況
になってしまいました。

せっかくの獲得したリードの刈り取りがうまく進んでいないということでした。

より詳細な分析を行います。
見えてきたのは、全てのリードに対して刈り取りがうまくいっていないわけではありませんでした

リード獲得後5日以内にコンタクトがとれ、適切な説明・誘導を行えていると
問題なく無料トライアルを実施いただいていました。

ニーズが顕在化しているリード、つまり検討度合いが高いリードに対しては
他事業部から異動してきたローキャリアメンバーでも大差ない誘導率を確保できていまいした。

一方で誘導率が悪い原因は長期追客が必要なリードで、ローキャリアメンバーの誘導率は半分以下でした。

リード獲得から5日以内にコンタクトがとれない、
もしくは電話が繋がっても「今忙しい」などで会話を逃げられるリードが対象です。

このリードに対してどう対策していくか?が課題でした。

まずはリードナーチャリングを行います。

商品説明、他商品との差別化ポイント、利用シーンのイメージ、ユーザーインタビューなど動画コンテンツを10本作成し順番にメールで送付をします。

長期的な接点の確保と購買意欲の醸成を図ります。

無料トライアルへの誘導率アップと、無料トライアル後の受注率アップのための営業力向上施策も取り組みます。

必要な事は、ノウハウの創出を共有です。

全営業にヒアリングを行い、トップパフォーマーとローキャリアの方の差分を洗い出します。

それを言語化し全員に共有、その後はロープレを行い再現可能な状態を作り出します。

幸いにもここで言うローキャリアメンバーは、この事業ではローキャリアなだけであり
これまでの営業職としての経験は積まれていたので、知識の補填から実践まで順調に進みました。

下からの突き上げで競争環境を


また積極的な営業力の向上を促すために、給与体系も変更しました。
従来は固定給のみでしたが、固定給を少し減らし変動給を追加しました。
もちろん変動給の規定は組織・個人それぞれの業績に応じた明確な指標を設定します。

取り組みを半年間徹底した結果、目標としていた無料トライアルの誘導数、受注数ともに達成できました。

今後は営業経験を積みたいエネルギッシュな大学生をインターンとして迎え入れ
現在のメンバーを下から突き上げようという計画も進行中です。

また本丸であるハイリターン・ハイリターンのK事業の拡大を来期からする予定と伺っております。
進展があればまたこちらに追記したいと思います。

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