私の好きな画家について
お久しぶりです。芸術の秋、ということで今回は私の好きな画家”グスタフ・クリムト”についての記事を簡単に書きたいと思います。
1.クリムト初期
クリムトは1862年オーストリアウィーン郊外に生まれ、1883年にウィーンの美術工芸学校に入学します。そこでクリムトの弟であるエルンスト、友人であるフランツ・マッチュと共にアトリエを経営します。
劇場の壁画や天井画の制作を頼まれるようになり、その時期の作品には
・旧ブルク劇場
・寓話イソップ物語
・ハンス・マカールト(嗅覚と視覚)
・タオルミーナの劇場
・ロンドンのグローブ座(唯一の自画像)
などがあります。ここで印象的だったのはやはりクリムトの出世作といわれるウィーンの旧ブルク劇場内部の作品です。油彩によって描かれた劇場内の落ち着いた雰囲気に加え、観客一人一人の表情や仕草が伝わる描写が大変魅力的です。
また、ロンドンのグローブ座では普段自画像を描かないクリムトが自身を作品の中に描きこむという唯一の作品となっています。
(画面右側の白い服の女性の右隣がクリムト)
2.クリムト黄金期
その後もクリムトは若くして数々の作品を作り上げ、自身の作風を追求し続けますが、彼の作品が官能的であることや「ウィーン分離派」に参加したことにより世間から批判を受け壁画や天井画の制作などの公的な仕事を受けることがなくなってしまいます。
しかし、一部の富裕層がクリムトの絵画の技術を買い、彼に肖像画を頼むことがありました。そこで彼が制作する金箔を大胆に用いた肖像画が富裕層にヒットし彼は多くのパトロンの獲得と肖像画の依頼を請けることとなりました。ここからがクリムトの黄金期の始まりです。
黄金期の作品では、
・アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像
(エスティーローダーが156億円で売却)
・ユディト
・金魚
・ベートーベン・フリーズ
・女の生の3段階
・ダナエ
などです。
【ユディト】は敵の司令官ホロフェルスを色仕掛けで泥酔状態にして殺した女英雄、”ファムファタル”であり、その妖しい魅力がクリムトの描写によって全面的に表れていると思いました。
【金魚】は当初「私の批評家たちに」という題名でしたが、あまりに露骨っであったため変更されたそうです。こちらはクリムトがルーベンスの神話画から影響を受けたものです。
そして私が一番好きな作品は【ダナエ】です。
ダナエはアルゴス王アクリシオスの娘であり、主人ゼウスは彼女に恋をしています。しかし、彼女の産む子供がアクリシオスを殺してしまうという神託が出たため、アクリシオスはダナエを青銅の塔に閉じ込めてしまいます。
そこでゼウスは黄金の雨となって塔に入ることに成功し二人の間に英雄ペルセウスが誕生します。黄金の雨になるという発想が神話的で素敵だと思いました。
3.余談・まとめ
簡単ですが異常がクリムトについてと、私の好きな作品についてのご紹介でした。クリムトが黄金期に描いた女性像が怪しげで美しくて好きです。金箔はこの女性たちのためにあるのではないか、とも思ってしまうほど魅力的に感じます。また、少し余談で、クリムトは生涯独身ですが14人もの新生児を持っているそうです。相手は皆クリムトの絵画の中のモデルであり、生涯共にしたルミーリエとは関係を持たなかったそうです。そういったことも考えながら作品を見るとまた違う見方を発見できるかもしれないですね!
今回はこの辺で終わりたいと思います。
皆さんも芸術の秋を楽しんでください!では!