デザイナーズブックリスト -maeが選ぶ3冊-
webデザイナーのmaeです。
今回は社内企画です。3つのお題に沿って楽しく本を選定してみました!
【一目惚れ】デザインが好きな本
広告 vol.415 流通
ぱっと見はAmazonなどで注文した時に見かける、よくある段ボール。
実はぺりぺりと開封すると、箱だと思っていた段ボールがそのまま表紙になるという仕掛けなんです。まさしく「流通」そのものを体現する発想と、その意図が明確に伝わってくる装丁に上手い!と感激してしまいました。良いデザインとは、一目見て分かりやすいことだなあと思います。
仕掛けだけでもインパクトのあるこの雑誌ですが、書店ごとに表紙の情報が異なるのもポイントです。
書店に届くまでの流通経路が記されているというこだわりぶり。買った本屋が記されている本って、なんだか良いですね。
まるで通販で届いたような無機質な見た目をしているのに、出来れば近くの本屋さんに直接行って手に入れたくなってしまう。書店が減少している昨今、書店に行くための動機喚起も狙っているのかな?と思えるような一冊です。
ちなみにこの本は、先日会期ぎりぎりに滑り込んだ「世界のブックデザイン展 2021-2022」で実際に見て、気に入った本の中から選んでみました。全体としては、中国のブックデザイン受賞作たちが軒並み堂々としている佇まいで、すごく好きだったな……その話はまたいつか。
【私のバイブル】何度も読み返している本
スキップとローファー / 高松美咲
何回も読む本といえば、なんだかんだでカジュアルに読める漫画が一番多いのですが、ちょうど最近読み返したのは『スキップとローファー』です。
官僚になるという夢を叶えるために石川県から上京してきた主人公が、個性豊かなクラスメイトと過ごす日々を描いたスクールライフ・コメディ。試験があって、行事があって、友達との関係に悩んで…という取り止めのないような日常なのに、読めば読むほどのめり込んでしまって、とても眩しくて、気づけば泣いてしまいます。
好きなポイントを一つ挙げるとしたら、キャラクターたちが「今生きている、個々の人間なんだ」と思えるような感情描写の丁寧さ。
言った本人は大して覚えてないような会話の中の些細な一言が、とても心に響いたり。友人のことを無意識に決めつけてしまった事に気付いて自己嫌悪したり。人として友人として善くありたい気持ちと、そう上手くはいかない部分とがあって、そんな所を繊細にすくい上げるような描写がとても大好きです。
【プレゼント】誰かに送りたい本
TYPOGRAPHY 08 書体の選び方・組み方・見せ方
普段はwebデザインの仕事をメインでしていますが、小さなバナーから大きなサイトのデザインまで、どんな業務にもフォントの扱いは必ずついて回るもの。知識として持っておかねばと調べて買った雑誌でしたが、これがかなり有用な本で常にデスクの近くに置いています。
例えば「選び方」の特集では、
・英国らしさのあるフォントは?
・18世紀らしさのあるフォントは?
・食欲をそそるフォントは?
・ヒラギノ角ゴとゴシックMB101はどんなところが違うの?
・ではHelveticaとUniversの違いは?
…など様々な切り口で、定番ゴシックが紹介されています。
タイポグラフィーのプロの目線で、それぞれのフォントが一体どんな特徴を持っていて、見る人にどんな印象をもたらすことができるのか。そしてどんなシーンにハマるのか。それらの情報が端的に紹介されていて、フォントの細かなニュアンスを知れるのがよいところです。
例え紹介されているフォントを持っていてもいなくても、欲しいニュアンスの情報を元にフォントを選定することもできますし、いわゆる「定番フォント」と括られるフォントがなぜ定番なのか?なぜ支持されているのか?といった知識も少し深めることができます。
タイポグラフィーに関する本はそれはもう沢山あるので、同様の知識が得られる本はきっと他にもあると思うのですが、雑誌という媒体ならではの絶妙な情報量が良い。タイトルの組み方特集も大変参考になるので、是非とも!と言いたいところなのですが、
在庫が……ない……
さいごに
ただただ自分の好きなものを紹介していく企画はいくらでも書けてしまいそう!
webデザイナーなので普段紙のデザインに関わる機会はそう多くないのですが、素敵な装丁の本を見るのは大好きです。
視覚的な美しさはもちろんのこと、読みさすさなどの機能的な部分も考慮し、そして実際に手に取る質感もひとつの情報となる…コンセプトが伝わる良いデザインの本に出会えるとワクワクします。
これからも色々とアンテナを張っていきたいなあ✌️
それでは、今回はここまで。
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