気が散りやすいのに、切り替えが困難【ASD/ADHD併発日記③】
5類になった例のアレにかかりまして、約3日間寝込んでおりました。できることといえばyoutubeで動画を見ていることくらい。読書すらできなんだ。
39℃近くあった熱が下がり、頭痛が引いてようやく座って作業ができるようになりまして。さすがに元気のなかった脳内の多動もボチボチ戻ってきたところで、なんだか旧友に再会したような懐かしさすら感じております。
私の場合、1本の動画をボーっと見続けることができるのって、本当に興味がある時か、薬で強く特性を抑えている時か、よほど疲れていて脳が動いていない時くらいしかございません。基本は動画時間を大半残して関連動画への無限ジャンプを繰り返している次第でございます。なんで開いたんだよ。
そんなわけで。
今回は『気が散りやすいのに、切り替えが困難』という一見矛盾した特性について。
まあ文字通りなのだが、興味がないことにはびくともせず、あっちこっち行っているセンサーが、自分でもわからない特定の事象に関してはいきなり止まり、てこでも動かなくなるのである。
それはもう強迫観念に近いレベルで、「これについて調べなかったら後でものすごく気になってなんにも手がつかなくなるに違いない」くらいの勢いで一気にギュインと気になる。ちなみに本当にそうなる確率は五分五分といったところで、実際は忘れている時もある。
だが気になる時は、本当に気になる。
目が吸い寄せられる。いつもは次の話題に移ったら忘れているはずのものが、脳内にピン留めされている。好奇心がうずき、それについてすぐに調べることができなければ気になって気になって気になって、何も手がつかない。
例えば試験やチケットの当落結果。楽しい友人とのやりとり。問い合わせの結果。
このあたりはかなり多くの人が気になると思う。外出中に連絡に気づいたら、家に帰るまで待ちきれず、邪魔にならないところにたたずんでメールを開くこともあるだろう(歩きながらや危険な場所でスマホを操作するのはやめようね)。
問題はその吸引力だ。
私は「家に帰ってからの楽しみにしよう」というたぐいの後回しはまず、確実にできない。
今見たいものは今見たい。絶対に。誰が何と言おうと。
そんなことしようもんなら、道中ソレについてのことしか考えられず、上の空になり、信号すらきちんと見ているか怪しいくらいで、むしろ危ない。
ただ、難しいのは「見た場合/調べた場合もソレに思考が捕われ続けている」ことがあって、これもまた信号無視案件なのが実に厄介なのだ。
思考を切り替えることができない。気になったことについては思考の濃淡はあれど1ヶ月以上継続して考え続けていることもある。むろん解決されれば考えなくなることも多いが、腑に落ちる経験を得られなければ延々と考えている。
こんな感じに、いきなりガッと興味を引き寄せられて、頭を固定されたまま切り替えられず、自分でもどうにかしたいと思っていることが少なくない。この「切り替えられなさ」と「注意力散漫」はなぜか両立し、脳1では特定の事象について考え続けている一方で、脳2はあらゆることに忙しなく興味を移しているというとんでもない働きも起こる。
最も困るのは、興味を引いている特定の事象が「自責思考」や「嫌な出来事」だった場合で、これについて常に考えを反芻させたまま長期間過ごすことになれば、そりゃあ病む。うつ状態にもなるってものだ。
こうなった時の今のところの解決策としては、『他人に介入してもらうこと』だ。
他者に気になっていることについて話し、自分と違う視点を入れる。ただしこの時教えてもらった論理が自分の中で腑に落ちないと効果が薄い。経験則として、1人の人間に長いこと話しかけるのは相手の迷惑になることが多いので、なかなか腹落ちしない場合は同じ人に何度も話しかけるのではなく、色んな人に聞いてみて「おっ、これは納得できるかも」と思ったら深堀りしていくほうがいい。
自責など負の思考の根が深いタイプは、プロのカウンセリングレベルでないとこの一生ぐるぐる思考がどうにもならないことがある。私がカウンセリングに通い続けている大半の理由だ。
こういう時に限って気が散ってくれないの、なんでなんだろうね~。
自分1人で解決しようと、猫にねこじゃらしよろしく自分で自分を様々な興味のありそうなもので釣って、注意を逸らそうとしたことはそれこそ何千回とある。
だがここで注意力散漫が発動する。これは「最も興味があるものに吸い寄せられる」「興味ナンバー1のものに魅力が少しでも劣るものには興味が移らない」という性質を持つ。
それでも他者が介入してくれた場合には、他者に興味を優先しようと脳の力を総動員して頑張るため、他者の話は自分で用意したねこじゃらしよりも効力を持つのだ。いつもありがとう、友人各位。
ん~~、にしてもな。
難儀である。
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