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【女子の人間関係】人事部より人事部な「お局様」の裏の顔

こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
 
会社内で飛び抜けて仕事ができるわけでもないのに、社長でもないのに、単なる平社員なのに、なぜか職場内の権力を握っている女性――。
 
そんな人物を「お局様」とか「女子ボス」と呼ぶわけですが、その権力を持っていられるのは、社歴性格のみならず、もう1つの深い理由がある場合があります。
 
そのもう1つの理由とは何か?
 
女性の人間関係に詳しく、多くの相談やアドバイスをしてきた産業カウンセラー・川村佳子さんの新刊『「女子ボス」のトリセツ』の中から、人事部以上に人事権を持っている女子ボスの1つの理由に迫った事例を一部編集して公開します。

人事部より人事部な「お局様」

 さとみさんは、せっかく就職した宿泊施設を退職しようか悩み、相談室を訪れました。
 20代半ばのさとみさんは、職場の配置転換に納得がいかず、思い悩んでいました。
 入社当初は「経験を活かして頑張ってほしい」と言われ、フロント業務を頑張っていたのですが、突然フロント業務から温泉の清掃部署に配置が転換されました。
 英語が得意で、前職でもフロント業務の経験を積んできたさとみさんは、なぜ自分が清掃部署に変更になったのか、納得ができずにいました。
 自分の経験を活かせず、やりがいを失っていたさとみさんは、思い切って人事部長に相談しました。返事は、「しばらくは全く経験のない分野の仕事も頑張ってみて」という内容でした。
 落ち込んでいた帰り道、さとみさんは人事部長とある女性が手をつないで一緒に歩いている姿を目撃しました。
 その女性は、同じ宿泊施設のフロントで働く30代の女性でした。その女性は、社内でもお局的存在で有名であり、職場の男性上司と不倫の噂が絶えないことでも有名で、新人のさとみさんの耳にも噂が聞こえてきていました。
「まさか人事部長と……」
 さとみさんは、まるで走馬灯のようにいろいろなことを思い出しました。英語で接客をするたびに聞こえてくる舌打ちの音、フロントに出ると消されてしまうエアコン、希望を出したシフトは、勝手にいじられる始末。
 すべて、お局的女性からの陰湿な嫌がらせでした。
 さとみさんは半信半疑ながらも、しかし嫌がらせを受けているという確信は持って、直属の主任に相談しました。主任からの返事は、
「お局の彼女、人事部長の不倫相手で、でもお互い結婚しているからダブル不倫で……。自分が気に食わない女性がいると、部長に頼んで移動させるんだよね。さとみさん、英語ができるから嫉妬されたんだと思う。前にも、それで移動させられた女性がたくさんいるから……」
 揉み消されてきたさまざまな事案があることは、想像するに難くないことでした。
人事部長の不倫相手となって、自分の思うように操作する職場の人事。
 こうした〝不気味な地位〞を利用して、パワーハラスメントは行なわれていました。

いかがですか?
 
自分の地位や存在意義を脅かす存在を見つけると、排除する、または、自分に徹底服従させようと攻撃してくる「女子ボス」。
 
そんな女子ボスハラスメントからどのように自分の身を守ればいいのか?
 
「ハラスメントの駆け込み寺」として人間関係に悩む、多くの女性の心を救ってきた産業カウンセラー川村佳子さんが、数多くの事例を交えながら「女子の人間関係」のキーパーソン「女子ボス」の生態と対処法をわかりやすく解説した新刊『「女子ボス」のトリセツ』は、全国主要書店やネット書店で発売中です。興味のある方はチェックしてみてくださいね。

〈著者プロフィール〉
川村佳子(かわむら・けいこ)

産業カウンセラー。北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」。日本人間性心理学会所属。上智大学グリーフケア研究所所属。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在航空自衛隊外部カウンセラー。幼少期に母が他界。亡母が闘病中に書き記していた日記を見つけ、職場での人間関係の悩みやストレスを驚くほど抱えていたことを知る。さらに、日本で初めてカウンセラー制度を導入した機関にて母が勤めていたことをきっかけに、職場のストレスや人間関係の悩みを抱えている方たちの力になりたいと強く思い、産業カウンセラーを志す。また、死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及啓発にも積極的に取り組む。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』(フォレスト出版)がある。

本記事のヘッダーイラスト:くにともゆかり

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