2050年の日本の未来を予測する
フォレスト出版編集部の寺崎です。
今日は最近読んだ本の紹介をしたいと思います。
こちらです。
ヘイミシュ・マクレイ著、遠藤真美訳『2050年の世界――見えない未来の考え方』(日本経済新聞出版)。今年の7月に出た本です。12月4日現在で4刷ということで、順調に売れているようですね。
「ここ数年で読んだ『未来予測系』で一番面白かった」というけんすうさん推薦の帯に惹かれて思わず手に取ってしまった口です。
本書では全世界の概観が予測されているのと同時に、各地域別に未来予測がなされているのが最大の特徴かもしれません。
つまり、「自分の国はこの先どうなるのだろうか?」というローカルな興味関心に応えているんです。
いま気づいたけど、この本が売れてるのはその点なのかもしれません。過去に出た未来予測系はテーマごとに解説したものが多かった印象です。
(以下ネタバレあり。これからこの本を読む人は注意)
2050年の日本の経済状況
本書を手に取って、まっさきに探して読んだのが「日本」のパートです。おそらくみなさん同じく気になるはずです。
2050年の日本はいまよりもヤバいのか、上向きなのか、それとも横ばいなのか。
ご安心ください。
本書で紹介されている「2050年の経済規模上位20か国予測」では、2050年にいたっても日本は世界第4位を誇っています。
この本では、IMFによる2020年の推計値と、HSBCグローバルリサーチの2050年予測値を並べたグラフが掲載されていますが、現在のランキングと2050年の予測ランキングを比較してみます。
【2020年の推計値(現状)】
1位 アメリカ
2位 中国
3位 日本
4位 ドイツ
5位 インド
【2050年の予測】
1位 中国
2位 アメリカ
3位 インド
4位 日本
5位 ドイツ
3位から4位に落ちてしまいましたが、それでもなお、TOP5内に維持しています。というか、日本の一般的な下級国民としては、いま現在も世界TOP3の国という感じがあまりしないのが正直なところですが……。
日本がいま抱える課題とは?
本書ではまず第1章「わたしたちが生きている世界」で各国の現状を論じています。
それでは日本の記載を確認してみましょう。
日本は世界に先んじて迎える超高齢化社会の国として、これからの世界のフロンティア国家になるという見立てです。
2050年の日本はどうなっているのか?
さて、そんな日本は2050年にどうなると予測されているか。
なるほど・・・・。なんだか、いいんだか、悪いんだか。
いや、あんまよくないな。
ちなみに「過去30年間内向き」という論拠を示すものとして、海外留学生が減り続けているデータのリンクが掲載されていました。海外留学生の数は2004年の8万3000人をピークに減少に転じて、現在は6万人を割り込んでいるとのこと。
ただし、このことについては日本の教育機関の質の問題という気がしないでもないです。自分が外国人だったら、日本に留学したいかなぁと思うと、かなり微妙です。漫画、アニメ好きなオタク外人ならいざ知らず。
個人的には、年寄りのための国家運営に終始してしまうと、既得権益にしがみつく人間ばかりが増え、あんまり楽しいことにならなそうなので、若い人たちがどんどんいろんなことにチャレンジできる国になってほしいと願っています。
一方で、これはキンコン西野さんも指摘されていましたが、閉鎖的な日本という国(外務省旅券統計によると、コロナ前の19年に24.4%だった日本人のパスポート保有率は3年連続で低下。 22年に17.8%まで落ち込んだ!)が生み出す独特の思想やカルチャーは、逆に世界に発信できるオリジナルなコンテンツを生み出す可能性があるかもしれません。
これからは「日本人って、クレイジーで、変ちくりんで、面白いね」と言われる国を目指したほうがよいのか。
なんか、いろいろ考えさせられました。
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