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忙しい年の瀬こそ心理テクで乗り切れ!【クリスマスイブに使える裏ワザあり】

フォレスト出版編集部の寺崎です。

たったいま、1月新刊『HubSpotワンストップマーケティング』(株式会社クリエイティブホープ著)という書籍の入稿~校了作業に追われています。

書籍編集者にとって、入稿から校了までは気の抜けない作業が多いうえ、とかく時間が取られるものです。

いつもより仕事量が多いうえに、DTPの現場の方々、デザイナーさんたちにたくさん無理なお願いをして申し訳ない気持ちでいっぱいいっぱいな、そんなときに限って、いろいろと雑多なものがスポットで飛び込んできて、「終わんねーぞ、これ」と茫々たる心地に。

今日はランチ行く暇もなかったからコンビニ飯だし(いやー、自宅から歩いてすぐにセブンイレブンがあってよかった)。

しかし!

そんなときにこそ「周囲の人をあやつる心理テクニック」を駆使して、切り抜けるべし。ということで、今日はいますぐ使えるテクニックをいくつかご紹介します。

「困った事情」を伝えればわがままが通る
――「急いでるので」

 しゃべりながら横並びで歩く人たちは、歩道を完全に塞いでしまいます。
 こちらが急いでいる時、目の前に人の壁があると、腹立たしい気分にもなるでしょう。
 こんな時、あなたはいつもどうしていますか。

①強引に列に割って入り、無言で足早にすり抜けようとする。
②「ちょっとすいません!」と声をかけて、すり抜けさせてもらう。
③「おいおい、アンタらさァ!」と不機嫌な声を出し、強引に道を開けさせる。

 これらはいずれも、非効率でストレスのたまる方法です。トラブルにもなりかねません。
 こんな時はひとこと、「急いでるので、すいません」と「急いでいる」という理由を告げればよいのです。
「困った事情を伝えればわがままが通る」という心理作用がはたらきます。

「すいません、急いでるので先にコピー取らせてください」
「すいません、荷物で手が塞がってるので、ドアを開けてください」
「すいません、お腹が痛いので、席を譲ってくれませんか?」

 急いでいる──などという理由の根拠が薄弱でも、多くの人が協力してくれます。困っている人は助けてあげないといけない──という良心が刺激されるからなのです。

テレワークで自宅作業していると、夕方になると子どもに仕事の邪魔されるのはテレワークあるあるですが、そんなときはこう告げればいいのです。

「ねー。パパー!」
「あ、ごめん、急いでるから、あとでね!」


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「社会的証明」を味方につける
――「忙しいのですぐには応じられません」

 男性トイレの朝顔便器の前の壁には、「いつもきれいにお使いいただきありがとうございます」といった感謝フレーズのプレートが貼られていたりします。
 昔は、「トイレをきれいに使いましょう」などの呼びかけ調が一般的だったのに、なぜ、こうした感謝のセリフに置き換わったのでしょうか。
 これは「社会的証明」といわれる心理現象を逆手に取った標語なのです。
「トイレをきれいに使いましょう」という上から目線の標語だと、「トイレをキレイに使わない人が多い」という印象が刷り込まれる結果、みんなと同じにキレイに使わなくてもどうってことない──と思ってしまいがちだからです。
 トイレをキレイに使ってもらいたい──という施設側の希望が、この標語によって実際の状況や現実の「社会的証明」を表す結果となってしまい、標語の意味を果たさなくなってしまった例なのです。
 ゆえにトイレはみんながキレイに使っている──という「社会的証明」になる「感謝のフレーズ」に換わりました。人は「みんなと同じ」という平均に従う習性があるからです。

 標語が意味をなさなくなっている現象はあちこちで見受けられます。
「立小便禁止!」「芝生に入るな!」「落書きするな」「投票に行きましょう」などです。
 みんなここで立小便をする、芝生に入る人が多い、落書きする人が多い、投票に行かない人が多い──という「社会的証明」となって、私たちの行動をそちらに誘導するのです。
 立小便の多い場所には「お地蔵さん」を置く、芝生には「農薬散布しました」の札を立てる、落書きの多い壁は絵柄の美しい壁に替える、投票者には高額懸賞金が当たる宝クジがもらえるなどの、「メリット」や「デメリット」をはっきりさせたほうがよいわけです。
「ヒマなんだ」「金欠で困っている」「ファストフードばかり食べている」……実はこうした発言も、あなたの「社会的証明」を物語らせる──ことにつながっているのです。
「忙しくて、すぐには応じられません」──こういうセリフがあなたを差別化するのです。

さきほどの家庭内での事例に当てはめれば、こうでしょうか。

「ねー。パパー!」
「忙しくて、すぐには応じられません」

うーん、子ども相手ならこれで済むかもしれませんが、相手が奥さんだったらどうでしょうか。

「ねぇ、悪いんだけど、乾燥機止まったら、乾いた洗濯物そとに出しておいてもらえる?」
「忙しくて、すぐには応じられません」
「はぁ!?(怒)」

ダメですね。奥さんにこの心理テクは使えません。

ちなみに、社会的証明という意味では、最近うちの玄関を出たところに必ず犬のウンコがあるんです。どうやら、どこかの飼い犬がいつもここで催すようです。でも、ペットのものとはいえ、ウンコですよ。人様の家の前に。

こういう張り紙をしたら効果あるでしょうか。

「いつも飼い犬様のフンをきれいにお持ち帰りいただき、ありがとうございます。」

社会的証明の実験にはなりそうです。

「ポストイット」の活用で説得力をアップする

 付箋といえば、3M社製の「ポストイット」がその代名詞として一般的です。
 3M社の研究員が強力な接着剤を開発中、偶然にも非常に弱い接着剤が生まれ、付箋に使うアイデアが生まれた──という逸話は「セレンディピティ(偶発的大発明・大発見)」の事例としても有名です。
 おかげで付箋といえば、今では何度でも剥がせるこの糊付きが当たり前になりました。
 とても便利なポストイットですが、実は人間の行動心理にも大きな影響を与えます。
 アンケート用紙を送る際、表紙に「ご協力お願いいたします」と手書きしたメッセージのあるポストイットを貼ると、回収率が75%にのぼったという実験結果があるのです。
 実は、表紙に直接手書きで「ご協力お願いいたします」と書き込んだだけの場合の回収率は48%で、何も記さずアンケートだけを送った場合の回収率は36%でした。
 ポストイットにほんのわずかのメッセージを書き込み、印刷物の上に貼りつけただけで、なぜ、こんなに相手の反応が大きく異なったのでしょうか。
 しかも、この手書きメッセージが記されたポストイットを貼りつけたアンケートは、他のどのアンケートよりも、回答が詳しく丁寧だったというのです。
 また、追加の実験により、ポストイットに感謝の言葉を添えたり、送り手のイニシャルを添える──といった、さらに親しみのこもった心配りをした場合には、回収率はもっと上がる──ということまで突きとめたのでした。
 誰かに書類で、何かのお願い事や、依頼をする時には、ポストイットをあえて貼り付け、そこに添え書きをするとよい──ことがわかります。
 親しみや心配りを見せるだけで、ここでも「返報性の原理」がはたらくからです。
 職場で、領収書の束と一緒に経理に提出する「経費精算書」などにも、「いつも、ありがとうございます」などと添え書きしたポストイットを貼れば、処理の優先順位も早まり、少しぐらいの交通費の誤記ぐらいなら見逃してくれるようになるかも──なのです。

「強力な接着剤を開発中、偶然にも非常に弱い接着剤が生まれ、付箋に使うアイデアが生まれた」という話は面白いですね。

そういえば、出版の世界では技術革新的なものがほとんどなく、せいぜい活版印刷からDTP(デスクトップ・パブリッシング)になったことぐらいですが、そんななか、付せんほど革新的な技術はないと言われています。

資料を調べるにも付せん、原稿を読むときも付せん、ゲラの校正にはとくに付せんは欠かせません。付せんが存在しない時代の編集者はどうやって仕事してたんだろう・・・と思うぐらいです。

そして、この「付せんに書き込みを入れるテクニック」は自分もけっこうやっています。完成した書籍を関係者に発送する場合も、「またよろしくお願いね」という気持ちを込めて、関係性を強化することも狙ってひと言添えて送るようにしています。

「もったい」をつけて相手を喜ばせる
――「こういうことでどうかな?」

 誰かを喜ばせたい──と思った時には、最初に一度そのチャンスがなくなったと思わせ、あとからその話が復活したことにすると、相手の喜びが倍加します。

男「 きみの誕生日にプレゼントしようと思い、買っておいたティファニーのペンダントを昨日落としちゃって……、昨日の夜はもう眠れなかったよ……」
女「えっ? そうなんだ……! アタシのために買ってくれてたの……。そう……(落胆)」
男「実はこれがそうなんだけどね、落としたのは勘違いで机の中に大事にしまってた」
女「 わッ!(嬉)、これがそうなの? 素敵! よかった……! 嬉しいッ! ありがとう!」


 一度消えてなくなったものが、復活して現われると、喜びが感動に変わるのです。
 これが「ロストゲイン効果」と呼ばれる現象です。ショッキングなエピソードを最初に語ることで注目度を上げ、いったん落胆させることで再出現のインパクトが高まります。
「これはティファニーで売っているペンダントの中で、ああだこうだ……」などと、もったいをつけるよりも、はるかに希少価値効果が上がります。ぜひ、お試しください。

「きみと付き合うのはもうやめる。だから、ぼくと今すぐ結婚してくれ!」

 こんなプロポーズのセリフだと一瞬ドキッとし、涙を流して喜んでくれるかもです。

今週の金曜日はクリスマスイブ

世の男性諸君!
この「ロストゲイン効果」はバリバリ使えるのではないでしょうか!

「これはティファニーで売っているペンダントの中で、ああだこうだ……」という蘊蓄(うんちく)で差別優位性を出そうとしがちなのが男性ですが、そんなことは一切せず、ここはひとつ「もったいをつけて相手を喜ばせるテクニック」を駆使しちゃってください。

ちなみに「きみと付き合うのはもうやめる。だから、ぼくと今すぐ結婚してくれ!」は実際にはかなりドン引く気がします笑

ドラマ『101回目のプロポーズ』の武田鉄矢の名セリフ「僕は死にましぇん!」を思い出しました。

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というわけで、今日はめちゃめちゃ使える心理テクニックを蔵出ししてしまいました。詳しくはこちらの新書に101本のテクが載ってありますので、ぜひ、ご活用ください!


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