先の読めない時代は「デザイン思考」で切り抜けろ
フォレスト出版編集部の寺崎です。
ビジネス(=ビジネス書)の世界では「○○思考」という括り方が、いつのころからか流行り始めました。エッセンシャル思考、論理的思考、アート思考……。
なかでも、いまいちイメージしにくいのが「デザイン思考」ではないでしょうか。そもそも「デザイン」って言葉が、わかっているようでわかっていない言葉の代名詞です。
グロービス経営大学院のサイトに掲載されている定義はこうです。
デザイン思考とは?
商品やサービスを使うユーザーの視点からビジネス上の課題を見つけ、解決策を考える手法をデザイン思考(デザインシンキング)といいます。デザイン思考は、色や形といった「デザイン」を考えることではありません。ビジネスパーソンにとっては、前例のない課題に直面したり、商品やサービスの改善策に行き詰まったりした際に役立つ思考法なのです。会社の強みや保有技術ではなく、ユーザーの視点で課題を見つけていく点が大きな特徴です。
デザイン思考は「前例のない課題に直面したり、商品やサービスの改善策に行き詰まったりした際に役立つ思考法」とありますが、いまはまさに「VUCAの時代」という常套句が秒で陳腐化するぐらい、前例のないことだらけです。
こりゃ、使えるに違いない!
で、実際に「デザイン思考」はどう活用するの?
・・・となると、これまたいまいちわかりませんよね。
そんなムズムズをすっきり解消する新刊が出ました。
なんたって、「生きるため」の「デザイン思考」です。
著者は世界最大のオンライン学習プラットフォームの講座が大人気の渡辺拓さん。いまいち活用しきれずにウズウズしていた「デザイン思考」を実践的にアレンジした「超デザイン思考」を開発した張本人です。
「デザイン思考なんて、使えねーよ」
そううそぶくあなたにこそ読んでほしい。だから、今日は本書のまえがきを全文公開します。どうぞ。
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『生きるためのデザイン思考』
まえがき全文公開
「やってみたいことがあるけど、どう進めたらいいかわからない……」
「やりたいこともよくわからないし、これから自分はどうなるんだろう……」
「もう、この先、どうしたらいいかわからない……」
何もかも、〝わからない〞時代になってきました。
生成AIの誕生以降、変化のスピードは留まるところを知らず、なくなっていく職業は今後日に日に増えていきそうです。
変化の波に飲まれて、思考が止まり、足が止まり「もう何もしなくていいや」と、さじを投げたくなることもあるでしょう。
この本で紹介するのは、そんな先の読めない「〝わからない〞時代においても、自信をもって一歩踏み出し、新しい価値を生み出していける思考法」です。
先が読めず、よくわからない時代には必要になってくる――
・本当の問題を見つけ出す洞察力や問題発見力
・自分の本心の〝やりたい〟を見つけ出す質問力や、言語化力
・潜在意識を活用する味わい力や行動力
――といったチカラも、この思考法を実践する過程で自然と身についていきます。
主に活用していくのは、論理よりも感情、左脳よりも右脳です。
AIが左脳・論理の役割をやってくれる今、人間らしく生きるために必要なのは、感情・感覚を大切にすることです。
左脳は顕在意識を、右脳は潜在意識を管理していると言われています。
つまり、右脳と感受性を大事にしていくこの思考法は、潜在意識を活性化させていく思考法でもあります。
また、情報が増えたがために起こってくる――
「うまくはいってるけど、なんだか違う気がする……」
「なんかどれも想像できて、逆にやることないなあ……」
「何かしなきゃいけない気がするけど、何からはじめていいのか……」
――といった、わからない退屈・不安・焦燥感。そういったものも解決していけます。
なぜなら、このような「グルグル思考」になるのは、問題に対して、これまでの経験、〝過去〟から、左脳・論理的に考えてしまっているからです。
この新しい思考法では、過去の延長線上にない〝未来〟を見すえて、右脳・感受性をフル活用、これまでにない発想で解決していきます。
いわば、凡人の日常にイノベーションを起こす方法論です。
「自分にも、こんなことができたんだ!」と、変化に溢れて、驚きを感じる、なんだか面白い日々を送れるようになります。
もし、そんな毎日になったら、楽しそうじゃないですか?
そんな前置きのもと、この本で学ぶことをまとめると、次のような図になります。
一見してちょっとよくわからないかもしれません。編集者さんにも、「わかりにくい」と言われましたが、本書の内容は、すべてこの図に集約されます。適宜この図を思い出していただくと、理解のサポートになるはずです。
こんな感じで、「わかる、しかし、つまらない」日常から、「わからない、だけど、面白い」非日常へと飛び出していきます。
それも、左脳の論理はそこそこに、右脳のイメージや感情、時にはカラダの〝身体感覚〞も使いながら。
それが、この本で学ぶ「超デザイン思考」です。
「ちょっと面白そうかも?」と思っていただけたなら、ぜひこの先もお読みください。
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・・・2022年に亡くなった芸人・松鶴家千とせの有名な持ちネタ「オレがむかし夕焼けだったころ、弟は小やけだった。父さんが胸やけで、母さんが霜やけだった。ワカルカナ? わかんねぇだろうナ」に近い印象を与えてしまったかもしれません。
大丈夫です。