ワーキングマザー生活こそ、「生産性向上」最強の筋トレである
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
女性は男性に比べて、ライフイベントが多くあります。結婚・妊娠・出産・育児……。
これらはキャリアに大きな影響を与えます。生活の変化を余儀なくされると悩む女性は、少なくありません。特に、「妊娠・出産後の社会復帰」は、女性ならではのキャリア不安に結びつきやすいものです。
社会復帰しても、時間的な制限が出てきてしまうのがワーキングマザー。夫婦で家事・子育てを分担できていても、出産前には存在した、仕事やキャリアに費やす時間が絶対的に奪われてしまう。それが、時として「自分の仕事力が落ちたのではないか」と悩む女性も多いと言います。
そんな悩みに対して、
「仕事力が決して落ちたわけじゃないから大丈夫! ワーママ生活を『生産性向上』を養う最強の筋トレと考えよう」
と提唱する人物がいます。
音声メディア「Voicy」で再生回数1600万回以上を誇るトップパーソナリティにして、ワーママ界の新カリスマとして注目されている「ワーママはる」こと、尾石晴さんです。
今回は、予約段階から注文が殺到し、発売前日に【重版】が決定した、ワーママはるさんの新刊『ワーママはるのライフシフト習慣術』の中から、「ワーキングマザー生活こそ、『生産性向上』最強の筋トレである」を公開します。
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「仕事力」が落ちたのではなく、
○○○を変える分岐点に来た
共働き夫婦に子どもができて、ワーキングマザーになると、時間が限られた生活に突入します。仕事以外にも「家事育児」に費やす時間は増え、子どもがいる前と同じような働き方はできなくなります。大人2人の夫婦時代なら帰宅後も「仕事のアイデアや新しい企画について頭で考えている」ことも可能でした。しかし親になると、帰宅後は「夕飯をどうするか、お風呂に子どもをいつ入れようか」と段取りに追われたり、保育園の連絡帳を読み、明日の登園準備が待っています。それまでとは違う思考を使っていくようになるのです。
当然ながら、仕事にかけている「身体的、思考的な時間」は減ります。結果として、使えるリソースが減っている分仕方ないのですが、なんとなく「仕事力が落ちた」ような気持ちになります。
では、これは本当に仕事力が落ちたと言えるのでしょうか?
本当に仕事ができなくなったのでしょうか?
決してそんなことはありません。ライフスタイルの変化に伴い、これまでの仕事の「やり方」を変える分岐点が来ただけです。
ワーキングマザーは、子どもができたタイミングでこの分岐点が急激にやってきます。
「時間がないから、これまでの働き方を変える必要がある」
この変化に、働く母親の多くは、「このままじゃまずい!」とパラダイムシフト(価値観の変容)を起こして、「時間当たりの生産性の向上」で対応し始めます。
使える時間が限られるがゆえに、「時間がない中で成果を上げる=生産性を上げる」方向へ働き方の舵を切るのです。
仕事に使える時間が決まっているからこそ、「仕事の優先度付けがうまくなる」「ショートカットキーなどを駆使するようになる」「業務を前倒しでやるようになる」「不要な仕事が捨てられるようになる」「安請け合いを避ける」「無駄をなくそうと努力する」など、行動を変化させていきます。これまで以上に、仕事の生産性向上にシビアに取り組み始めます。
すると、ワーキングマザー1年目では「つらい、つらい」と思っていた仕事も、2年経つと、まるで「筋力がついたかのように」こなせることやできる量が増えていきます。月日が積み重なるごとに、強制的に「生産性」が向上していきます。
これを私は「ワーキングマザーの筋トレ」とたとえています。
「横型のリーダーシップ」をつける
絶好のチャンス
ワーキングマザーになって「キャリアの方向性が見えなくなった」と言う方も多くいらっしゃいますが、私はこれもある意味チャンスだと考えています。
キャリアの方向性とは何でしょうか?
会社で上司から「今後どうする?」と聞かれて「今日ですら、保育園のお迎えギリギリなのに今後っていつよ」と焦る「今後の方向性」でしょうか?(違います)。キャリアの方向性とは、会社勤めの場合は一般的に「縦」ラインで問われることが多い。
いわゆる、部署内の上司部下の関係性で見るキャリアの「はしご型ライン」です。この「縦、はしご型」で考えると「方向性」は見えなくなります。
ワーキングマザーが考えるべきは、この「縦」ではなく、「横」の方向性です。
組織横断力、「横型のリーダーシップ」、部署や部門を超えた「横」を巻き込んでいく力の育成です。
では、ワーキングマザーはなぜ「横型の力」を考えるべきなのかを考えてみましょう。
ワーキングマザーになると、働く母親という属性自体が人数的に(多くの会社では)社内ではマイノリティになります。すると、自分の所属する部署だけでなく、他部署を含めた視点から、自分と同類のキャリアに目が向くようになったり、これまでは意識もしていなかった部署を超えた共働き世代との交流が増えたりします。
マイノリティであるがゆえ、部署内で解決し得ない問題(復職手続きや勤務相談など)を人事部や総務部と相談しながら解決していくケースも増えます。
これが、何に良いのでしょうか?
強制的に縦のみならず横とつながることによって、横断的なコミュニケーションを取る機会が増えるのです。私自身もワーキングマザーになってから、他部署の共働きのメンバーと情報を取得したり、与えたりする関係をつくるようになったり、働き方を含めた社内での交渉力や部署を超えたやりとりが増えました。
さらに、社内だけでなく、社外の人(保育園や学校の役員など)とのかかわりも、子どもがいることで増えていきました。
属性も背景も違う人たちの中に出ていって、交渉したりまとめたりする力は、「横型のリーダーシップや組織横断力」をつくる経験を確実に積ませてくれます。
実は「横型のリーダーシップ」を育成するのは、「縦型のリーダーシップ」より難しいのです。なぜなら、縦のラインでは当たり前とされている考え方や慣例が通用しなかったり、上下関係の力がない分、相手側の背景も配慮した働きかけが必要になるからです。ワーキングマザーは自分がマイノリティ側になった分、フラットな目線や想像力を身につけることができます。「社内だけでなく社外の人とかかわる機会も増える」「状況を理解するための質問や対話をする」「想像や忖度でコトを進めない」「目的や目標設定をして方向性を合わせる」。具体的には、ベビーシッターの手配から指示出し、保育園役員、社内でのポジション交渉や、メンター探しなどを含めてすべてが「横のリーダーシップ力」アップにつながっています。
「縦」の方向性ではなかなか得る機会がない「横の力」を身につける大きなチャンス到来なのです。
これからのダイバーシティ経営時代に
求められる能力
ワーキングマザーの筋トレで身につく力は、次の2つです。
①時間当たりの効率を考えて仕事をするようになる=生産性向上
②横断的な関係構築力が身につく=横型のリーダーシップ
これからはダイバーシティ(多角化、多様化)経営ができない企業は潰れていきます。なぜなら、日本は高齢化に伴い労働人口が減り、さらに介護問題も本格的にやってくるからです。
今までと同じような属性(男性、長時間労働)の人ばかりを雇えなくなるし、限界が来ると、すでに多く報告されています。
そんなときに求められるのは、多様な考え方や価値観を持った人をまとめるような人材です。
ワーキングマザーは、ひと足先に、強制的にこの経験ができており、能力を培っています。これから大きく社会の中で求められる可能性が高いのです。
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いかがでしたか?
新刊『ワーママはるのライフシフト習慣術』のテーマは、タイトルどおり、「人生100年時代に向けて、自らの人生をライフシフトする習慣術」です。
ライフシフトとは、「人生の向きや位置を変え、人生に変化を起こす」。変化の激しい時代、今までの人生戦略の方向転換が必要です。人生にライフシフトを起こすことが求められています。人生100年時代が叫ばれてしばらく経ちますが、コロナ禍が前倒しにした感もあります。
変えようとはいっても、では具体的に、どのようにライフシフトすればいいのか? どのような人生戦略を立てて、生きていけばいいのか?
そんな自らの人生をライフシフトするために必要な重要エッセンスを、ロジカルに習慣術としてまとめた1冊です。興味のある方はチェックしてみてください。
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