約半年で13kg減、モンスター井上尚弥の世界戦前にスーパーバンダム級の計量クリア
昨年の7月末からダイエットをはじめて、およそ2カ月半で10kg減に成功しました。68.5kgから58.5kgになったわけです(身長171cm)。
しかし、どうせ私のことです、すぐリバウンドすることくらいわかっていますよ。だったらそのリバウンド分も考慮して、さらに3kgの減量を目指しました(この抜かりなさ、ストイックさを仕事にも活かしたいものです)。
しかし、せっかくノルマを達成したのに、さらにノルマを上乗せするのは、モチベーションの維持が難しいものです。事実、最初の10kg減は2カ月半で達成したのに、その後の3kg減は3カ月もかかってしまいました。
そんななか、私が心の糧にしたのが、昨年12月24日に予定されていた井上尚弥チャンピオンとサム・グッドマンのスーパーバンダム級の世界戦でした。
井上チャンピオンのファンである私は、勝手に井上チャンピオンに連帯し、試合前日までにスーパーバンダム級の計量リミット55.34kgまで体重を落とすことにしたのです。
ところが報道されたように、試合数週間前に対戦相手のサム・グッドマンがまさかの負傷、試合は年を明けた今月24日延期されることになりました。
これで少し気が抜けたものの、試合がなくなったわけではないと気を取り直して、なんとか年末年始を自制し、試合数日前の本日に計量リミットをクリアしたわけです。
ちなみに、またもやグッドマンが同じ箇所を負傷したため、井上VSグッドマン戦は中止になりました(ただ、完全にアンダードッグですが、リザーバーとして待機していた選手との世界戦は組まれるそうです)。
井上戦の挑戦者のファイトマネーは1億円以上とのこと。
グッドマンはそれを当てにして豪邸を購入していたそうで、今回の試合中止に酷く取り乱したしたそう。これは完全にグッドマンの調整不足、そして陣営の失態であり、対戦を楽しみにしていた私としては「ふざけんな」とは思いましたが、さすがに少し気の毒ではあります。
しかし、こうしたゴタゴタ、不測の事態を生み出すのも、モンスター井上尚弥の見えない力なのでしょう。圧倒的なパワーとテクニックに挑戦する恐怖、勝てば人生が一変するほどの大チャンスと国際的に得られる栄光、勝っても負けても得られる大金……。対戦相手としては、冷静でいられるはずがありません。
一昨年にベストセラーになった森合正範『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』(講談社)は、井上と闘い、敗れ去った選手を取材したノンフィクションなのですが、「井上戦」というのはその前後含めて選手の人生を大きく変えていることがわかります。
(私自身、井上チャンピオンとは何の縁もないオッサンですが、井上戦を意識したことで、しつこい贅肉を落としたと考えれば、人生を変えられた1人といえるのかもしれません)
井上チャンピオンと闘ったことで、そして敗れたことで引退した者、満足してしまい向上心を失った者、打倒井上のために次世代の選手の育成に切り替えた者……、著者が国内外を取材した(特に異国の取材はほとんどアポ無し突撃)珠玉のスポーツノンフィクション。
井上チャンピオンに取材したわけではないのに、そのモンスターぶりがわかる圧倒的に面白い本です。1月24日の世界戦をさらに楽しむために読んでおくことをオススメします。
(編集部 いし く”ろ )