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【発想法】アイデアが煮詰まったときに使える思考の整理術


こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

ビジネスでもプライベートでも、何かアイデアを出そうと思ったとき、煮詰まってしまって、なかなか出てこない……。

そんな経験は、誰でも1回はあるのではないでしょうか?

それは、自分一人で考えているときのみならず、複数人で会議をしているときにもよく起こるものです。

そんなとき、あなたはその状況をどのように打破しますか?

さまざまな方法があると思いますが、私は、編集担当させていただいた鈴木進介さんの著書『問題解決のためのセパレート思考』を活用しています。

「セパレート思考」とは、ひと言で言うと、「物事やテーマを仕分けして、問題の本質を見抜く思考法」です。以前、note記事でもセパレート思考を活用した「目標設定法」をお伝えしました。


今回の問題は、「アイデア出し」です。
鈴木さんは、アイデアが煮詰まったときには、【抽象】と【具体】に仕分けすると頭が整理がつくと言います。

たとえば、「会社の売上アップ」のためのアイデアを出すとします。

このようなアイデア出しで煮詰まってしまうときは、たいてい、具体ばかりに焦点が当たってしまっている。

と著者の鈴木さんは指摘しています。

 抽象論での議論は、企業においては嫌われています。「具体的=わかりやすい」「抽象的=わかりにくい」という固定観念が頭にセットされているからです。
 しかし、これは短絡的なものの見方です。
 人間が頭を使って考える行為は、実はほとんどが何らかの形で「具体と抽象の往復」をしています。確かに、抽象的な話だけの場合、答えはハッキリと見えてきません。頭に映像が浮かぶくらいに具体化しなければ、それが正しいかどうかが見えにくいものです。しかし、具体的に考えることだけだと、思考の広がりが制限されてしまうリスクもあります。
 もちろん、だからと言って、常に抽象論がいいという意味ではありません。私たちの頭が、「具体と抽象の往復」をしていることを踏まえて、煮詰まったら、そのどちらかに意識を切り替えていくことが大切なのです。

同書では、鈴木さんが実際にコンサルタントとして現場に入った印刷会社の事例を交えながら解説しています。

 以前、印刷業を手掛けるクライアント企業の会議に参加したときのことです。普段から抽象的な話を嫌う社長が、営業マンに対して「売上アップの方法を具体的に考えなさい」という指示を出していました。新規顧客への営業強化という言葉は出てくるものの、その中身は、いつもと変わり映えがしません。顧客への訪問回数の増加や、ホームページのリニューアルなどです。
 提案された方法は具体的ではあるものの、過去に何度も試してきた方法で、新たなアイデアに行き詰まっている様子でした。
 そこで、私はこう言いました。
「売上アップの方法は、営業を強化することだけでしょうか?」「そもそもどんな価値を顧客に提案すれば、顧客は喜んでくれるでしょうか?」
 これまでの営業策の具体的な話と、売上アップの方法という抽象的な話に分けて、ホワイトボードに書き出していきました。
 抽象論を嫌う社長は一瞬ムッとしましたが、何かに気づき、次のように発言したのです。
「うちは、ただ印刷することが価値だと思っていましたが、そういえば、取引先は印刷されたパンフレットを使って売上を上げたいのが本音ですね。印刷だけではなく、販促策の戦略立案、市場調査、人材派遣など、問題のすべてを1つの窓口で解決できるという価値を提供したらどうだろう?」
 単なる印刷業ではなく、販売促進の支援事業という新たな価値に気づき、営業強化よりも新サービスの強化を行なうという新たな決断に至ったのです。
 その後、新サービスを突破口に新規顧客の開拓や客単価が向上していきました。
 もし単に営業戦術の具体策を考えていただけでは、新たな選択肢が出てこなかった可能性があります。
 具体論と抽象論に仕分けして議論を進めることによって、新たな選択肢を見出し、効果的な決断ができたのです。

具体論だけで考えると、思考は制限されてしまうわけですね。

私たち人間の頭は「具体と抽象の往復」をしているのですから、具体論から抽象論に持っていく思考が大切であれば、逆に、抽象論から具体論に持っていく思考も大切なわけです。

鈴木さんは、「売上増のために、新規開拓営業の強化が急務」「シニア市場を狙う」といったクライアント先でよく話題に出るテーマを例に挙げながら、「抽象的なものを具体的なものに落とし込んでいく」ための3つのポイントを提示しています。

①数字

「売上を上げる」ではなく、「前年比で30%増やす」などと数字に置き換えるとより現実味を増す。

②時間軸

「急いで行なう」ではなく、「24時間以内にやる」「〇日までに終える」とスタート地点や期限を明確にする。

③固有名詞

「シニア向け」と言わずに、たとえば、「吉永小百合のような人向け」と言えば、イメージが具体化される。

図にまとめると、次のようになります。

図版


いかがでしたか?

今回は「アイデア出し」に使える「抽象」と「具体」の仕分けを解説しましたが、同書では20以上の問題について、その問題を解決するための整理法(セパレート思考)をそれぞれわかりやすく図版を使いながら解説していますので、興味がありましたらチェックしてみてください。


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