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「3」というゴールデンナンバーについて

フォレスト出版編集部の寺崎です。

今日も「3色ボールペン」がテーマです。

ここまできて、そもそも「なぜ、『4色』でも『2色』でもなく『3色』なのか?」という疑問がわかないでしょうか。

これには理由があります。

どんな背景があるのか、さっそく『情報活用のうまい人がやっている3色ボールペンの使い方』(齋藤孝・著)から抜粋してお届けします。

なぜ3つに分けるのか?

 じつに大雑把な分け方のようだが、方法としてシンプルだから実践的だ。複雑なものは長続きしない。
 例えば、3色ではなくこれを12色に分けたら、読解がすごく緻密なものになるかというと、そうではない。あまり細分化してしまうと作業が煩雑になり、続けられなくなる。
 分類というのは、箱が多すぎてはいけないのである。そこに多くの判断エネルギーを使わなくてはならないようではダメだ。分類を細かくしすぎたために、あとになってどこの箱に入れたのか思い出せなくなるのは困りものだ。
 なぜ3つかといえば、それは私が「3」というのは人間の脳に最も適した分類単位だと思っているからである。
 当然のことながら、「1」というのは分類にはならない。
 では、「2」はどうか。「2」というのは、じつは危険な分類法である。善と悪、聖と俗、あるいは白と黒でも、右翼と左翼でもいいが、そういった二極構造に陥ってしまう危険性をもっている。思考がそこから発展していかない。「2」は動きが生まれにくい数だといえる。それが二分法だ。
 その点、「3」には動きがある。
 例えば、弁証法という思考法があるが、それを成しているのは「正・反・合」の3つの観点である。中心になる命題があり、それに反対する命題があって、それをもうひとつ高次の次元にまとめあげていく、アウフヘーベン(止揚、揚棄)という思考方法だ。二分化でとどまってしまうのではなく、もう一段高い次元で矛盾を解決しようとすることで思考に動きが出てくる。そして、この弁証法的運動をくり返して、さらに別の考え方に持ち上げていくことができる。
 また、「3」というのは、記憶の単位としてじつに効果的だ。誰でも覚えられる。しかも、リズムがよい。これが4つになると、急に記憶するのが面倒くさくなる。パッと即座に判断しやすいのも「3」までだ。
 そういう意味でも、信号は3色が限界。もし信号が4色だったとしたら、瞬間的な判断に迷って、事故が多くなるに違いない。
 こうしたことから、私は「3」という数字に非常にこだわっている。
(中略)
 本書でも、情報を自分のものにするコツとして、「くぐらせる」「立ち上がらせる」「編み出す」という3つの項目に分けて構成した。
 この「3項目立て」を基本にすることで、あらゆる仕事の進め方がかなり明晰になってくるはずだ。
「3」より細かく記憶する自信があるという人は、3つに大きく分けたものを、さらに細分化していけばいい。A・B・Cという3つの項目に分けたら、その中をさらにa・b・cといった具合に分ける。A・B・C・D・E・F……と分けていくのでなく、A‐abc、B‐abc、C‐abc……と分けていく。このほうが絶対に頭が整理されやすい。
 情報を、川の流れにたとえてみよう。
 さまざまな情報が流れ込んでくる。それを大河のままにしておいたのでは、灌漑用水にするにしても使いづらい。そこで、いくつかの支流に分けたい。そのとき分水地点で、この水はこちら、この水はそちらに分けるべきものだ、などともたもたしていたのでは、氾濫して洪水が起きてしまう。支流にスムーズに流し込むためには、手間をかけなくてもそのまま自然に流れが分かれていくような誘導路を用意しておくことが必要だ。
 それが3色方式だと思ってほしい。脳に流れ込んだ情報は、まず、赤・青系の流れと緑系の流れとに分けられる。そして、赤と青とが必然的に自然に分流していく。これならば、洪水は起こらない。
 つまり、〝情報洪水〞に溺れる心配もなくなるというわけだ。

***

最後の川の流れのたとえがイメージしやすいですね。

情報の洪水にならないように、流れ込んできた水(情報)を3つに瞬時に切り分ける。

個人的には「3」という割り切れない奇数である点にも秘訣があるような気がします。

ビジネス書の世界では、なぜか「4章立て」は嫌われ、「5章立て」が収まりがいいと言われています。これも「割り切れない奇数」がポイントのような気がしますが、経験則に基づくものなので、科学的根拠は一切ありません(どなたかご教示ください)。

そうだ、ちょっとそれについて調べてみようと思って検索していたら、面白い記事をみつけたのでシェアします。タイトルやキャッチコピーの考案の際に参考になりそうです。

ちょっと話が逸れました。

次回はさらに「なぜ、赤・青・緑なのか?」についてお伝えします。

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