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【フォレスト出版チャンネル #59】ゲスト|起業予備軍必聴!行動の品質を上げるための3つのポイント

このnoteは2021年2月4日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

【行動の品質を上げるポイント②】1つの行動がそれだけで終わらず、良い波紋を広げることを考える

渡部:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティ渡部洋平です。今日は昨日に引き続き「結果を出す人に共通する成果につなげる行動のコツ」をテーマにお届けしていきます。それでは、本日も株式会社ウェイビー代表取締役社長・伊藤健太さんです。よろしくお願いいたします。

伊藤:よろしくお願いします。

渡部:森上さんもどうぞよろしくお願いします。

森上:よろしくお願いします。

渡部:昨日は「努力しないで成功するのは良いこと? 悪いこと?」というテーマでお話していただきました。昨日の放送を聞いていない人はぜひ聞いていただければと思います。行動の品質を上げるための3つのポイントの1つ目を紹介しています。

今日は残りの2つ目、3つ目になっています。1つ目が「最速・最短・最小で最大・最高・最適な成果を出すことを最優先で考える」でした。そして2つ目が今日のテーマですね。「1つの行動がそれだけで終わらずに、良い波紋を広げることを考える」。では、まずこちらからお願いしたいと思います。これは具体的にはどういうことですか?

伊藤:はい、ありがとうございます。1つのやることにいろいろな目的を持たせることによって、やることのモチベーションもそうなんですけど、やったことに対しての結果っていう意味でのレバレッジみたいなのものが複合的に効いてくるっていうことなんですね。ちょっと「何言ってんだ?」みたいな話かもしれないですけど。
よくお客さんには、「一石二鳥とかじゃないんです。一石五鳥、六鳥目指します」という話をしています。例えば、うちの会社に新しく人が入りました。この人に日報を必ず書いてもらうわけですね。日報って普通の会社では誰のために、何の目的でやっているかっていうと、会社の上司がこの人がちゃんと仕事をしているかというのを見るためのものっていう意味合いが強いもの、以上、という感じだと思うんですね。なので、1個の目的しか持ってないわけですね。会社、本人のためというのはあるかもしれませんが、これが主だとして、当たり前の目的としてあります。ただ、僕が書いてくださいって言われたら、それだけだとめちゃめちゃつまらなくて、やる気が起きないわけですね。なので、うちの会社では何をミッションとして課しているかというと、「日報をうちのお客さんたちに公開します」と。なぜならば、日報の中で、必ず新人の目線で気がついたことや、できなかったことっていうのは、他の会社の新人も同じようなところで詰まる可能性があるわけですよね。なので、僕たちの会社は会社経営をやっている方のご支援をするのが主の会社なので、この新人が日々のやったことは、他の会社さん、お客さんである会社からしたら、何かの参考になる可能性があります。そう考えると、「ただ上司に報告のつもりで日報を書く」という目的から「自分の日々やっていることがお客さんの社長に展開される」という意識になる。すると、日々の行動自体が変わったり、どうやったらこの人たちに自分の動きの中で役立つことができるのかという問いにすり替わっているわけですね。そうすると、今まで以上に自分のできていないところだったり、どうやって改善したのかというところに意識が向いていき、かつわかりやすく書かないといけないと意識し、文章力も上がっていく。
例えば、こういう目的を1個置きます。さらに欲張りなので、例えば、もう1個は、これを新人のブログとしてホームページに公開していきます。そうするとお客さんじゃない第三者の全く知らない人からのアクセスも取れる可能性があるじゃないですか。〇〇さんが書いた日報を外から見たときに役に立つ1つのコンテンツという目線に置き換えてみてほしいわけです。〇〇さんが書いた日報が溜まっていって、例えば3カ月後にこの日報だけでこのぐらいのアクセスが取れていたら、これはすごいことだよねと。そうすると、今度はもうちょっと一般論化して、自分の目線、新人の目線で何か役に立てる価値を、お客さんじゃない、もしかしたら見込みのお客さんになってくれる人に対しても、新人の動きが効果を発揮していく。
このように、どんどんその人がやっている1個のことにいろいろな目的をくっつけることによって、その人の意識が変わって、仕事の質も変わっていきつつ、会社はたくさんのものを得られる。こんなことをやっています。

森上:なるほど、今のお話だと日報という1つの行動において、外側に対してもそうだし、自分・内側(自社側)にとってもプラスに働いてくる。いくつもの目的が出てくるということですね。それはすごいですね。社員教育の一環でもあるわけですね。

伊藤:そうなんです。日報って、ただ適当にやっているのが普通じゃないですか? 普通って言うか(笑)。皆さんちゃんとやっているんでしょうけど、めんどくさいなと思ってやっているのか、そうじゃなくて、これはもう商品だと(いう意識でやるか)。自分が作っているんだっていう当事者意識を持たせながらやることによって、本人の成長につながる。日報って、そもそも本人の成長のためのものというニュアンスで、やっていることがより加速されますよ、ということですね。

森上:なるほど。すごい! いかがですか、渡部さん?

渡部:日報って聞くと上司に報告しなきゃいけないから嫌々やるみたいにちょっと感じてしまっていたんですけど、問題設定ややる意味を変えてあげるだけで、いろいろな視点が持てて、本当に一石五鳥ですね。最終的に、これ自体がコンテンツになるってところまで進んでいくと、いやー、本当におもしろいですね。

伊藤:世の中って成果を出すにあたって「差」って僕はないと思っています。1つのことを他の人と違ってどういう目線で捉えているかだけの違いだと思っているんですね。皆さんのまわりに、今まで、小学校でも、中学校でも、社会人になってからでも、「この人は他の人と目線が違うな」とか、「この人の言うことって、いつもすごく的を得ているな」とか、「困ったら必ずこの人に話を聞く」みたいな人っていると思うんですけど。その人って、いつも僕はお客さんに何て言うかって言うと、「問いが違うんだ」って話をしているんですね。「日報を書いたらいい」というのはただの解決策なんですけど、「それって、そもそも何のためだっけ?」と前提の捉え方がめちゃめちゃクリアなんですよね。「これはもしかするとこういうことでも展開ができますよね」というように、前提を増やしていくことができると、やることの意味付けが変わっていくということだと思っています。

森上:ありがとうございます。

渡部:そうですね。昨日の放送でも話してくださったんですけど、同じ行動をしているのにいくつもアウトプットができて、時間の使い方としても全然違うものになってきますね。

伊藤:まさに、そのとおりです。

渡部:なるほど。ありがとうございます。

【行動の品質を上げるポイント③】自分だけでなく、まわりを巻き込もうと考える

渡部:では、行動の品質を上げるポイントの3つ目「自分だけでなく、まわりを巻き込もうと考える」です。

森上:これは、貸し借りの話とは違うんですかね?

伊藤:いくつかレイヤーがあると思っていて、「貸し借り」っていうのは、小さい意味で言ったら合っています。ただ、ここで目指したいのは何かって言うと、貸し借りっていう考え方をさらに上位にしたときに何が待っているかと言うと、貸し借りって言うとちょっとビジネスっぽい感じになってしまうと思うんですね。でもわかりやすく、合理的に貸し借りっていう感じでビジネス的にこう捉えていくということも、とても重要だと思っているんです。合わせて、2つ実現しないといけないことがあって、1つは「当たり前に貸し借りを返していく」っていう、これは必要な動作です。併せてもう1個は、「人間的なつながり」ですね。抽象的で恐縮なんですけど、僕の最初のコミュニケーションって、この人との短期の目線。貸し借りってなっちゃうと、どうしても今すぐ自分がビジネス上でなにかこの人の役に立たないといけないんじゃないかっていう発想になってしまうんですけれど、そうじゃなくて、もう一段上のフェーズで、「人としてずっとつながっていく状態をつくる」というのがあります。
僕が創業したときの話なんですけど、当時は創業したててで、なんのリソースもない状態だったので、なかなかお客さんのお役に立てなかったわけです、ビジネスにおいてですね。なので、なにか僕がして差し上げられることがなかったわけですよ。ギブとかテイクの話なんですけど。なんも物理的にできない状況があったわけです。
でも、それをどういう目線で見ていたかって言うと、ビジネス上は全くに役に立てなかった。ただ、もっと上のレイヤーで、そもそも人としてお役に立てることはあるんじゃないかって目線を変えたんですね。そうすると、無限に役に立てることが見えてきました。例えば、お客さんが会社を移転しますといったときに、「引っ越しするんだ!」と。これは間違いなく引っ越し作業を僕がお手伝いで物理的に稼働すればお役に立てるなと思うわけですよ。そしたら、「引っ越しの当日、社長もお忙しいと思うので、僕も引っ越し手伝いますよ」と申し出をするということですよね。そうすると、ビジネスの付き合いでは全くないですが、いい人ほど、こういう考え方を持っている人ほど、「なんで伊藤君は無条件に困っていることに協力してくれたんだろう」と思ってくれるわけです。
ビジネスっていうフレームワークだと役に立てることってなかなか見つからないわけですよ。でも、もう一段レイヤー上げて、くどいですけど、人としていう目線に立ったときに、僕も社内でよく言うのですが、「目の前に孫正義がいる。偉大過ぎる経営者なので普通の人は孫さんの役に立つなんてなかなかできない」って最初から思っちゃうわけですよ。でも、「そんなことは絶対ない」って僕は言っています。なぜなら、例えば僕世代の考え方は孫さんより絶対僕のほうが知っていますよね。なので、もしかしたら僕世代の話の中でなにかお役に立つことができるんじゃないか。または、この人は完璧すぎて役に立たないって言った場合には、少し目線を変えて、この人が大切にしている人が必ずいますから、その人にだったらお役に立てるんじゃないかと発想するわけです。
以前、私の目の前に偉大な社長がいらっしゃって、この人の役には立てない、申し出ることすら言いにくいということがありました。あるとき、その社長のお姉さんがこれから事業を立ち上げるという話になりました。「本当は自分が手伝いたいんだけど、自分の仕事が忙しいから全然サポートできなくて不安だ」というお話があったんで、「僕に任せてください」と申し出ました。「いつも社長にはお世話になっていますので、お姉さんに僕のことを紹介していただいていいですか?」というところから、お姉さんともめちゃめちゃ仲良くなって。その結果、社長は自分に何かしてもらったときよりも5倍くらい喜んでくださったんです。
ビジネスって貸し借りも大切なんです。ただ、これだけだと役に立てない人ってたくさんいるので、パワーとかリソースがないとなかなか役に立てないから進まないんですね。でも、何もしなくていいという話ではなくて、最も重要なのは、「人として何かお役に立てないか」。そこから活路が広がっていくんですね。自然体なコミュニケーションがとれるかは、ものすごく重要だと思っています。

渡部:個人的に意外だなと思ってしまったのが、ビジネスライクにドライな判断をされる方なのかなって勝手に想像していたんですけど、そこは逆なんですね?

伊藤:両方あるんですけど、基本的なスタンスとしては、いつも短期と長期を見て、どっちも持ってるんですね。いわゆる「ビジネス」と「人」っていう2つの目線をいつも持ちながら物事をすべて見ています。目標も短期と長期を必ず併用したり、人に関してもビジネスっていう目線とそうじゃない目線ですね。

渡部:なるほど。「ビジネスだけでなく、人として役に立てるか」っていう、自分に対する「問い」はすごくおもしろいなと思いました。ビジネスだけだと、どうしても自分よりレベルの高い人に対してはなにもできない、役に立てない、だからかかわれずに終わってしまいそうなんですが、今聞いたような考え方ですと、打開策が見えてきそうですね。

伊藤:視点を変えられるかっていうのがとても重要でおもしろいんですけど、この辺は経験値が上がってくる。僕も失敗することあるんですけど、逆に、偉い社長ほどまわりの皆さんがYESマンになってしまっているので、僕はあえて絶対まわりの人が言わないことですね、社長の言ったこととかを否定するケースもあるんですね。それは、社長が本来そういうのを求めているんじゃないかということですね。なので、この辺は難しい。
かなり応用的な話になってしまうのですけど、ただこのときでもなにが重要かって言うと、「人として絶対にいい奴だ」って思われていれさえすれば、ビジネス上の多少のエラーとかミスはなんら問題なく許されるんですね。でも、人として全然好かれていない、嫌いって思われていた状態でのビジネス上のエラーやミスは致命傷になるんですね。
なので、よく社内のメンバーにも言っているんですけど、例えば、お客さんと初めて会うときの目的は1つしかない。商品を買ってくれるであろう見込みの人に会ったときですら、「この初回の面談でやることは1つしかないよ。それは、人として好かれなさい」と言っています。この話しかしていないですね。なので、売れるとしても、そのときに売る必要は全くない。なぜなら、人としていい人だと思われれば、いつだって連絡すればリアクションしてくれるわけですよ。なので、この長期的な関係を最初に確保することができてしまえば、この時間の中で、いろいろなビジネス上の話だったりチャンスっていうのが出てくるわけですね。
一方、ビジネスだけで見ている人は、どうしても短期目線になってしまいますし、役に立てない若い人だったら、結果なんて出しにくいわけですよね。だから、やっぱり超長期で人として好かれるという目線で見つつそこが握れてしまえば、ビジネスのチャンスなんて、いつだっていくらだって出てくるんだっていう。こういう話です。

森上:人間力。すごく抽象度の高い言葉ですけど、やっぱり「人間力」っていうのが一番問われる、行動にも、人間関係にも、ビジネスにもすべて問われてくるんだなと改めて感じた次第ですね。「ビジネスで割り切ることが、どれだけ危険なことなのか」を改めて感じました。本の中にもそのあたりはすごく感じられるんですけど、改めてお話を聞いて思いました。

渡部:「自分だけでなく周りを巻き込もうと考える」というポイントについてお話いただきました。昨日と今日2回に分けて行動の品質を上げるための3つのポイントについて解説いただいたんですけど、伊藤さんの新刊『行動の品質』でこちらの3つのポイントをベースに行動の品質をどう上げていけばいいのか、その考え方と実践法が詳しく書かれているということです。ぜひこのチャプターにもURLを貼ってありますので、興味のある方はチェックしてみていただければと思います。それでは2日間にわたり、伊藤さん、ありがとうございます。最後にリスナーの皆さんにメッセージいただければと思います。

伊藤:皆さん、聞いてくださってありがとうございました。僕もまだ11年しかやっていないんですけど、今回は、僕の気づきというよりは1万人を超える自分で何かを成し遂げようという最高峰の仕事の1つが事業を起こす起業家や会社を経営されている方だと思っています。この人たちは、サラリーマンの人がそうでないというわけではないんですけど、基本的には皆さん大きなリスクを取って、「何が何でも絶対に成功するんだ!」という誰よりも強いモチベーションを持っている人たちのはずなんですね。そんな前提の人たちですら、二極化、本当に反対の結果になってしまうのをずっと目の当たりにしてきていて、成果を出す人と、全然成果を出せない人がいる。でも、最初のモチベーションとかやる気は抜群にあったわけですね、どちらの人も。
なので、僕はここがずっと気になっていて、なんで人によってこれだけやる気やモチベーション、リスクをテイクしている人たちにもかかわらず、結果に差が出てしまうのかと。そこをまだ僕も仮説だとは思っているんですけど、ただ多くのうまくいっている人、多くの失敗している人を見ていくなかで、この部分がやっぱり肝なんじゃないかというところで、考え方とその考え方に基づくと結果として行動ってこういうふうに変わっていますよねという最終単位の行動に関しての具体的な話を今回本にさせていただいていますので、これは僕の話というよりかは10年でお手伝いさせていただいた1万人の経営者や起業家の方の知恵やノウハウの結晶だと思っています。ぜひ時間を短縮するという意味において皆さんにお読みいただけますと、皆さんの時間が短縮されたり、いろいろな意味でスピードが上がったりとか、自分がこういう目線を持つことによって全然違った気持ちをもって仕事にも取り組むこともできますので、ぜひお読みいただけると大変うれしく思います。それではみなさん、ありがとうございました。

渡部:ありがとうございました。伊藤さん、森上さん、本日もありがとうございます。

伊藤・森上:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)



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