見出し画像

【フォレスト出版チャンネル#209】ゲスト/経営|静かなブームの空き家・古家不動産投資の裏側

このnoteは2021年9月1日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

空き家・古家不動産投資は何から始めればよいのか?

渡部:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティの渡部洋平です。本日は昨日に引き続いて大熊重之さんにゲストに来ていただきました。大熊さん、よろしくお願いいたします。

大熊:よろしくお願いします。

渡部:引き続き、稲川さんよろしくお願いいたします。

稲川:はい。よろしくお願いします。

渡部:昨日も、古家不動産投資、全国古家再生推進協議会・理事長、大熊さんに来ていただいて、お話をしていただいております。昨日の放送も聞いていただけると、とても役に立つと思います。今日は、昨日よりもちょっと具体的に、この空き家・古家不動産投資をどのようにやっていけばいいのか、みたいなところを聞いていきたいと思います。ぜひ、最後まで聞いてください。
まず、この空き家・古家不動産投資は、経営者の方にとっても新しい事業としての本業へのリスクヘッジになったり、これから不動産投資を始める方についても、リスクが低く、資金も低い部分から始められるということで、かなり魅力的な投資法であるということを昨日、お話していただいております。
では実際、どうやって始めればいいのかというところを、ここから聞いていきたいと思います。では、大熊さん、この空き家・古家不動産投資をやってみたいなと思ったら、まずどんなことからスタートすればいいでしょうか?

大熊:そうですね。まずはやはり不動産の知識を得ることが第一なんですね。不動産業界というのはどういうものであるかとか、不動産投資とはどういうものであるかという知識をしっかりと勉強してもらうことが大事なんです。
それからもう1つは、やっぱり物件を見る能力をつける。この物件を探すというところでは、急に空き家があるから見に行って、というかたちだと、例えば金額がいくら安い50万円とか、100万円で売ってるって言っても、リフォームするのに、800万円も1000万もかかるっていうことになってくると、結局意味がないんですよ。逆に言えば、少々高い家でもほとんど修繕費にお金がかからなければ、ちゃんと利回りとしては回るようなかたちにはなるので、物件をまず見るということが非常に大事なんですね。
それから、気をつけないといけないのは、購入する前にちゃんとシミュレーションをすることです。そこで貸す場合の家賃というのは、そこら辺の競合物件を含めて、相場家賃が必ずあります。それをちゃんとゴールにして、その家賃対で稼ぐ額と、それから物件を購入する額、それを計算すれば利回りというのが出てきますので、それをまずシミュレーションしてから、購入金額を自分なりに出して、それで買い付けることが大事。だから、相手の売りに合わせることは非常にリスクが高くなります。

渡部:勉強することが重要であることを、今お話していただいたんですけども、どのぐらいの金額で物件を買って、どれぐらいの利回りが出るかっていうのを、まず最初にきっちり計算しておくことが大切なんですね?

大熊:そういうことなんですね。我々、協議会ではそういう知識を得るためにオンライン講座ですぐに楽に勉強できるっていうようなかたちをつくったりとか、あるいは、そういった投資家さんを集めて、古い物件を何戸か見に行くんですね。で、実際にさわったり、匂いを嗅いだりとか。それから、そこに再生してくれる工務店がいまして、その方々と「ここはだいたいこれぐらいのリフォームで済みますよ」とか、「こういうふうにリフォームします」ってことを解説してもらいながら見られる。そんな古家物件見学ツアーをやっています。そういったことを体験しながら、古家の知識と経験を積んでいってもらうような仕組みを協議会ではつくっています。

古家物件の探し方と売れるリフォームのコツ

渡部:古家不動産投資はスタートしやすいよっていくら言っても、じゃあ自分でいきなり探して買ってというのは当然難しいと思うので、大熊さんのところでは、そういった難しいハードルみたいなところを、一緒にクリアしていけるっていうことになるんですね?

大熊:そうですね。前回お話させてもらったように、私は最初にそこで失敗したので、一人でやるのは非常にリスクが高いです。ですから、何人かが集まって団体としてのスケールメリットを活かして勉強するにしても、体験するにしても、ハードルを低くして、同じような仲間が集まって、情報交換をしながら、古家不動産投資ができるようなかたちにしています。

渡部:物件探しがすごく難しいなんていう話を聞きますけど、そういった情報も皆さんでシェアしていらっしゃるんですかね?

大熊:そうですね。団体のスケールメリットっていうのはそこに大きく反映してきます。例えば、不動産屋さんから物件情報をいただいて、不動産屋さんから購入するんですけれども、逆の立場になって、不動産屋さんが一人の人に情報を流す場合に、やっぱり5000万とか1億とか、そういった物件を売るほうが効率いいので、そういったお客さんを大事にしますよね。で、安い金額っていうのは、不動産さんはあまり相手にしないんですよ、実際は。だけど、我々が買うのはほとんど200万、300万、安ければ100万切るような物件もありますので、そういった部分は不動産業者としては商売にならないので、あまりやりたくない。しかし、それが数売れるとなると、不動産業者もまた変わってきます。ですから、我々はスケールメリットを活かして、「数はいくらでも買いますよ」というようなかたちの不動産業者さんとのやり取りになるので、例えば古い家が出てきたら、団体に情報を流しておけ、と。そしたら、たくさん買う人がいる。しかも、そこは教育されていて、ちゃんと収益不動産の勉強をされている人がたくさんいるので、取引もやりやすいということで、情報が集まってくるようになるんです。ですから、一人で物件探しに行くよりも、我々が団体として探しに行くほうが圧倒的に情報量も多いということになります。

稲川:私からも1つ。実際に大熊さんと一緒に本をつくらせていただいたときに、大熊さんがおっしゃったのは、物件を実際に見てみないとわからないよっていうことですね。実は、東大阪まで私が訪ねさせていただきまして、そこの近辺にある全国古家再生推進協議会さんが扱っている物件を何件も見せていただいたんですよね。で、やっぱりびっくりしたのが、最初パッと見たときは、「こんな古い家、どうすんだろう」と思って、内装工事、リフォームをしているところを見させていただいて、次に出来あがったリフォーム済みの物件を見せていただいたんですよね。そしたら、例えば「150万ぐらいでリフォームできちゃうんだ」とか、そういう技術ですよね。そこにびっくりしまして、特に私が感心したのは、リフォームって言うと全部キレイに直さなきゃいけないって思いがちですけども、すごく古い家の良さというか、良い部分を活かして、リフォーム代を結構安くしているんですよね。

大熊:そうですね。我々のやっているのは、そこが大きな特徴だと思います。古い家を再生する場合に、一方では投資としてやりますので、いくらでもお金がかかるのはダメなんですね。極端に言うと、大手業者さんだと10坪2階建ての家を800万、1000万かけて本当に新築みたいなかたちにするというのもあります。しかし、それでは投資になりませんので、我々がやっているところは、いかにポイントを押さえて、こことこことここのリフォームをすることによって、入居者さんが満足されて入ってくれるかっていうところで、頃合いっていうところがあるんですよ。お金はいくらでもかけれない。でも、手を抜くと入居者が決まらないところがあるので、入居者にとってはここと、ここと、ここは大事だと。だけど、こことここは何もしなくても大丈夫ということがやっぱりありまして、やるところとやらないことを明確にするっていうこと。それから古い良さというものがやっぱりあるんですね。戸建ての良さであったりとか、古い家の良さっていうのがやっぱりありまして、そこを汚いイメージじゃなくて、古いけれども、かっこいいであったり、雰囲気がいいであったり、そういったイメージが出るようなリフォームをするということで、ローコストで入居者さんに喜んでもらえるリフォームをするというのが、我々の特徴です。
ですから、和室を残すのが我々の大きな特徴でもありますし、それから、どうしても砂壁・綿壁っていうのが、築40年以上だと多いので、そういったところを私どもの塗料を使って、塗装を使って、内装のリフォームをするところも、大きな特徴です。その塗料も、私が元々塗装業界にいましたので、オリジナルで塗料をつくって、そして抗菌・抗ウイルス・抗カビ・防臭というような、そういった機能を持たせた塗料でやっているので、これもまた、皆さんにとっても喜んでいただけるという内容になっています。

古家の「物件ツアー」と「買付け」の実態

稲川:私も実際に見させていただいたんですけど、こういったものを会員さんが見学会というかたちで、本当に再生する前の物件を見学して行くっていうことですよね?

大熊:そうです。全国18ツアー、もうじき20ツアーを超えるんですけれども、毎月1回は必ずその現地で、物件ツアーをやるんですけども、築40年から50年ぐらい、そういった古い空き家を、2~4件ぐらい見に行って、うまくタイミングが合えば、工事途中であったり、工事後のビフォーアフターを見れるようなかたちになります。それによって、こんなにボロボロだった家がこんなにも素敵な家に変わるのかというイメージができるようになります。

稲川:買い付けツアーみたいなものもあって、結構、その場で会員さんが買っちゃうっていう話も聞きましたけど。

大熊:はい、そうです。今、言った物件見学ツアーというのは、古い家を3~4件見て、ビフォーアフターのアフターのキレイになったリフォーム後の物件を見るんですけども、ビフォーの工事する前の空き家というのは、実は買い付けできる物件なんです。これは我々の団体の再生士っていうのが、「そういった物件で、これだったら収益がありそうだ」というものをピックアップして、選んできて出しているものなので、そこに買い付けを入れることができます。

稲川:実際、複数名いたら、どういうふうなかたちで決まるんでしょう?

大熊:これが普通に不動産業者さんとか、ビジネスで考えるなら、高いお金を出したほうに、となるんですけども、我々はそういうことは一切しなくて、実際にこの収益がこの利回りで買い付けできるようなかたちというのは固定されていますので、そういったことをここで勉強することによって、「この計算でできますよ」というものがあります。それに基づいた買い付け値になっているので、それを上げることはあまりしないです。で、重なった場合には、実はじゃんけんで決めます。

渡部:えー!(笑)。

大熊:これがおもしろいところで、会員さんによっては何回もじゃんけんに負ける人がいるんですね。

渡部:(笑)。

大熊:5回も6回も(笑)。で、私に相談があって、「どうしたらじゃんけん勝てますか?」ということで、「家で練習しているんです」とか言う人もいましたけどね。まあ、その方も粘り強くやっている中で、「やっと買えました」と言って、買えるようになったら、なぜか連続して買えるようになったりするんでね。おもしろいかなと思います。

渡部:おもしろいですね。単純に金額を出せば買えるっていうわけじゃなくて、採算が合わないものは買ってもらっては困るっていうことで、そういう仕組みにされているんだと思うので、そこは常に安心して参加できそうですね。

大熊:はい。我々から提供する物件もあれば、会員さんが持ち込んでこられる物件もあるんですね。というのは、会員さんが「この空き家、いいと思うんだけども、工事費用が算出できない」と。だから、「再生士」って言う専門家に見てもらえないかという依頼もあるんですね。で、実際、現地に見に行って古家を見た場合に、「これは、いくら安くても、買うのはやめておきましょう」と言って断ることも結構あるんです。やはり、いくら物件が安くても、例えば、躯体自体が歪んでいて直しようがないとか、あるいは傾きが進んでいるとか、そういった危険性のあるものであれば、そこはもう投資にならないので、いくら安くてもやめときましょうということも言います。収益がちゃんと計算されている中での物件を見て、買い付けるということが、この団体がやっていることなので。

渡部:なるほど、さっきのじゃんけんをするみたいな話もありましたけれども、コミュニティというか、会員さんたちの雰囲気が、すごく参加しやすそうな雰囲気なのかなって感じました。

大熊:そうですね。もうそこは一番のメリットかもしれないですね。やはり職業とかね、皆さんバラバラなんですけども、同じ想いで来てるんですよね。1つのツアーに、少なかったら4~5名とか、多かったら10名以上になったりするんですけども、その方たちがそういった物件見学ツアーに行くと、半日ぐらい家を一緒に見ることになるんですね。車に乗って移動して家を見る。その中で話をする機会がたくさんあります。物件を見ながら話をして、ベテランの方だったら「今回、5件目なんです」とか。「何件か買ったのが、こうこうこうでね」というような話があったりとか。皆さんは空き家投資をするという同じ想いで来ているので、それに対していろんな話ができるっていうのは、これは本当に財産になると思っていますね。

初期投資の費用・利回り・元本の回収期間は?

渡部:ありがとうございます。実際、いくらぐらいの投資資金があればスタートができて、例えば何年ぐらいで利益が出てくるみたいな目安ってあったりされるんですか?

大熊:だいたい500万前後というところですね。安い物件で言えば400万ぐらいとか。それ以下っていうのもありますけども、だいたい400万、500万、高くても600万以内という感じになります。利回りとしては、だいたい12%~15%ぐらいですね。で、15%までいくと、だいたい7年ぐらいで償却、家賃で回収してしまいますので、それ以降は家賃が入るばっかりだと言うような感じになります。例えば利回りが10%だったとしても、だいたい10年以内には回収できるというようなかたちになりますので、今回のコロナみたいなことがあるように、世の中ってすごく変わりますので、10年以内で回収できるっていうのは、リスクとしては低くなってくるんじゃないかなと思っております。

渡部:ありがとうございました。今のお話を聞いて、ちょっと興味を持っていた方で、やってみたいなと感じた方もいるかもしれないんですけど。

大熊:よく僕が説明するときに「車1台分我慢してください」っていうような話をしますね。ちょっといい車だったら400~500万ぐらいするでしょう。そういうのを買うのをちょっと我慢して、空き家を買ってくださいと。何年かしたら家賃で回収できるので、それから車を買っても遅くないですよというような説明をしたりしますね。

渡部:なるほど。ありがとうございます。本当に興味を持った方は、書籍のURLを掲載しておきますので、まずは本を読んでいただいて、大熊さんがどのようなことを具体的にやってるのか、もっと勉強していただけたらいいなと思いました。

書影をクリックすると、書籍の詳細がご覧になれます。

空き家・古家不動産投資コミュニティの未来

渡部:では、今日もお時間になってまいりましたので、最後に大熊さんに今後の活動について、何か夢、目標みたいなものがあったらぜひ教えていただきたいと思います。

大熊:はい。この全国古家再生推進協議会というのは、各地域、北陸、名古屋、関西、関東、九州、福島も始まっているんですけども、まだまだ日本全国から言ったら少ないですね。これを全国各地でできるようなかたちにして、全国の古家再生をする。先ほど言ったコミュニティが、大きくなって、どこでもいつでも好きなように投資ができると。空き家投資ができるかたちにしたいなというのが、当初の目標でもあったので、これは焦るわけではないですけども、着実に広めていきたいなと。
それから、この空き家投資は、僕自身が中小企業の小さい工場の経営をやらせてもらっている中で、非常にメリットが大きいんです。経営としてのいろんな勉強ができたりとか、チャレンジ精神とか、アイデアが出てきたりとかして、経営者としての幅、視野っていうのが広がるっていうのが実感としてありますので、ぜひたくさんの経営者に、特に零細企業、個人事業主でも結構ですのでやっていただきたいなと。
今回残念だなと思ったのが、もっと飲食店とか、旅行業界の方とか、そういった方にちょっと早くこの空き家投資をやっていただいていたら、今ちょっとでも安心した生活ができたんじゃないかなというふうに思うぐらいなんです。ですから、零細企業、個人事業主の方にこの空き家投資っていうのをどんどんどんどんもっともっと広めていきたいなということで、今回この本を出させていただいたんです。そういったことも含めて、社会貢献として広めていきたいなと思っています。
このコミュニティがどんどん広がることによって、これは僕のイメージで実際にまだまだできてはいないんですけれども、このコミュニティが広がれば広がるほど、次の展開が待っていると思ってるんですよね。というのは、このコミュニティの中で仕事のやりとりができるんじゃないかなと思っているんです。簡単な話で言うと、例えば「マイソク」という不動産のチラシを作るサービスがあるんですけれども、それをこのコミュニティ内で得意な人に頼むであるとか、あるいは、入居付けの案内の営業を依頼されて行く。ちょっとしたアルバイト的な感覚で仕事のやりとりができるとか、そういうこともできると思ってるんです。
ですから、このコミュニティ自体が社会モデルみたいなかたちになっていくことを願って、頑張っていきたいなと思います。

【番外編】大熊さんから逆質問!ビジネス書編集者が語る「成功する著者」の条件

大熊:で、最後に、私のほうから逆にね、ちょっと質問したいなと思っていまして、この本を一緒につくらせていただいた稲川さんに聞きたいなと思うのは、一緒にこの本をつくる中で結構密にやりとりとかするじゃないですか。そうすると、実際のそのビジネスの裏側であったり、あるいは著者の本音が見えたりとか、本質が見えたりとか、稲川さんの場合はたくさんの経営者の方、あるいは成功者の方とかにお会いされて、お話を聞いていると思うので、その辺の本質的なところを見抜かれてるんじゃないかなというふうに勝手に思っていまして……。ズバリ聞きます。成功者の共通点とか、例えば著者に向いている人であったりとか、あるいは本を出すことによって、その人がこんなに大きく変わったよ、みたいな、そんなお話があれば、この機会にちょっと聞きたいなと思って。稲川さん、よろしくお願いします。

稲川:ありがとうございます。僭越ですけれども、私の経験則の中で感じたことをお話しさせていただければと思います。
成功者の条件っていうものって、実はいっぱいあると思うんですよね。例えば、志を持っている人とか、人のために何かを成し遂げたい人とか、人を喜ばせたいとか、人の喜ぶ顔が見たい人とか。あとは、逆に社会への不満とか怒りをなんとか解消したいと思っている人だったりとか、単純にお金を大切にするという人もいますよね。そういう人も、お金がいっぱい貯まったりする。
いろんな条件があって、何が正しくて何が悪いのかとは言えないんですけど、ただ1つ私が感じているのは、やっぱり「自分のポリシーみたいものに基づく、自分のルールを持っている人」は必ず成功すると思いますね。例えば、仲間を大切にするんだとか、嘘をつかないんだとか、一日一人は笑顔にしようとか、わかんないですけど、自分のポリシーを必ずルールとして持っている人。これが成功する人の条件だと。こういうマイポリシー10カ条みたいなものを、この10カ条だけはどんな事業をやっていても、どんな人生を送っていても絶対に持って生きるんだっていう人は、結構みんな幸せに生きていたり、成功したりしている人が多い気がします。

 大熊:なるほど。ポリシーねー。

稲川:そういった自分の生き方に恥じないと言うか、信念というがあるので、たぶんそれを成しえれば、その人は成功者なんじゃないでしょうかね。そう思います。で、もう1つ、本を出すことで世界が変わるんじゃないか、著者の条件みたいな話をしていましたけど、冗談ですけど、本を出すことによって面が割れちゃって、外へ出て下手なことできないなっていう人が多いんですよ(笑)。 

大熊:(笑)。

稲川:それは冗談ですけどね。本を出す人に、私がよくお話しをすることがあるんですよ。特に初めて本を出す方にお話しするんですけども、おそらく大熊さんともお話ししたんじゃないかなと思うんですけど、「この本の出版は、その著者の、あなたにとってのステージの1つだ」と。「この本を出すことによって、あなたは次にどんなステージに行きたいんですか?」っていうことをよく聞きます。やっぱり本を出した後、自分がその次に何を目指したいのかっていうこと。そこを聞かないと、その人の本質って見えてこないんですよ。
先ほど言った成功者の条件で、どんな志を持っているのかなとか、どんな社会への不満を持っているのかなみたいなことも聞きますけども、そういったことと同時に、やっぱり本を出すと、社会的な責任って結構伴いますよね。だから、本を出すことによって、次なる自分はどういう自分でいたいのかっていうことをよく聞きます。
ここを聞いたときに、「これをもっと広げるために、もう2冊、3冊いっぱい書いていきたんだ」って人もいれば、「この本から、多くの同じの悩みを抱えている人を救いたい」っていう人もいれば、当然、本を出すことを戦略的な位置づけにしている人もいたりするんですよ。
でも、やっぱり著者の責任は、読者にとって誠実であるかどうかっていうこと。だから、僕はここの部分をすごく大切にしていて、何を伝えたいか、そして、何を自分が成しえたいかっていう根底に、やっぱりその人が誠実であるかどうかっていう。そういう人がやっぱりどんどんその分野で世界を変えていっているというか、自分自身が変わっていっているなっていう人が多いって感じています。そんなことですけども、よろしかったでしょうか?

大熊:いや、ありがとうございます。確かに稲川さんと最初にお話させてもらったときに、そういうこと言われてましたわ。で、本を出したからこそ、出会えなかった人と出会えるとか、そういうのもありましたけれども、でもやっぱり一番は今、言われたように、本を書くときに自分を見つめ直しますよね。過去の自分のことであったり、これからどうしたいであったりとか、自分自身を見つめ直すっていうところが一番いいのかなっていう気がしますね。 

稲川:ありがとうございました。渡部さん、ちょっと話がズレましたけど、最後にこんなかたちでまとめてよろしかったでしょうか?

渡部:はい。ありがとうございました。

大熊:自分勝手なことを聞きまして、すみません。

渡部:いえいえ! とんでもないです! 不動産投資で成功したい方、また、リスナーの皆さんは本を出してみたいなという方もいらっしゃると思うので、今の大熊さんの話や、編集者の稲川さんの考えなどを参考にしていただけたらいいなと思いました。
それでは大熊さんが、これからも空き家が増え続けていくと言われている中、再生して古家を生き返らせることは、非常に社会貢献にもなる、やりがいがあることなのかなと思いました。ぜひ、今回興味を持った方、改めて、大熊さんの本をまずチェックしていただけたらと思います。では、本日は、全国古家再生推進協議会・理事長であります、大熊重之さんにお越しいただきました。大熊さん、2回にわたりのご出演、ありがとうございました。 

大熊:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)

 

いいなと思ったら応援しよう!