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人間関係の悩みを減らすなら、コレを捕まえて分解する

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

私たちの人生における悩みの1つに「人間関係」があります。

学生時代なら家族はもとより、同級生や先輩・後輩、先生など、社会人になれば、同僚や上司や部下、取引先、家族を持てばパートナーや義理の親、親せき、ご近所さん、ママ友など、近年では世代にかかわらずSNS上でつながっている人との関係も含まれるかもしれません。

問題の大小はさまざま、いくつになってもつきまとう悩み。それが人間関係ではないでしょうか。

そんな人間関係の悩みを少しでも減らしたいなら、あるものを捕まえて、分解してみるといいと提唱する人がいます。

予約段階から注文が殺到し、発売前日に【重版】発売1週間で【3刷】が決まった『ワーママはるのライフシフト習慣術』の著者・「ワーママはる」こと、尾石晴さんです。

▼同書の内容がよくわかる専用ページはこちら

今回は、同書の中から「『思考グセ』を捕まえて分解すると、人間関係の悩みが減っていく」を公開します。

「〇〇であるべき論」に囲まれやすい
日本のワーキングマザー

「日本はハイコンテクスト文化だ」と言われています。ハイコンテクストとは、コミュニケーションを取る際に、前提にある言語や価値観、考え方が非常に近いことを意味します。つまり、考え方や価値観が近い人ばかりなので「言わなくてもわかるだろう」文化が強いのです。逆に欧米は、多様な民族や価値観の人が集まっているので、「言わないとわからない」文化で構成されています。
 このハイコンテクストであることは、良い意味なら、すべて言わなくても、お互いがわかり合えます。しかし、悪い意味では、「受け取り側」に責任がかかるコミュニケーションになります。要は「察して当たり前」なのです。言葉による説明が少ない社会では、どう理解するかは「受け取り側次第」になります。
 そのため、十分な説明がないにもかかわらず、理解できない、空気を読まない「受け取り側」が「ダメだ」「同調圧力、空気読め」となります。
 日本の女性は、空気を読みすぎる傾向があります。社会から求められる「像」を敏感に察知していると、自分の「価値観」に鈍感になってしまいます。
 ワーキングマザーはこなす役割が多いので、コンテクストを読むと、プレッシャーに感じます。母親なんだから、会社員なんだから、なんだから、いろんな「〇〇だから」や「〇〇であるべき論」に囲まれやすいのです。
 そうなっていくと、判断基準が「他人の価値観」や自分がもともと持っている「思考のクセ」で物事を判断したり、見やすくなります。気がついたら他人の判断に乗っ取られてしまっているわけです。
 日本のワーキングマザーは世界一大変と言われますが(海外と違って、子育ての外注難易度が高い。家事の要求レベルが高い。日本のお弁当や清潔度はすばらしいですよね)、それには、このハイコンテクスト文化が関係しているのではないかと推察できます。
 この文化や人の考え方、見方はコントロールできません。私たちができるのは、自分の見方や行動をコントロールすることだけです。

「自動思考」の罠から脱する

 では、自分が持っている「思考のクセ」を考えてみましょう。何かが起きたときに、自分の意志とは関係なく、自動的に湧き出る思考を指します。心理学用語の1つです。簡単に言うと、「見方、認知のクセ」です。
 例えば、上司からのメールが自分にだけ来ていない。そのため、社内ミーティングをすっぽかしたとします。さて、皆さんだったら、どう思いますか?

 ・上司がわざと送らなかったのでは?
 ・上司が普段からメールのグループをつくっていないから悪いのでは?
 ・上司のOutlook を見てミーティングがあることを確認してなかった自分が悪い。
 ・自分のせいじゃないから、ミーティングをすっぽかしても私が悪いわけじゃない。

 起きた出来事は1つですが、皆さん、さまざまな考えが頭の中に浮かんでくるのではないでしょうか。これが自動思考です。私たちに「認知のクセ」を与えています。
 具体的には、このような認知クセの種類があります。「白黒思考」「マイナス思考」「拡大解釈」「過小解釈」「ラベリング(〇〇に違いないなど)」「すべき論」など、たくさんの種類があります。
 ちなみに私は、拡大解釈のクセを持っています。何か物事が起きると関連を想像して、最悪の事態を想定したり、悪い状況を想起してしまうのです。子どもがちょっと学校に行きたくないと言ったら、いじめが起きてるんじゃないかと思うタイプです(笑)。
 この認知のクセは、生育環境や性格から育ってきているので、こちらで制御する前に、勝手に出てきてしまいます。「自動」思考ですから。そのため、厄介なのです。
 私たちはただでさえ役割が多く、ハイコンテクスト社会に生きています。そうすると、「空気を勝手に読んで判断してしまう」「(思考グセで)自分を苦しめてしまう」場面も増えます。
 自動思考は思考であるため、止められません。ちなみに、この勝手に浮かんでくる「思考のクセ」は悪いものではありません。「悪い」と思うのではなく、見つけて対処する、気がつくことが大事です。
 私はその手法として、「事実」と「感情」を切り分けるようにしています。

「事実」と「感情」を分解する──自分の「思考グセ」の捕まえ方

『嫌われる勇気』で有名になったアドラー心理学でも、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言われるくらい、コントロールできないものに使う時間も思考もありません。
 変えられないものは「過去と他人」です。変えられるのは「未来と自分」です。
 私は、自分の思考グセが出ている(自動思考が出ている)と思ったときは、「起きた出来事」と「感じたこと、考えたこと」を分けて、紙に書くようにしています。こうすると、事実は1つですが、「解釈や感情」は複数生まれていることがよくわかります。紙に書くことで、まざまざとそれを客観視できます。
 例えば、

「職場で同僚に無視された → 以前もワーママが嫌いと言っていた同僚だ → 私がワーママだから嫌いなんだわ、悲しい」

 こんな出来事があったとします。
 この中で事実は何でしょうか?
「同僚に無視された」 これだけです。その他の感情や解釈はすべて「自分の頭」がつくっています。
 思考や価値観、この事実を書いてみると、自分の思考グセに気づきます。紙に書くと、「起きた出来事」に対して、

 ・その考えは本当なのか?
 ・事実は果たしてそうなのか?
 ・相手は本当にそう思っているのか?

 と問いを立てられるようになります。
 もしかしたら同僚に挨拶の声が聞こえなくて、「勝手に自分が無視された」と思っているのかもしれません。「ワーママが嫌いだから」と私は思っているけれど、現在もそうかはわかりません。「悲しい」のはなぜなのか? 人に嫌われたくない、怖いなど、自分の自動思考が判断しているのかも……。
 このように「ただ書くだけ」でも気づきが多くあります。少し冷静に考えられるようになります。
「自分の思考グセ」を捕まえる練習をしていくと、「自分がどうしたいのか」「自分が快か不快か」など、自分に向かってアンテナを立てて決めることができます。
 働く母親はついつい「社会のあるべき」「他人からの求められる姿」に敏感になってしまいやすいので、「思考グセ」を分解できる術を持っておくと、まわりや自分に翻弄されずに生きやすくなります。

今回ご紹介した書籍『ワーママはるのライフシフト習慣術』のテーマは、タイトルどおり、「人生100年時代に向けて、自らの人生をライフシフトする習慣術」です。

ライフシフトとは、「人生の向きや位置を変え、人生に変化を起こす」。変化の激しい時代、今までの人生戦略の方向転換が必要です。人生にライフシフトを起こすことが求められています。人生100年時代が叫ばれてしばらく経ちますが、コロナ禍が前倒しにした感もあります。

変えようとはいっても、では具体的に、どのようにライフシフトすればいいのか? どのような人生戦略を立てて、生きていけばいいのか?

そんな自らの人生をライフシフトするために必要な重要エッセンスを、ロジカルに習慣術としてまとめた1冊です。興味のある方はチェックしてみてください。


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▼本書の「はじめに」「目次」を全文公開中

▼著者・はるさんと本書制作の裏側を話しています

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