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あの「エモい言葉」はこうして生まれた。

こんにちは。フォレスト出版・編集部の美馬です。

私はビジネス書をメインとする出版社で書籍の編集に携わっているので、わかりやすさや、実用性を重視する本づくりを心がけています。

したがって、いわゆる「エモい」と言われるような文章を扱うことは普段なかなかありません。

ただ、個人的にはそういう文章に触れることが多かったりします(マンガやアニメですが)。

そんななか「エモさ」「エモい文章」そのものを題材にした書籍を企画。このたび、晴れて刊行の運びとなりましたので、お知らせします!

タイトルは『エモい言葉の日常』

書影をクリックするとAmazonページに飛びます。

著者は蒼井ブルーさんです。

蒼井ブルー(あおい・ぶるー)
大阪府生まれ。文筆家・写真家。2015年、エッセイ『僕の隣で勝手に幸せになってください』(KADOKAWA)でデビュー。たちまちベストセラーに。以降、書籍、雑誌コラム、広告コピーなど活躍の幅を広げている。ほかの著書に、『NAKUNA』『ピースフル権化』(以上、KADOKAWA)『君を読む』『もう会えないとわかってから』(以上、河出書房新社)『こんな日のきみには花が似合う』(NHK出版)などがある。

フォレスト出版史上、最もエモい本かもしれません(知らんけど)。

というわけで、今日は本書のまえがきを全文公開します。内容については後日あらためてご紹介します。

はじめに
 こんにちは、蒼井ブルーと申します。大阪出身の文筆家・写真家です。名前が性別不明なため女性と間違われることがありますが男性です。本と写真が好きです。おいしいごはんが好きです。好きな人たちと過ごす時間がなにより好きです。
 数カ月前、のちに本書の担当となる編集者さんから出版の打診がありました。早速企画書に目を通すと、そこには「エモい文章術」「エモい文章の書き方」「エモいを定義する」といったワードが並べられていました。新しい執筆がはじまるかもしれないとわくわくしていたぼくは膝から崩れ落ち、その衝撃で床を突き抜け、気がつくとブラジルに出ていました(出ていません)。愕然としました。編集者ともあろう者が、よりによって「エモい」を体系化しようとしていたなどとは。
 まだぴんときていない人もいるかもしれませんので、ここではっきり断っておきます。「エモい」を体系化すること、正しく解説して指南することなどは、どのような偉人・賢人にも不可能です。もしも可能だという人間がいるなら、失礼ながらそれは痛い人──痛人(いたんちゅ)でしょう。「エモい」を甘く見るにもほどがあります。
 なぜ体系化や解説、指南が不可能なのかというと、「エモい」は指紋や虹彩のように人によってまったく違う形や色をしているからです。それゆえ「エモい」には再現性がありません。だれかやなにかをまねたとしても、同じ「エモい」を起こすことはできないのです。
 河川敷で精根尽きるまで殴りあい、マブダチになったぼくと編集者さんは(殴りあっていません)、そこからあらためて本書のあり方を模索しました。そしてたどり着いたのが、「エモい」のトリガーになることでした。
 違う形や色をしながらも、人はだれもが胸に「エモい」を持っています。持たないという人は単にまだ気がついていないだけか、思い出せないでいるだけでしょう。ぼくの胸の「エモい」がみなさんのそれをくすぐり、呼び覚ますことができたら。『エモい言葉の日常』、ぜひ最後までおつきあいください。

蒼井ブルー『エモい言葉の日常』

"編集者ともあろう者が、よりによって「エモい」を体系化しようとしていたなどとは”

”「エモい」を体系化すること、正しく解説して指南することなどは、どのような偉人・賢人にも不可能です”

ちょっと著者にディスられているような気もしますが(そんなことはありませんよ!)、著者・編集者ともども、ある意味たしかに挑戦作と言えるかもしれません。

「エモ」に関心をお持ちのみなさま。ぜひ。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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