【2023年度まとめ】新米編集者の制作裏話大公開!
こんにちは。フォレスト出版・編集部の美馬です。
いよいよ新年度を迎えますね。2023年度はありがたいことに6冊の本を世の中に送り出すことができました。著者の皆さんをはじめ、いろいろな方にご協力いただき、1冊1冊じっくりと向き合いながら制作ができました。
春からいよいよ3年目になる編集者として、今年度1年間の総まとめをしたいと思います。
『幸せホルモンあふれるセロトニンヨガ』野村賢吾・著/有田秀穂・監修
こちらは、幸せホルモンでお馴染みの「セロトニン」の分泌を促すヨガのシークエンスをオールカラーで解説した1冊。ちょっと複雑なシークエンスのページにはQRコードを掲載していて、音声解説付きの動画が視聴できるようになっています。
ヨガインストラクターの野村賢吾さんとセロトニン研究の第一人者の有田秀穂先生がタッグを組み、医学的に検証されたエビデンスがしっかり確立されたヨガとなっています。なんと、ヨガの一連のシークエンスを医学的に検証(血液検査など)したのは当時初めただったみたいです。
私が本書の企画を提案したのは、さかのぼること約2年前。まだ入社して間もなく「企画って何?」「企画書ってどうやってつくるの?」なんていう右も左もわからなかった頃でした。そんなときにあるメディアで「セロトニンの分泌を促すことが検証されたヨガが登場!」と書かれた記事を見かけて「これを企画にしない手はない。絶対売れるぞ!」と急いで企画書をつくったのを覚えています。
じつは私ヨガは一度もやったことがなくて、そもそも”シークエンス”って何? という感じだったのですが、著者の野村さんは嫌な顔一つせず「興味があったらぜひうちのスタジオへ」と快く受け入れてくださいました。あれから未だにお伺いできていませんが……野村さんスミマセン!
弊社Voicyチャンネルにもゲスト出演してくださいました▼
『糖尿病専門医だから知っているアルツハイマー病にならない習慣』牧田善二・著
認知症の中で最も罹患率が高いアルツハイマー病が、糖尿病と密接な関係にあるということをご存知でしたか? 今現在糖尿病に罹っている、あるいは糖尿病予備軍である、そして糖尿病に罹りやすい体質の人まで、アルツハイマー病になる確率がとても高いということが近年わかっています。
そんな中、糖尿病治療のエキスパートである牧田善二先生が、糖尿病のメカニズムを基に、長年ご研究されてきたアルツハイマー病の進行を食い止める方法がこの1冊の凝縮されています。
今はどうかわかりませんが、当時糖尿病専門医がアルツハイマー病について解説した書籍はありませんでした(あくまでも私のリサーチ)。もしも今もそうなのであれば、この本とても貴重だとは思いませんか……?^^
さて、牧田先生とは共通の知人がおりまして、彼の主治医が牧田先生なんです。そこで牧田先生とお仕事をご一緒させてもらうことに。まだ制作開始当時は入社1年目のぺーぺーでしたが、私の容量の悪さが見えても優しくフォローしてくださいました。牧田先生ありがとうございました。
牧田先生のお人柄はVoicyでも聞くことができます▼
『自律神経のなかで最も大切な迷走神経の整え方』小林弘幸・著
皆さんも聞き馴染みがあるでしょう「自律神経(交感神経・副交感神経)」ですが、その中でも最も大切だとされている「迷走神経」をご存知でしょうか? じつはこの迷走神経が、副交感神経の親玉なんです。
現代に生きる私たちは、交感神経が過剰に働きすぎていて、副交感神経がうまく機能できていません。それが”自律神経が乱れている”原因となります。では、その副交感神経をどうしたらうまく機能させることができるのでしょうか?
そうです。ここで迷走神経の出番となります。交感神経系を司る迷走神経を意識すれば、おのずと交感神経と副交感神経のバランスが保たれ、”乱れ”がなくなるというわけです。これを自律神経研究の第一人者である小林弘幸先生が解説してくれる1冊です。
じつは小林先生にはじめてお会いして企画をアプローチさせていただいた際に、とても多忙な先生ですし門前払いされるのではないかとドキドキしていました。しかし、小林先生からいただいた言葉は、
「よく『迷走神経』なんて言葉知っていたね。迷走神経の話はこれからの世の中で大事になってくると思うよ」
というものでした。「看護師の経験がこうして活かされてよかった~!」と素直にうれしかったのを覚えています。入稿日当日にタイトルを変更することになったのも、当時はかなり焦ってテンパりましたが、今では澄ました顔で対応できるぞ、と言えるくらいにまでは成長できたと思います。小林先生、ありがとうございました。
『私をやめたい。でも今日くらいは笑ってみる』蔡康永・著
こちらははじめての翻訳本です。台湾出身のタレントで中華圏で人気No1司会者にも選ばれた、蔡康永(ツァイ・カンヨン)さんの『蔡康永的情商课』を日本版エッセイとして仕上げました。
なんと本シリーズ、原著は累計700万部も突破しているんです。そんな台湾をはじめ中華圏でマルチに活躍している著者が、さまざまなエピソードを交えながら自分らしく生きるためのすべを伝えてくれている1冊です。ありきたりな表現で恐縮ですが、この本を読み終わると人生を”楽しむ”ことができるようになります。
「私たちって人生を楽しもうとすることもしないで、楽しくないなんて言っていたんだな」ということに気付けるようになるからです。
著者の蔡さんと、日本版のまえがきをご執筆いただいた作家の吉本ばななさんのトークショーとサイン会が先月行なわれました。リアル観覧は定員135名ほどでしたがチケットは即完売、急遽座席を増やすことになりました。今回チケットが取れなったという方も多くいらっしゃったかもしれません。また第2弾の機会があったときには、ぜひはやめにぼ応募してみてくださいね。
『人事がこっそり教えるヤバい内定術』ただの元人事(樋熊晃規)・著
超個性派就活系インフルエンサーのただの元人事さんが、実際の人事のご経験やこれまでの就活コンサルタントとして得た知見から、きれいごと一切なしで無駄のない内定までの戦略を説いてくれた1冊です。
もちろん精神論、根性論、感情論も一切いりません。コスパもタイパも重視して、現代の情報化社会で迷える就活生ちゃんたちに面白おかしく喝を入れてくれるような本となっています。ただし、面白おかしくとは言っても、本書で書かれている内容は、超マジメです(笑)。本当にここに書かれていることだけやれば、内定は勝ち取れます。
だって、私がそれでフォレスト出版から内定をもらえているんです。
じつは前職の看護師を辞めて転職活動中、ただの元人事さんのSNSを読み漁っていました。ほかの就活支援の情報を発信しているインフルエンサーとは一線を画すカリスマ性があるなーと当時から思っていました。無事に出版社の内定を勝ち獲り、企画書とともにこのエピソードをお伝えしたところ、快く引き受けてくださいました。
原稿を書き上げてくださるまでプレッシャーを与え続けてしまい、その節はすみませんでした……! 例のブラック企業で鍛え抜かれた強靭さは本物でしたね(笑)
『いつもの焦りやイライラがなくなるせっかちさんの本』杉浦義典・著
せかせか焦ったり、イライラ怒ったり、せっかちさんってあまり良いイメージはもたれていないですよね。私は極度なせっかちさん、しかもイライラがちのせっかちさんのせいで、しばしば怖がられることがあります。
一つ言わせてください。私だってイライラしたくはありません! 怒りのパワーって疲れるんですよ。せっかちさんにはせっかちさんの悩みがあるということをもっと皆さんにも知っていただきたいと思っています。
本書ではせっかちをつくる8つの性質から、せっかちさんのタイプ別の事例、そしてせっかちな心を癒し、落ち着かせるための方法を行動編、思考編、人間関係編にわけて詳しく紹介をしています。
唯一無二のせっかちさんのせっかちさんによるせっかちさんのための本です!
著者は異常心理学の第一人者である杉浦義典先生。ホンマでっか!TVなどのメディアにもご出演されている先生ですね。杉浦先生の声を聴くととても癒されるんですよ。とても穏やかであたたかくて、私のせっかちさを見抜いていらっしゃてて、さすが心理学の先生だと思いました。優しい声の印象とは裏腹に、デスメタルがお好きだという……。私は勝手に先生のことを”かくれせっかちさん”だと思っています(笑)
そんな杉浦先生の声とお人柄がわかるVoicyはこちらです▼
【番外編】台北ブックフェア2024での商談会
先月2月下旬の台北でブックフェアが行なわれました。国際的な本の祭典とも言える大規模なイベントです。毎年編集部の各担当者が各国のブックフェアに出向いて自社本の版権を売り込みに行っています。
本を作るだけでなく、売りに行く、ということまで経験できるのはとても貴重なことだと思っています。これも編集部の大事な仕事の一つですね。
詳しいレポはどうぞこちらから▼
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した6冊が私の今年度1年間の編集者としての”証”です。冒頭でもお伝えしましたが、これらの仕事は決して1人だけではなし得ないものです。
最後にあらためて、制作にかかわってくださった皆さんと、このnoteでいつも応援してくださっている皆さんに感謝申し上げます。
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1年を締めくくるようなテーマでここまで書き上げましたが、来週の3月29日(金)が私の今年度の最後の投稿だということに今さら気づきました(笑)
どうぞ来週もあたたかい目でお読みになってください^^