見出し画像

【実家の空き家】リフォーム会社の言いなりになってはいけない

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
相続する羽目になった空き家の実家。その空き家を賃貸する、売却するためには、それなりの再生が必要です。
 
そこで出てくる問題が「リフォーム費用」をどれだけかけるべきか、というものです。
 
空き家・古家再生のスペシャリストである三木章裕さんは、新刊『実家の「空き家」超有効活用術』の中で、リフォーム費用をどれだけかけるべきか、具体的に語ってくれています。今回は、同書の中から該当箇所を一部編集して全文公開します。

リフォーム工事のコストを考える

 家賃が決まれば、今度は一番大切なリフォーム工事のコストを考えて、しっかり儲かる物件に仕上げる必要が出てきます。
 空き家を再生する一番の重要ポイントは、リフォーム工事です。
 そして、それを儲かるようにするには「工事代金(コスト)管理」が大切です。
 例えば、毎月の家賃が5万円と想定できる物件なら、リフォーム代を120万円かければ、2年で投資資金の回収、表面利回りは50%にもなります。
 もし銀行に120万円預けたとすると、都銀等の定期預金金利が0・0001%なので、1年間で利息は120円です。同じ120万円ですが、投資に回せば年60万円の家賃収入があります。なんと利息の5000倍です。
 賃貸経営が預金より5000倍以内のリスクだと考えるなら、リフォーム費用に投資したほうが有利でしょう。
 賃貸住宅転用の場合、家賃はほぼ決まってしまいますので、その家賃で十分収益が出る工事(コスト)管理が大切です。

「リフォーム費用」のかけすぎにご用心!

「こんなに儲かるんだったら」と、リフォーム費用をどんどん上げても、家賃は上がりません。単純に利回りがどんどん下がるだけです。このご時世、そうそう家賃を上げていくのは難しいものです。
 しかし、これで失敗している人が結構います。
 毎月のように来る相談に、
「先生の本を読ませてもらって、空き家再生不動産投資したのですが、全然儲からなくって……」
 といった苦情のような、悲鳴のような相談です。
「私の著書をちゃんと読んでいたら、こんな失敗しないのに……」と思いながら聞いていくと、その原因は明らかです。
「リフォーム費用のかけすぎ!」のひと言につきます。
 そして、それを引き起こす要因も明らかです。
 それは……、あなたの目線でリフォームをしてしまったからです。
 皆さんは、投資家であり、大家さん側です。そのため、求める質が高いのです。あなたの物件を探している人は、そこまでのクオリティを求めていません。
 例えば、あなたの目線は、家賃10万円の分譲貸しのマンションだとします。でも、あなたの物件を見に来る人は、家賃5万円で探している人です。
 求めている質にギャップがあるのです。
 家賃10万円の物件を作るのではなく、家賃5万円の物件の中で、あなたの物件の質が高ければいいのです。
 あなたは、「あれも、これも」と工事するよりは、「こんなリフォームでいいの⁉」と思えるくらいでちょうどいいわけです。

リフォーム会社の言いなりになってはいけない

 そこまで言っても、工事をしてしまうケースがあります。
それは、工事を頼んだ業者が、工事額を上げるためにどんどん提案して、工事額を増やしてしまうからです。
 かたや工事のプロだと思う相手から、まことしやかに提案されると、「プロの言っていることだから」と追加工事をしてしまうわけです。
 でも、彼らは工事のプロかもしれませんが、賃貸経営のプロではないので、あなたの採算や収益は考えていません。
 工事の歯止めをかけるのは、あなたしかいないのです。
 私が思う理想の工事屋さんは、家賃がわかっていて、どの程度までやれば、入居者が決まるかもわかっていて、家賃に見合う工事をしてくれる業者です。
 少なくとも工事前に、
「この物件賃貸に回したら、家賃いくらくらい取れるかな?」
 と尋ねてみるといいでしょう。
 曖昧な答えしか出ない工事業者は、あなたの採算度外視の工事を提案してくる可能性があります。
 ただ、ここで注意勧告です。
 このように話すと、業者に「安く、もっと安く」と値切りまくる人がいます。そんな工事の仕上がりを見ると。見に来た人に素通りされるような素っ気もない物件になっています。
 このような安い工事は、人件費か材料代をいじめているだけです。
 私が著書の中でよく紹介する古家再生専門のリフォーム会社の「カラーズバリュー」(https://colorsvalue.com)さんでは、土壁にも塗れる塗料を開発し、作業工程を見直して、職工数を減らしてもすばらしい仕上げができるようにリフォーム工事にイノベーションを起こしている会社なので安くできます。
 職人や材料の経費をただ減らしただけでは、ろくな仕上がりになりません。少なくとも、同じ家賃相場の物件の中では、質の高いリフォームでなければ、何にお金をかけているのかわかりません。
 くれぐれも「安物買いの銭失い」ならないようにしたいものです。
 また、空き家・古家のリフォームのコツは、「新築風にしない」「古さを活かして、クラッシック感やビンテージ感を出す」ことです。
「どんな入居者を入れるか」も想定して、その属性に合わせた内装にしましょう。これをマーケティング用語では「ペルソナ設定」といいます。
 まさに、リフォーム工事があなたの賃貸経営の生命線です。

【著者プロフィール】
三木章裕(みき・あきひろ)

収益不動産経営コンサルタント。一般社団法人日本不動産コーディネーター協会理事長。一般社団法人全国古家再生推進協議会顧問。指導先の資産形成額が300億円以上にのぼる、不動産による資産づくりの専門家。
バブル絶頂期には不動産仲介で、1人で1億円以上稼ぎ出し仕事や遊びを謳歌するも、バブル崩壊とともにほとんどの資産を失い10数億円の借金を背負う。しかし、代々大阪商人の家系に育ち、言い伝えられた商人道と蓄財術を活用して復活を図る。
「不動産投資は一部のお金持ちのものでない。すべての人が経済的自立をするために、もっと取り入れるべきだ」という理念のもと、一般のサラリーマンでも無理なくできる資産形成としての不動産投資のノウハウを伝授している。特に、現在は全国に1000万戸を超えるといわれる「空き家」を活かして手軽に収益化するノウハウを提供。「空き家」という社会問題の解決し、住まいを確保することが困難な人々と投資家をマッチングして、たくさんの人を豊かで幸せにすることをミッションに日々邁進している。大阪商人に口伝で伝わった「長者教」伝承者。喜ばれる大家の会事務局長。著書に『空き家を買って、不動産投資で儲ける!』『儲かる! 空き家・古家不動産投資入門』(以上、フォレスト出版)などがある。

いかがでしたか?
 
何もしなければ金食い虫となってしまう実家の「空き家」ですが、上手に活用すれば金食い虫どころか、所有者にお金が残る、資産として潤してくれる“富動産”に変わるお宝になります。
 
【売る】【使う】【住む】【貸す】――。
 
日本で随一の古家・空き家再生、利活用のスペシャリストが、「負動産」を「富動産」に変える4つの目的別対処法をわかりやすく解説した新刊『実家の「空き家」超有効活用術』は、全国書店、ネット書店で発売中です。興味のある方はチェックしてみてください。

書影をクリックすると、Amazonページに飛びます。


▼新刊『実家の「空き家」超有効活用術』の「はじめに」「目次」の全文が読めます。

▼関連記事もあります。

 
▼今回紹介した新刊『実家の「空き家」超有効活用術』について、著者の三木章裕さんとトークしたVoicy音声はこちらです

 
 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?