【フォレスト出版チャンネル#98】起業・副業|クラファン「資金調達」以外の7つのメリット
このnoteは2021年3月31日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
コロナ禍で一気に広まった「クラウドファンディング」
今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める今井佐和です。今日は「クラウドファンディングの資金調達以外の7つのメリット」というテーマで編集部の森上さんとお伝えしていきます。森上さん、どうぞよろしくお願いいたします。
森上:よろしくお願いします。
今井:クラウドファンディングって、コロナ以降、飲食店とか小売店などが多く参入して、友達のイベント業をやっている子がやっていたりなんかして、よく耳にするようになったなーって思うんですけれども、そもそもクラウドファンディングってどんなものなんですか?
森上:そうですね。最近よく聞くようになったなと思う方も結構いらっしゃると思うんですけど、銀行とか投資家からお金を集めるんじゃなくて、不特定多数の人からインターネットを通して、少額ずつお金を集める仕組み。それがクラウドファンディングっていうものなんですよね。クラウドっていうのは「群衆」っていう意味。
今井:群衆っていう意味なんですね?
森上:雲も「クラウド」って言うけど、群衆もクラウド、綴りがちょっと違うんですけど。あとファンディングが資金調達だから、「群衆から資金調達する」という意味で、名称がクラウドファンディングと言うらしいですね。
今井:なるほど。
森上:群衆から資金調達をするっていうことは、今までも結構あったんですけど、インターネットを仲介して不特定多数の方から集めるっていうのが今までのものと一番違う点らしいんですよね。
今井:ちなみにこのクラウドファンディングっていうのは、海外からスタートしたんですか?
森上:そうなんですよね。アメリカで言うと「Indiegogo(インディーゴーゴー)」っていうのが2008年に始まって、世界最大の「Kickstarter(キックスターター)」っていうのが2009年に立ち上がって、それでクラウドファンディングっていうのがスタートしたと言っても過言ではない。日本だと2011年に「READYFOR」「CAMPFIRE」といったところが立ち上がりました。名前だけは聞いたことあるような方はいらっしゃるかもしれないですけど。そのサービスが開始して、最近だとサイバーエージェントさんが立ち上げた、「Makuake」。日本でも有名で、今CMやっていたりとか、結構いろいろとやってますよね。
今井:はい。私もちょこちょこと利用しています。
森上:そうですか。どこのサイトですか?
今井:CAMPFIREとかMakuakeとかは。
森上:そうですか。何か買ったことあります?
今井:あります、あります。始めは友人がクラファンするからと言うので、会員登録して応援していたんですけど、一度登録すると、いっぱいダイレクトメールがきて、他にも「これいいな」とか「応援したいな」なんてものがあると、ちょこちょこ応援したり、買ったりみたいな感じ使ってますね。
森上:そうなんですね。結構ヘビーユーザーなんですね。
今井:まあまあヘビーユーザーですね。お世話になっています。
森上:さっき伝えしたとおり、2011年からREADYFORがあるので、もう2021年でちょうど10年、10年前からあったサービスではある。
今井:そんな前からあったんですね。
森上:そうなんです。だから、うちで『日本人のためのクラウドファンディング入門』という本を出したのが2015年なので、まだそのときは日本の中であまり浸透してなかった。「聞いたことある」っていうレベルで終わっていて、半分詐欺なんじゃないかみたいな、怪しいイメージがあって。でも、コロナ禍を機に一気に広がった。
今井:怪我の功名じゃないですけどね。
森上:そうですよね。そういう感じで始まったということで、今はもう当たり前になってますけどね。
今井:はい。今お話がありました『日本人のためのクラウドファンディング入門』という本の著者の板越ジョージさんは、どんな方なんですか?
森上:この方はニューヨーク在住で、日米のクラウドファンディングについて、現場に入って研究とかコンサルティングをしている、クラウドファンディング研究の第一人者でいらっしゃる方で。
今井:そうなんですか。
森上:そうなんですよ。それで本作りをしていた2014年、15年あたりなんですけど、そのときちょうど日本とニューヨークを行き来していて、結構日本にいらっしゃるタイミングが多くて、そこで一気に本をつくっちゃったという感じではあります。
資金調達以外の7つのメリットとは?
今井:そうだったんですね。板越さんの著書『日本人のためのクラウドファンディング入門』の中で、「クラウドファンディングの資金調達以外の7つのメリット」ついて書かれているんですよね。クラウドファンディングっていうと、お金集め、資金調達のイメージが強いので、それ以外の7つのメリットということで、すごく楽しみです。
森上:では、1つずつお伝えしていきましょう。
今井:はい、それでは「クラウドファンディングの資金調達以外の7つのメリット」。その1をお願いいたします。
森上:はい。「予約販売サイトとして利用できる」っていう方法があるんですね。売りたい商品とかサービスを、企画を立ち上げた時点で販売前に予約注文が取れるっていう。多分、佐和さんもお買い求めになられたのは、予約販売ですよね?
今井:はい。予約販売です。
森上:そうですよね。企画者の方は、オープン前に予約注文が取れるっていうことで、アメリカのほうはクラウドファンディングっていうと資金調達っていうよりも、むしろ予約販売サイトのことだろうみたいな、そっちのイメージが強いらしいんですよ。
今井:むしろそっちなんですね。
森上:そうなんですよ。アメリカと日本での認識っていうのが全然違っていたんだけど、この前、別件で板越さんとちょっとお話する機会があって、「日本でもようやくそういう部分、予約販売サイトっていうのが根付いてきた」と言っていました。クラウドファンディングの特徴の一つとしてね。そういう意味では、資金調達以外のメリットの一番目としてはまさに予約注文取れるというのが一つありますね。
今井:過剰な在庫を抱えなくて済みますからね。これは大事なポイントですね。
森上:そうですね。そういう意味でも必要な物だけをつくって出せますからね。
今井:では、続いてその2をお願いします。
森上:はい。「テストマーケティングが行なえる」です。自分のサービスとか、商品がどれだけの人に受け入れられるか、ある程度市場調査ができる場である、と。だから変な話、資金調達を達成できなくても、どういう方が興味を持ってくれているのか、そういったものも含めてテストマーケティングの視点でこれを活用するというのが1つあるみたいですよね。
今井:そうすると、大きく失敗することもなく、逆にこれは人気があるなと思ったら、大きく一歩出るみたいなことも戦略的に使えますね。
森上:そうですね。事前にマーケティングできるのは、すごくいい機会だと思うんですよね。そういうかたちで利用されている方もいらっしゃるみたいですね。
今井:なるほど。販売する前の段階で情報収集するっていうことですね。
森上:しかも、「顧客から直接情報が仕入れられる」って、やっぱり魅力的ですよね。
今井:たしかに、通信欄というか備考欄みたいなところで、「この時計のベルト黒じゃなくて赤がいいです」みたいな。
森上:そうそうそう。例えばね。そういった意見が入ってくるっていう。「こんな機能があったらいい」とかね。そういう情報とかがいろいろと事前に入ってくるので、商品開発する上でも参考になるかもしれないですね。
今井:すばらしい。なるほど。続いてその3をお願いします。
森上:はい。「販売ルートの開拓ができる」というメリットがあるんです。
今井:開拓ができちゃうんですか?
森上:そうなんですよ。これは、僕も話を聞いていてすごく驚いたんですけど、クラファンを立ち上げて話題になるじゃないですか。そしたら今度は、例えば伊勢丹さんとかドンキホーテさんとか、そういう小売り大手さんが、「うちで取り扱いさせてくれ」っていうお声がかかる場合があったりもするらしいんですよ。
今井:そうなんですか。
森上:そうそう。確かにそれって小売店側からしたらすごく魅力的ですよね、そういった話題の商品を販売できる。企画者側からすると、それこそ「販売ルートの開拓」が自然とできるわけで。いきなり「こんな商品を作ってます」って伊勢丹さんに直接プレゼンに行っても、なかなかうまくいかないけれども、クラファンでうまく話題を作れれば……。
今井:むしろ「来てください」とお願いされてしまう立場になれるということですね。
森上:そういうことですよね。
今井:続いてその4。
森上:はい。「応援者を集めることができる」。
今井:確かに。
森上:そうですよね。やっぱりコミュニティを持っている方は、達成する確率ってすごく高まると思うんですけど、未開拓の応援者にリーチできるのはまた一つありますよね。それこそ「本を作りたい」って言ったら、「カメラマンは僕がやります」とか、「販売のお手伝いしますよ」とか、「印刷所紹介しますよ」とか、そういう協力を得られたりとか。自分が持っていない人脈を応援者から募ることができるというか、人脈を広げるという意味でも使えるかもしれないですね。
今井:しかも、自分の思いに共感してくださった方だから、よりいい感じのチームができてきそうですよね。
森上:まさにそうですよね。そのチームで作れるわけですからね。だから、お金以外のところでも支援してくれる可能性を秘めていることが4つ目のメリットですよね。
今井:はい。そしてまだまだあります。5つ目。
森上:「将来の常客の確保とか、ファンの囲い込み」。これ、先ほどちょっと4番で言いかけちゃったことなんですけど、ファンを最初に囲い込んじゃうというのが一つの大きな魅力ですよね。クラウドファンディングで実際に「自分のプロジェクト立ち上げます」って言ったときに応援している人たちを集めて、実際にそれをリリースしたら、もうその人たちが応援してくれるわけですから、味方がいっぱいいますよね。これは1つ、大きなメリットですよね。
今井:はい。そして6番目。
森上:これ僕、本を作ってるときに意外だなと思ったんですが、「メディアの露出が増える」って言うのが6番目に上がってるんですよね。これもクラファンで行なっているプロジェクトだと、ある意味、公共性とか信用性とかっていうのが高まってくるので、メディアに掲載される可能性、まだ販売はしてないんだけど、「クラファンで今立ち上がっている、こんなすごい商品がリリースされるかもしれない」みたいな。そういう意味での宣伝みたいなメディア露出、広報的な活動としても使えるメリットですよね。
今井:うん。確かに。しかも結構クラウドファンディングする方たちってストーリーがきちんとあったりして、私が最近応援したのは茨城の養鶏所なんですけど、コロナ禍で全然立ち行かなくてオーナーさんが手放しちゃって、このままだと何千羽っていうニワトリさんを殺処分しないといけなくなってしまうと。しかも、そのニワトリさんは知的障害がある方がお世話をしているけれども、そういった方たちってすごく心が温かいから、ニワトリさんたちのお世話がすごく上手で、すごく美味しい卵を産める、と。ただ、今のままオーナーが手放しちゃうと、雇用の機会も失われてしまうし、まだまだたくさん卵を産めるニワトリさんたちを殺さないといけないしっていうので、代わりに僕が受け継ぎたいので皆さん応援お願いしますって。代わりに卵をプレゼントしますみたいな。そういうクラファンだったんですけど、それは応援しなきゃみたいな。
森上:なりますね。そのストーリーはすばらしい。
今井:でも、これは直接の私の知り合いじゃなくて、知り合いの知り合いぐらいなんですよね。だからやっぱりストーリーの持つ力みたいなのはすごいなと言うのと、やっぱそういうストーリーがあると、結構メディアにも取り上げられたりとかもするみたいで。
森上:そうすると、また応援者がグッと集まってくる可能性がね。
今井:そうなんです。
森上:その人がクラファンを立ち上げたことに端を発して、そういった取り組みができるっていうのはすばらしいことですよね。
今井:はい。そして、ラスト7番目です。
森上:これも先ほどの公共性とかとちょっと近いんですけれども、無名な方、まだ光が当たってないものでも、「社会的な信用や、ブランド構築とかにつながる」という意味では立ち上げるだけのメリットはあるかもしれないですね。クラファンに企画を立ち上げるのは基本、無料でできますからね。
今井:無料で立ち上げられるんですか?
森上:基本的にはそうなんですよ。達成しないと、結局おジャンになってしまうのですが、それが1つの大きなメリットですよね。
今井:資金調達以外にも、本当にいっぱいメリットがあるんですね。ここまで、
1「予約販売サイトとして利用できる」
2「テストマーケティングが行なえる」
3「販売ルートの開拓ができる」、
4「応援者を集めることができる」
5「将来の常客の確保やファンの囲い込み」
6「メディアの露出が増える」
7「社会的信用やブランド構築に役立つ」
と、メリット盛りだくさんのクラファンなんですけど、本当にクラウドファンディングって資金調達、お金を集める以外にいろいろな大きなメリットがあるんですね。隠れた才能とか、アイデアに光が当たって社会に大きな貢献をしてくれる可能性を秘めていると思うと、すごくワクワクしてきます。
森上:そうですよね。いわゆる社会貢献という意味でも、本当にいい仕組みだなと思いますね。今回ご紹介した『日本人のためのクラウドファンディング入門』なんですけども、これは先ほどお伝えしたクラウドファンディング研究の第一人者の板越さんが、クラウドファンディングを全く知らないとか、知っているけどやったことないとか、そういった本当の初心者に向けて、クラウドファンディングの流れとか、超基礎知識とか、活用法とか、それこそ企画書の作り方とか、そういったところまで網羅している本なので、もし興味があったら、ぜひチェックしてみていただけたらうれしいです。
今井:ありがとうございます。今、CAMPFIREも上場する手続きをしているなんてニュースになっていましたけれども、これからよりクラウドファンディングが身近になってくるかと思いますので、ぜひ皆さん、クラウドファンディングする前には、この『日本人のためのクラウドファンディング入門』を読んでから臨んでみるとすごくおもしろい未来が待っているかなと思います。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)