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#436【ゲスト/産業カウンセラー】人間関係を左右する「嫉妬心」の正体

このnoteは2022年7月12日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

気鋭の産業カウンセラー・川村佳子さんがゲスト

今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める、今井佐和です。編集部の森上さんと共にお伝えしていきます。森上さん、どうぞよろしくお願いいたします。
 
森上:よろしくお願いします。
 
今井:今日も素敵なスペシャルゲストをお招きしているということなんですけれども、今日は女性の人間関係について詳しい方がゲストに来てくださっているんですよね?
 
森上:そうなんですよね。弊社では2014年に『嫉妬のお作法』という御本を出していただいて、今度の7月に『「女子ボス」のトリセツ』という御本をご執筆いただいた著者さんがゲストでいらっしゃっています。大変お忙しい中、ゲストにお越しいただきました。
 
今井:ありがとうございます。ということで、本日は『「女子ボス」のトリセツ』の著者で、産業カウンセラーの川村佳子さんにお越しいただきました。川村さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

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川村:よろしくお願いいたします。
 
今井:では、私から簡単に川村さんのプロフィールをご紹介させていただきます。川村佳子(かわむら・けいこ)さん。北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」です。日本人間性心理学会所属。上智大学グリーフケア研究所所属。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在は航空自衛隊外部カウンセラーとしてご活躍されていらっしゃいます。幼少期にお母様が他界されました。亡きお母様が闘病中に書き記していた日記を見つけ、職場での人間関係の悩みやストレスを驚くほど抱えていたことを知ります。さらに、日本で初めてカウンセラー制度を導入した機関にお母様が勤めていたことをきっかけに、職場のストレスや人間関係の悩みを抱えている方たちの力になりたいと強く想い、産業カウンセラーを志しました。また、死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及・啓発にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』(フォレスト出版)、そして7月に『「女子ボス」のトリセツ』を上梓されました。
さて、そんな川村さんにさっそく教えていただきたいんですが、産業カウンセラーとは具体的にどのようなことをされていらっしゃるのでしょうか?
 
川村:はい。産業という文字が入っているだけありまして、職場で心理カウンセリングを行うカウンセラーのことを産業カウンセラーというふうに言います。主たる業務なんですけれども、心理学的な手法を用いて働く人たちが抱える問題を自分の力で解決できるように援助していくということが業務になっています。働く人たちはいろいろな悩みがあるかなと思うんですけれども、私たちは3つの対策を非常に大事にしております。まずはメンタルヘルス対策、そしてキャリア開発への援助。で、最後に職場における人間関係の開発への援助を大切にしながら職場でのカウンセリングを行なっています。
 
森上:なるほどね。今は、産業カウンセラーで、航空自衛隊のお話が出ていましたけれども、これとはまた別で個人向けに東京と函館でカウンセリングオフィスを開かれているということなんですけども、どんな悩みとか相談が多いんですか?
 
川村:そうですね。私が私設のカウンセリングオフィスを開設して11年になるんですけれども、男性ももちろんいらっしゃるんですけれども、女性が圧倒的に多くて、特に人間関係の問題ですかね。職場、あとは友人同士、または家族、他の人間関係の問題を抱えて相談にいらっしゃる方が多いですね。
 
森上:なるほど。やっぱり人間関係で悩む方って多いんですね。
 
川村:そうですね。ほぼ8割は人間関係の問題かなと感じています。
 
今井:ちなみに女性が圧倒的に多いということだったんですけど、何割ぐらいが女性の方なんですかね?
 
川村:そうですね。7割は女性かなと思います。

「嫉妬」を生み出すメカニズム

今井:なるほど。確かに男性は仕事を頑張れば、人間関係よりもそこでなんとか心が保てたりしますけど、女性はどちらかというと、関係性で仕事をしていく職種の方が比較的多いかなっていう気がしたので「なるほど」と、今お話を聞いていて思いました。こんな川村さんのご著書に、『嫉妬のお作法』という作品がございます。以前に森上さんとこのVoicyでもお伝えしたことがあるんですけれども、こちらまだ聞いてない方もいらっしゃるかと思いますので、どのような本なのか、リスナーの皆さんに簡単にご紹介いただいてもよろしいでしょうか?

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川村:はい。タイトル通りで、「嫉妬心」について書いた本です。嫉妬心のメカニズムであったり、嫉妬心との付き合い方を理解して、そして少しでも生きやすいようにサポートできたらなという思いで、こちらの本は書かせていただきました。嫉妬心と聞くと、どちらかというとネガティブな印象があるんじゃないかなと思うんですよね。私はネガティブな感情ほどよく味わって、どう付き合っていくかをしっかり理解していくことが大切なんじゃないかなと思っていまして。生きていると嫉妬して苦しいということもあるんだけれども、逆に嫉妬されて苦しい、そういった場合もあるんじゃないかなと思いまして、そんな嫉妬心との付き合い方、どんなふうに上手に付き合っていけばいいのかなっていうことを、まとめて書いた1冊になります。
 
森上:この本の中で僕が衝撃だったのは、嫉妬って別に特別な感情じゃなくて、人間だったら誰でも、若い子からお年寄りまでみんな持っている当たり前の感情、喜怒哀楽に続く、第5の感情だと言われているというところなんですけど、嫉妬心が生まれることって当たり前のことだっていうことですよね?
 
川村:そうですね。皆さん、嫉妬の話になると嫉妬するとか、しないとかってすごく反応なさるんですけど、嫉妬心は感情の1つなんですよね。なので、人間は皆、嫉妬心を抱く。自然なことであると考えていただけたらなと思います。
 
森上:なるほどね。川村さんと一緒にご本を作らせていただいて、わかりやすいなと思ったんですけど、ジョニー・デップの彼女の話を例にちょっと嫉妬心を解説してもらっていいですか?
 
川村:おそらく「距離感」について書いたところですよね。
 
森上:そうです、そうです。
 
川村:あまりにも遠すぎる存在には嫉妬しないけれども、ちょっと手を伸ばしたら届く存在にすごく嫉妬するっていう。
 
森上:そうですよね。僕が本の中で覚えているのが、例えばスーパーモデルがジョニー・デップの彼女になっても別に嫉妬しないんだけども、自分と距離が近いお友達がジョニー・デップと付き合い始めたっていったら、嫉妬心が生まれるみたいな。そういうことですよね?
 
川村:そうですね。
 
森上:だから、同じ事実でも距離感によって、嫉妬心が生まれたり、生まれなかったりするっていう、めちゃめちゃわかりやすくておもしろい話だなと。だから、どこかで自分もいけるって思っているからこそ嫉妬心が生まれる、その反動とか裏返しというか。
 
川村:そうですね。遠い存在だと、手を伸ばしてもどうにもならないと言いますか。例えば、ハリウッドの世界とかにいるわけですよね。なので、頑張ったとしても出会う可能性自体も低いですし……、すみません。ちょっと今、言おうと思っていたことが飛んじゃったんですけど……(笑)。
 
森上:全然大丈夫! 大丈夫(笑)!
 
川村:要するに何を言いたいかというと、「存在を脅かされるかどうか」っていうことなんですよね。
 
森上:存在を脅かされる? それは嫉妬する側が?
 
川村:そうですね。要するにハリウッドの世界で生きている人たちに、自分の私生活とか、職場での人間関係とかが脅かされるってことはないですよね。
 
森上:はいはい。
 
川村:けれども、身近にいる友人だったりに……。あと、ちょっと手を伸ばせば、なんとか頑張ったら昇進できるんじゃないかとか。あとちょっと頑張ったらこの男性・女性と付き合えるんじゃないかみたいなところだと、すごく自分の不安とか自分の安全とか、そういうところを脅かすぐらいの距離ですよね。
 
森上:確かに、確かに。
 
川村:なので、そういった自分の安全とか安心を脅かす範囲で何か起きると、やっぱり私たちはすごく嫉妬しやすい。
 
森上:なるほど。ざわざわしちゃうんだね。
 
川村:そういうことですね。

男の嫉妬、女の嫉妬の違い

森上:あと、これは佐和ちゃんともトークしたから、佐和ちゃんも覚えていると思うんですけど、男の嫉妬と女の嫉妬って、ちょっと違うぞっていう話があったのって、なんとなく覚えています?
 
今井:覚えています、覚えています!
 
森上:全然違うんだよね。川村さん、ちょっとこれも解説してもらってもいいですかね? 男の社会と女の社会がすごく関係しているんですよね?
 
川村:そうですね。本でも書かせていただいたんですけれども、男性は「縦の社会」に生きていると。
 
森上:縦というのは?
 
川村:上下ですね。上下の縦の世界で生きていて、女性は横の世界。人とのつながりとか、人との関係性とか、そういったところの横の社会で生きているということを書かせてもらったんですけれども。例えば男性であれば、縦の社会の中で生きていると、同期と出世争いをしたりだとか、同級生と自分はどっちが先に出世するかとか、結婚するかとか。
 
森上:年収が高いかとか。
 
川村:年収が高いかとか。何かしらのちょっとした競争心みたいなのってありますよね。そんな競争心とかがあって、嫉妬心が芽生えたときにどうするかというと、男性は縦社会なので踏み台にして、のし上がると。
 
今井:(笑)。
 
川村:そういう構図が……。
 
森上:男性の嫉妬の構図。
 
今井:武士っぽいですね。下剋上みたいな(笑)。
 
川村・森上:(笑)。
 
川村:そうですね。踏み台にしてのし上がっていくという構図が生まれやすい。
 
森上:今のお話を聞いていると、社会的な評価をやたら気にするっていう感じなのかな?
 
川村:そうだと思いますね。男性にとって、一番大事なのは評価というところなんじゃないかなと私は思っています。
 
森上:よく男性はプライドの生き物って言いますけど、それってまんざら嘘じゃないってことですよね? 社会からの見られ方とか、プライドとか、年収とか、出世とか、社会的評価……。
 
川村:そうですね。どちらかというと、女性より男性のほうが、自分が社会の中でどういった評価を下されているのかってことを一番気にしている。
 
森上:なるほど。
 
今井:本の中で「半沢直樹の“倍返し”っていう言葉は男性の嫉妬心、心の根底に眠る声そのもの」っていうワードがあって、「なるほど!」って思った記憶があります。
 
森上:あった、あった! 一方、女性は?
 
川村:女性は横社会なので、横並び。みんな一緒っていう精神。全員が全員そうじゃないと思いますけども。割と全員横並びで、みんな一緒っていうところがあります。
 
森上:目立っちゃダメ?
 
川村:そうですね。目立つと抜け駆けっていう……、すごく強い言葉なんですけれども。みんな一緒、同列っていう精神なので、ここで例えば誰かが一人抜きん出たりすると、男性は踏み台にしてのし上がるってさっきお伝えしたんですけども、女子の世界の場合は引きずり下ろして、同列にすると。
 
森上:なるほど。これはやっぱり生物学的なところもあるんですかね? 狩猟時代の話もチラッと本で出ていた気がするんですけども。狩猟時代に男性に選ばれる女性の中で、抜きん出ちゃダメみたいな。目立っちゃダメみたいな。待っていなきゃいけないみたいな、そんなような話って本の中にありませんでしたっけ?
 
川村:すみません……。ちょっと本では書いてないかなと思うんですけども。
 
森上:書いてなかったか(笑)。
 
川村:そうですね。書いてないかなと思うんですけど、ただ次の新刊にもちょっと書かせてもらったんですけれども。
 
森上:『「女子ボス」のトリセツ』のほうで。
 
川村:はい。そちらでちょっと触れたんですけれども、男性の場合は割と与えられた課題を達成することによって幸福感を得るというところで。要するに、課題に対してそれを行なって評価を得るっていうところで縦社会が成り立っているのかなと思うんですけども。女性の横社会っていうところでいうと、課題を達成して、それを評価されても幸せを感じにくくて、存在ものを認めてもらうということで幸福感を実感するっていうところなので……、狩猟時代の話と外れるかもしれないんですけど。
 
森上:ごめんなさい! 僕の話は無視してください(笑)! そういうことなんですね。横並びっていうのが一番平和の社会と女性は捉えているという感じなんですね?
 
川村:そうですね。
 
森上:なるほど。そこをちょっと抜きん出ちゃったりとかすると、引きずり下ろすとか、嫉妬の対象になっちゃうと。
 
川村:そうですね。
 
今井:確かに、よく陰口とかで「あの人がこんなことを言っていたわ」とか、引きずり下ろすような陰口を広めて、のけ者にするみたいなシーンを時々見かけます(笑)。
 
森上:時々見かけるんだ(笑)。
 
今井:怖いって思ったりして(笑)。
 
森上:なるほど。『嫉妬のお作法』については、男性と女性の違いだったりとか、男女の間、いわゆるカップルの嫉妬の違いだったりとか、結構いろいろとまとめてくださって、「嫉妬の本といったらもうこの御本!」という感じの、わかりやすい御本になっているかなと思っています。
 
今井:ありがとうございます。ちなみに今回お話しいただいたこの『嫉妬のお作法』のアマゾンリンクをこちらのチャプターに貼っておきますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。そして、川村さんが7月13日に最新刊『「女子ボス」のトリセツ』を弊社から出されたということで、ぜひいろいろとお伺いしたいのですが、お時間が来てしまいました。明日も川村さんにはゲストにお越しいただけるということで、明日はこちらの最新刊『「女子ボス」のトリセツ』について、詳しくお話を聞いていきたいと思います。川村さん、森上さん、本日はありがとうございました。

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川村・森上:ありがとうございました。
 
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
 

 

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