【連載】#5 “伝説の2”の目覚め|科学戦士「ミギネジ」の悪キャラの倒し方―Season2
本連載は、「科学のお姉さん」として活躍中の五十嵐美樹さんによる、主人公・ミギネジが、科学戦士として科学の原理を使って悪キャラを撃退していく、科学系エンタメストーリー作品です。Season1(全14話)は、科学と女性をつなぐ情報提供サイト「Rikejo」でお読みいただけます。
▼「科学戦士「ミギネジ」の悪キャラの倒し方【Season1】」(全14話)はこちら。
https://www.rikejo.jp/category/%E4%BA%94%E5%8D%81%E5%B5%90%E7%BE%8E%E6%A8%B9?page=2
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※本連載は、毎週日曜日更新となります。
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疑惑が晴れない中でのお見舞い
私は、ミギネジ。
誰に言われるでもなく科学戦士をやっている。
ピカピカ星人をボールから繰り出したことが戦士★エージェントにバレて、ピカピカ星人を倒したことが自作自演だと疑われている(詳しくは前回参照)。
「たしかにボールを投げたのは私ですが、私は地球を侵略しようとはしていません!」
「そう言われてもなあ……。ボールを投げたことに間違いはないから、とりあえず1週間はじっとしていなさい」
事実上の謹慎だ。ただ、そう言われてもやることがないミギネジは、前回の戦いで負傷した先輩たちのお見舞いに行くことにした。病院では、ギガバイト先輩、スパム先輩、コンピューターウイルス先輩が、ベッドで横たわりながらテレビを観ていた。
「戦士★エージェントの戦士が次々とあっけなく敗北。最後のミギネジ戦士がいなければ解散の危機でした」
テレビから大きな音でニュースが聞こえてくる。
「き……、気まずい!」
結果的に、先輩たちを差し置いて手柄を取った形になったミギネジは、戦いで負傷した先輩たちと一緒にいるのが気まずくなった。
しかし、ここでギガバイト先輩が重い口を開く。
「僕はストレージ容量も心も大きいから、気にしなくて平気さ~♪ な~んちゃって! はっはっは~!」
気遣いを交えた、細かすぎて伝わらないギガバイトギャグにより、病室はさらに静まり返った。
ギガバイト先輩への想い
この状況に耐えられなくなったミギネジが部屋を出ようとしたとき、緊急の連絡が入った。負傷中の3人の先輩たちに戦士★エージェントから出動要請が出たのだ。
「あの伝説の妖怪がついに…ついに……、目覚めてしまった! 今すぐに戦士歴の長い君たちの力が必要なんだ!」
「ミギネジも一緒に行くか?」
ギガバイト先輩がミギネジに声をかけた。
「ぜひ行きたいんですが、私この1週間はじっとしていないといけないので……」
「そうか! ケガのないようにね! ストレージ容量も心も大きくね♪」
この瞬間、ミギネジにはギガバイト先輩にそよ風が吹いているように見えた。
「この気持ちは、何なんだろう……」
ミギネジは、ギガバイト先輩への気持ちが高まっていた。何かあったときのために(いや、本当は暇でやることもなく、ギガバイト先輩への気持ちが高まっているため)、戦士★エージェントにも先輩にもバレないように、こっそりついて行ってみることにした。
伝説の妖怪「伝説2」、大暴れ!
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