「手書きのメモ」の本質的価値
フォレスト出版編集部の寺崎です。
今日も「3色ボールペン」をテーマにつづりたいと思います。
みなさん、ふだん「メモ」はしていますでしょうか?
最近ではノートPCでメモする人が増えましたが、私はいまだに「紙にメモ派」です。理由としてはキーボードは打ち間違いが多く、手書きでメモったほうがよっぽど早いからです。
パソコンのファイルの場合、うっかりローカルに保存した場合、パソコンが故障したときに読めないという致命的な課題もあります。いままさに、私の社用PCのマザーボードがぶっ壊れて、クラウドのファイルにはアクセスできるものの、ローカルに保存したファイルにアクセスできない状況です。
加えて、この「手書き」に3色ボールペンを駆使した場合、また新たなメリットが見いだせるようです。
そのあたりを詳しく『情報活用のうまい人がやっている3色ボールペンの使い方』(齋藤孝・著)から見ていきましょう。
メモから生まれるアイディア
3色でメモすることには、もうひとつメリットがある。自分自身がその瞬間に何を考えたのかが言語化されやすくなるということだ。
メモというのは、聞いた話を書き取る以上に、その言葉を聞いて自分の中で生まれた言葉を書いていくようにしたほうが役に立つ。
緑で何を書いていくか、それは〝自分が触発されたこと〞だ。その話に触発されて生まれてきたものを、忘れないようにメモする。そもそもメモとは、備忘録のことだ。
私は、メモを取るという習慣がついているかどうかでその人の仕事に取り組む姿勢がわかると考えている。
アイディア豊富な人、クリエイティブな仕事をする人というのは、相手の言ったことではなくて、そこからインスパイアされた自分の考え、思いつきなどをメモしているケースが多い。
もちろん相手の喋った内容の赤・青部分をメモすることを否定しているわけではない。それと同時に、それを聞いて自分が考えたこと、その時点で自分の頭の中に浮かんだことを書いておく。質問、疑問、矛盾、あるいは同調したということでもいい。
例えば、赤で要点を記した脇に、「なぜそうなるのか?」「こういうケースにはどう対応するのか?」「コスト高では?」などと緑で残しておく。これは、本当に相手に質問をするためのものではない。相手に答えを求めるのが目的の問いではなく、自分が何に引っかかったかということを残しておくためのものだ。
これが、あとからびっくりするほど意味を持ってくる。話の要点をメモしてあるだけのときよりも、はるかに詳しく、そのときの話のディテールが思い出せる。しっかりと自分をくぐらせていることになっているのだと思う。
私は、メモとはそういうものであるべきだと考えている。相手が刺激剤となって、自分の中の何かを揺り動かしたもの、それを言葉にしていく。そして書き終わったときには整理が終わっていて、即、活用に結びつく。実際に、こういうところから仕事に繋がっていくことがじつに多い。
メモを取らない人というのは、話の要点も、自分の中に生まれた考えも、ただ流してしまっている。その瞬間には、脳裏に何かよぎるものはあるだろう。どんな人でも、聞いた瞬間には、何かをフッと思う。しかし、それはまた消えていくのも速い。獲物が姿を現したかと思うと、それはほんの一瞬で、また森の中に走り去ってしまうように、サッと消えてしまう。それを逃さずにつかまえるには、ペンという道具を持って、臨戦態勢を整えておかなくてはならない。
私が、この情報術の中にメモする力ということを入れておきたかったのは、こういうメモがアイディアや企画を生むということをわかってほしいからだ。
私は、打ち合わせと称して、ダラダラ話すというのが嫌いだ。
ただ進行や手順を相談するだけなら、ペーパーにまとめたものを関係者に回覧すれば済む。何もみんなで同じ時間に顔を突き合わせて、同じ書類を眺める必要はない。
だが、そのときに互いに意見を出し合い、フッと湧いてくるものを大事にするのが目的であるならば、部屋にホワイトボードを用意するか、みんなでどんどん書き込んでいけるような紙を用意して、ガンガン話し合いをすべきだと思う。
そして、それは打ち合わせというより、すでに仕事の本質に入っている。
ペンを持たずに会議に集まる人、ホワイトボードのない会議室、そして、そういう状況を変えていこうとしない会社というのは、本当に大丈夫だろうか、と疑問を抱かざるを得ない。その企業全体で、いったいどれだけのチャンスやアイディアをみすみす逃しているかと考えると、じつにもったいないなあ、と思う。
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「3色ボールペン活用術」のおさらいとなりますが・・・
超重要なこと=赤
まあまあ重要なこと=青
個人的に重要なこと=緑
・・・のルールでメモをします。
ちなみに個人的には
「私は、打ち合わせと称して、ダラダラ話すというのが嫌いだ」
というくだりに激しく同意しました。笑
単なるメモではなく、アイデアが湧き出すメモ。
これを目指していきたいし、これに活用できるのが「3色ボールペン」というわけです。
詳しくは本書『情報活用のうまい人がやっている3色ボールペンの使い方』をご参考ください。