#338【ゲスト/問題解決】世界一シンプルな問題解決法とは?
このnoteは2022年2月25日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
土屋:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める土屋芳輝です。本日も、昨日に引き続きと元リクルート、現在は株式会社中尾マネジメント研究所、代表の中尾隆一郎さんがゲストに来てくださっております。本日も編集部の寺崎さんとともにお伝えしていきます。中尾さん、寺崎さん、今日もよろしくお願いします。
中尾・寺崎:よろしくお願いします。
土屋:昨日は中尾さんのご経歴と現在のご活躍ぶり、さらに新刊『世界一シンプルな問題解決』の内容の導入部分についてお聞きしました。まだお聞きになられていない方はぜひ昨日の放送もチェックしてみてください。
土屋:本日はフォレスト出版から今月発売の最新刊『世界一シンプルな問題解決』の内容について詳しくお聞きしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。昨日は、問題解決には現状把握、解釈、介入プラス感情の保留という基本ステップがあるというお話を伺いましたが、今日はそのあたりからさらに詳しくお聞きしたいと思います。まずはおさらいとして、4ステップの解説をお願いできますでしょうか?
問題解決のためのステップを分解する
中尾:了解しました。ステップが3つプラス1つという形になっているのですが、一番最初は「現状把握をしましょう」ということですね。そもそも何が起きているのかを把握しましょう。現状を把握しているつもりが、ついつい事実とか想像、類推が混じっているわけですね。類推などを弾いて、事実だけを把握しましょうというのが、1個目のところです。ここが間違ってしまうと、後工程が全部間違うような形になるので、すごく大事なステップになります。
2つ目は、その事実を持って何が起きているのか、「解釈をする」ということです。何が起きていて、そもそも我々が解決しないといけないものは何なのか特定して、解決策を考えましょうという話です。この「解決しないといけないもの」というのがすごく大事で、日々もやもやしていたり、変だなとか、できないなっていうことがたくさんありますよね。
で、僕は「問題」という言葉と「課題」という言葉を使い分けていたりするんです。どういうことかというと、「問題」というのは先程ふれた、もやもやしていることなどでして、嫌なにおいがするなってことなんですね。それは必ずしも解決しなくてもいいよって話なんですね。解決すべきは「課題」と言っているのですが、この「課題」とは我々が目指しているゴールがあると思うんですが、このまま放置しているとまずいのが「課題」だと、分けているんですね。
だから、もしも目の前に10個、あるいは100個もやもやしていることがあったとしても、その中で解決しないといけない「課題」というのは限られているという話なんです。だから、現状把握をした中で、「問題」を除けて「課題」を見つけて、その「課題」をちゃんと解決しましょうというのが、この2つ目のステップの「解釈」なんです。
解決策ができたたら、現場にやってもらわないといけないのですが、現場にやってもらうステップを「介入」という言葉にしています。現場は日々業務をやっているわけですね。そこに明るく「こんないい方法ができたからやってよ」って言っても、今までやっていることを変えないといけないので、面倒くさいわけですね。介入というのは、おせっかいとか、めんどくさいっていう意味なんですけれども、現場から考えると、こういうのは面倒くさいことなんだと思いながら、コミュニケーションをしたらいいよ、戒めた方がいいよというので、このステップを「介入」という言葉にしています。
この1、2、3を通して、感情を保留しないといけないと言っています。感情の保留というのは「この人好きだ」とか、「この人嫌いだ」とか、「今、気分が悪い」とか、「気分がいい」とか、そういう感情で僕たちは色んなことを判断するんですね。その判断するのを置いておきましょう、保留しておきましょうっていう話ですね。このステップを覚えると、課題解決がすごくスムーズにいくよという、そんなお話でございます。以上です。
現状把握するときに必要な「分解」
土屋:ありがとうございます。今のお話を聞いて、最初の現状把握の部分が重要ということなんですけれども、現状把握するところで何か注意すべきポイントなどはあったりするんでしょうか?
中尾:現状把握というのは、まず事実を集めなきゃいけないんですけれども、集めると、何が起きているのかよくわからないですよね。何が起きているのかよくわからないから、そもそもどのあたりをちゃんと詳しく考えないといけないかということで、「分解をする」という話なんですね。
この手の話をすると、企画を出した時に編集の寺崎さんにも、「問題を分解すると言っても、みんなやっていますけど」って言われたんですけど、そうなんですよ。この「分解する」というのは誰でもやっているんだけれども、そのレベルに雲泥の差があるんですね。この問題解決だと、そこが一番のポイントだと思います。
具体的に言うと、例えば、営業成績を上げたいといった時に、営業部長さんが「解決すべきは、売上を上げることだ」と言いました、と。これは何も分解していないですよね。例えば、売り上げを上げるって言った場合、売り上げは顧客数×顧客当たり単価で、顧客数を増やして売上を上げるのか、顧客当たり単価を上げて売上を上げるのかで全然違いますよね。それを勝手にやっていいということはないですし、顧客数を増やすとしても、小規模顧客を増やすのか、大規模顧客を増やすのか、それもやり方が違いますよね。単価を上げるにしても、商品をクロスセルして上げるのか、アップセルして売り上げを上げるのかで、全然違いますよね。要は相手が理解できるレベルまで分解するということが、ここで言う「分解」なんですね。分解せずに「売上を上げろ」なんて言うのは、何も分解してないっていう話なんですね。
寺崎:企画会議でも問題を切り分ける、問題を分解するというテーマだという話をしたら、「そんなことは皆やってるよね」みたいな話になって、これって我々の仕事でもあるじゃないですか、売上を上げるっていうのは日々命題としてあるんですけども、どうやって上げるのかって、我々も問題の切り分けが出来ていないなって、この本読んで痛感しました。
土屋:じゃあ、例えば「売上を上げろ」と社長に言われました。それを分解するというのは、当事者である自分たち、一人一人が分解するというイメージなんですか?それとも、チーム内で分解して、進めていくイメージなんですか?
中尾:これはもちろん、色んなやり方があるんですね。バラバラでやってもいいですし、統一してもいいんですけれども、僕はどちらかというと統一することをお勧めしています。なぜかと言うと、例えば顧客数を増やそうという話になった時に、顧客数を増やすためにお客様に説明するようなツールも作るだろうし、トークも考えるだろうし、場合によってはそのための製品を作ると思うんですね。で、お客様とやり取りをしたら、当然フィードバックがあるわけですから、そこで磨かれていくわけじゃないですか。それを個人個人で別々のことで磨いていくよりも、チームで考えて磨いていく方が成功確率が高まると思うんですね。それでこそチームで仕事をする意味があると思うんですね。だから、バラバラに考えてもいいんだけれども、バラバラで考えたやつの中で一番いいのはこれなので、このタイミングはみんなでこれをやってみようよって決められるのがお勧めはお勧めですね。
土屋:なるほど。
問題を解決することで起こる新たな問題
中尾:先ほど、100個ぐらい問題がある場合でも、解決しなくてもいいよみたいな話をしたんですけども、それも、例えば問題が小さいから解決するとか、問題が大きいから解決しないとか、そういう話じゃなくて、実は解決すると新たな問題が発生することがいっぱいあるわけですね。なんとなく解決すると、それで全部なくなると思うんですけれども、新たな問題が発生するわけなので、そこまで考えないといけないんですよね。
例えば、先ほどの話なんかで言うと、顧客層を増やそうぜって話をしたじゃないですか。顧客層を増やしていい感じに売り上げが上がったんですけれども、そうすると次はその顧客数に対してカスタマーサービスのための人員、もしくは仕組みが必要になるんですね。そうしないと顧客数だけ増やしたんだけれども、その後工程がちゃんと対応してくれないので、お客様から不満が出て、営業の人たちはそのトラブル対応、クレーム対応をしなくちゃいけなくなるっていうことが起こるわけですね。それは当然、顧客数を増やさなくていいのかって話で言うと、顧客単価を上げると、それに対して問い合わせが増えてくるでしょうから、そこに対してのQ&Aだとかを作っておかないと同じような問題が発生して、次々に問題って起こるんですよね。
寺崎:なので、問題は問題のまま放置していいということが往々にしてあるわけですよね。
中尾:放置してもいいことがあるということですね。だから、これからこういうことが起こるかもしれないと分かった上で、放置しておく。トータルで言うと、それはメリットがない。つまり、顧客数を増やして売上げを上げたいんだけれども、結果、カスタマーサービスの人員をたくさん増やさないと、それが対応できないとするならば、実は利益的にはマイナスになるということなら、やらないという判断もあるってことですね。
土屋:なるほど。先までを色々と考えて問題の問題が出てくることも想定しながら考えていく必要があるんですね。
中尾:こういうこと言うと、未来は予想できないみたいな話をする方がいるんだけども、起こったことの8割ぐらいは後から考えたら想像できたことなんですよね。いわゆるタレブさんが言ったブラック・スワンみたいな、もう何十年に1回とかいうものは想像できないと思うんですけども、さっきの顧客数を増やしたら、カスタマーサービスの人がいるなんていう話はめちゃめちゃシンプルな話じゃないですか。1人当たりのカスタマーサービスの対応顧客数がわかっていたら、100人、お客が増えたら、何人、そこの人が足りなくなるなんて話は想像できますよね。人員を増やさないために仕組みで対応してもいいんですけれども、起こる前から想像できることっていっぱいあると思うんですね。そこまで考えておいた方がいいよって話ですね。だからそういう意味で言うと、一番最初の現状把握が一番大事で、その事実がないとダメで、要は前工程で失敗すると、後工程ってどんなにいいことを考えてもだめだっていう話ですね。
課題を「見える化」するための2つの方法
寺崎:最初の一番重要な問題の中のどこが課題かっていうのを見える化するための問題の分解方法というのは、この本ではたった2つしかないって言いきっているんですよね。
中尾:そうなんですね。昨日、お話ししましたけれども、僕は2万5千ぐらいの困っていることに対応していたわけなんですけれども、それでほとんど解決できるんですよね。僕も意識していなかったんですけれど、自分が書いたメモだとか、ノートだとかを全部振り返ったり、みんなにアドバイスしたことって僕はテキストに残しているんですね。それを全部調べたんだけれども、ほとんどこれで対応できるなって話ですね。そういう意味で言うと、このマトリックスの分け方とプロセスの分け方を学ぶと、大概の問題解決、課題解決ができるんじゃないかなって話ですね。
寺崎:この2つっていうのがつまり、マトリックスで分ける方法と、プロセスで分ける方法ですよね。
中尾:そうです、そうです。プロセスっていうのは時間軸で分けましょうって話ですね。時間というものを一軸でわけようって話です。軸を一つで分けましょうって話です。対象の業務であるとか、ビジネスプロセスを時間軸で分けていって、その中で大事なことを特定して、そこをどんどん深掘りしていこうという話です。
マトリックスって何ですかって言うと、二軸で分けようって話ですね。二つの軸で分けようってことです。つまり、一軸で分けるか、二軸で分けるかっていう話です。で、だいたい大きな課題を特定するのはマトリックスを使って、二軸の中でこの辺りをちゃんと掘らないといけないなあっていうのを絞って、その後、実際の現場にやってもらうような。課題解決を考える時にはプロセス、時間軸で分けると見つけられる可能性がすごく高いですね。
寺崎:それぞれプロセスで分ける場合、マトリックスで分ける場合の実例があるとリスナーさんも理解しやすいかなと思うんですけど。
中尾:そうですね。例えばプロセスで分けるというのは、さっき営業の話をしたので、営業の例でお話をすると、営業の活動っていうのはどのお客様に対して営業をするかをリストアップして、リストアップした中から、お客様に対してアプローチをして、実際に会えたら、お客様の課題をヒアリングして、課題を特定したら、プレゼンテーションしてクロージングして納品をするっていう、そんな流れだと思うんですね。この中で、売れる営業と、売れない営業ってどこが違うと思います?
寺崎:僕は回答を知っているので、土屋さん(笑)。
中尾:要はリストアップして、アプローチして、ヒアリングして、プレゼンテーションして、クロージングして、納品するって話ですね。
土屋:やっぱり一番最初じゃないですか?
中尾:そうなんですよ。さすがですね。要はターゲットを間違えると話にならないんですけれども。売れる営業、売れない営業って、ヒアリングのポイントが違うんですね。例えば、上司を連れて行くにしても、売れる営業は仮説を持って、このお客さんとは取引が大きくなるかもしれないと思うところのヒアリングに上司を連れて行くんですよ。上司の方がヒアリング能力があったり、社内リソースを使えると思うんですね。
ところが売れない営業はプレゼンテーションとか、場合によったら、クロージングの時に連れて行くんですね。ところが、ヒアリングで課題を特定できていないものですから、ピントが外れたような提案をすることが多いわけですね。
だから、時間軸で分けたりすると、何をしてるか、ちゃんと営業がやっていることを分析すると綺麗に出たりするんですよね。これがプロセスで分ける例ですね。
で、マトリックスはこの前、面白いなと思ったんですけれども、今ってオンラインで仕事をしだしているじゃないですか。オンラインで仕事をしている時に何となくまずいってみんな思っていますよね。何かがまずいと思っているんだけど、何がまずいか、本当の課題を特定している人はあんまいないと思うんですね。「それは雑談だ」みたいな話をしている方がいらっしゃるんですけども、これをマトリックスで上手に分けたなと思った人がいるんですけど、一つの軸を二つに分けて、仕事に直接関係する話と、仕事に直接は関係のない、目の前の仕事には関係のない話に分けて、もう1つは1人でやることと、チームでやることに分けたんですね。
そうすると、2×2で4つの箱ができると思うんですけれども、これは皆さんも感じられると思うんですが、1人でやる仕事って、寂しいとかはあるかもしれないけれども、集中できますよね。途中に差し込みもありませんので、やることが決まっていたらすごく生産性が高いんですね。
で、チームでやる仕事も、ちゃんと仕事を分解できて、あなたはこの仕事ですよ、いつちゃんと報告するんですよ、あるいはこうやって共有するんですよって、できたらすごく効率がいいってことで、かなり気づかれているんですよね。家でやっていると仕事以外の家庭のことだとか、子供の相手だとか、パートナーとのコミュニケーションもできると思うんですけれども、問題って結局何が起こっているかって言ったら、直接の仕事以外でのチームでやる話なんですよね。
具体的に言うと、食堂で雑談しながら、プライベートの話だとか、最近の仕事の興味なんかの話をしたり、あるいは会社の廊下で会った時に、「最近どうしてるの?」っていう話があって、「こんなことをやっているんだ」みたいな、そういう意味の雑談なんですね。雑談のための雑談ではなくて、そこのところを会社として、どういう対応をしないといけないかっていうのが一番解決しないといけないことじゃないかって言っている会社が数社あって。こう4つに分けると、色んなアイデアが出てくると思うんですよね。こんなのが一つの例だと思いますね。
寺崎:そう。まさにこのプロセスとマトリックスの2つ、どっちかで考えれば解決できるっていうのがめちゃめちゃ斬新でシンプルで、この本の真骨頂だと思います。
中尾:この2つ以外が必要かもしれないっていう話は時々あるんですけど、このプロセスとマトリックスでもできますよっていうっていう話がすごく多いですね。
「CTスキャン方式」と「闇夜の鉄砲隊」
寺崎:問題を課題化する時に陥りがちな問題として、CTスキャン方式と、闇夜の鉄砲隊っていう、2つが出てくるんですけど、これをご説明してもらっていいですか?
中尾:CTスキャンというのは体の中身がどうなっているかっていうのをCTを使って、スキャンしてチェックして、輪切りの絵を撮るやるなんですけども、要は全てを細かく細かく分析したがるタイプの人をCTスキャン方式と言っています。僕が言っているのは、先ほどの営業なんかでもヒアリングができないとするならば、ヒアリングだけ深く堀りましょうっていうふうにして、必要なところだけ深掘りをしようって言っているんですけども、CTスキャン方式の人は全てのところを順列組み合わせて全部考えるわけですね。これはよくコンサルタントの方が、MECE(ミーシー)っていって、漏れなく、ダブりなくってことをやられていると思いますけど、それが世の中に広まりすぎているので、CTスキャン方式でやらないといけないと思っている方が、すごく多いですね。なので、めっちゃ効率が悪くて、時間がかかりすぎるっていう話ですね。
もう1個の闇夜の鉄砲っていうのは、真っ暗なところで鉄砲を撃って、それが的に当たるかっていう話なんですけれども、偶然当たるかもしれないけれども、当たらない可能性が高いよねって話ですね。闇夜の鉄砲はむやみやたらに鉄砲を撃つというタイプで、再現性がないので、天才で当たる人はいるかもしれないけれども、それはお勧めじゃないですよって話ですね。
だから、正しいのはプロセスかマトリックスにしてそこを掘っていくっていうのがよくて、一緒に仕事ができる相手が持てる大きさにしようという話ですね。分解をどこまでするのかっていうのは、相手が具体的に何をしていいか分かるところまで小さくしていくって話ですね。これを相手が持てる、現場が持てる荷物の大きさにするみたいなことを言っていますね。
寺崎:ありがとうございます。うちのフォレスト出版も色々と問題を抱えているので、この問題抽出法で、問題を明らかにしていかないとなと思いますね。
プロセスで分解したからこそわかること
土屋:先ほど、営業のリスニングの話をお伺いしたんですけども、分かっていても上司を出すのはどうしても後半。最初は自分で聞いちゃって、上司は後に持ってこようというのが一般的かなって思いがちですけど、そうじゃなくて、それを壊して考えるっていうのも確かに大切だなっていうのはすごく聞いていて思いました。
中尾:基本的に上司が味方だと思えるかどうかだと思うんですね。上司は売り上げを上げるための仲間な訳ですね。じゃあ、同じ時間を使ってもらうんだったら、どこにすればいいのかというと、上流工程なわけですね。ただ、売れる営業っていうのは、このお客さんとアポイント取れたけれども、あんまり大きくならないなと思ったら、上司は連れて行かずに、パターン提案をするんですね。パターン提案をすることで自分も楽にできるし、後工程も楽にするって話なんですね。そうすると、彼はいつもはみんなが楽になるように動いてくれるんだけれども、今回一緒に行こうって言うということは大事なアポイントなんだねって、上司も思うわけですね。それで上司を連れて行くと受注確率も高まりますから、周りからの評判もよくなって、あいつはいい案件を持って来るっていう話になって、メリハリが効いているっていう話になるわけですね。売れない営業の人たちは上司を前半に連れていかないから、無理矢理クロージングに行って、上司を連れて行ってもダメだという話になるので、余計にあいつと同行するのは嫌だなって話になって、後工程も準備していたのに受注されないからって話になって、悪いサイクルになっちゃうんですよね。
寺崎:なるほど。それもこれもやっぱりプロセスで分解するからこそ分かることですね。
中尾:そうです、そうです。
土屋:なるほど。この本を早速読みたいなっていう気になってきました。
中尾:ありがとうございます。
ケーススタディが豊富ですぐに応用可能
寺崎:このように『世界一シンプルな問題解決』という本では、最初の課題を特定する現状把握にかなりのページ数を割いているんですけど、実際のケーススタディとして、プロセスで課題を分ける方法が7つ、マトリックスで分ける方法が8つ、解説されています。どれもすぐに応用可能なので、個人のビジネスパーソンの抱える問題解決から、組織の経営レベルのそれこそ会社の問題解決まで活用できると思います。
土屋:具体的な事例を基にしたものなので、読者の方がそれぞれの状況に応用できるということですよね。ありがとうございます。今回お話しいただいた新刊『世界一シンプルな問題解決』はこのチャプターにアマゾンのURLを貼っておくので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
寺崎:はい。先ほど、具体的なケースの話があったんですけど、この本の中では中尾さんご自身の事例だけではなく、中尾塾に参加されている経営者の方の実際にあった経営課題を、このメソッドを使ってどうやって解決したかっていうのが、めちゃくちゃリアルに入っています。そういったケーススタディが3つありまして、これが、なかなか世に出ることのない事例なので、これだけでもかなり価値があるコンテンツなんじゃないかなと思います。
中尾:そうですよね。今回、3社にご協力いただいて、事例を書いているんですけれども、ユニポス さんという会社は集客ですね。どこの会社も集客をするのってすごく困っていると思うんですけども、法人向けの集客をどうやっているのかということを書いています。で、コープさっぽろさんというところは、従業員1万7千人ぐらいの会社なんですけれども、人事課題ですね。普通は人事の課題って、世の中には出てこないと思うんですけれども、それを人事部長がどうやって解決したのかっていう話が載っています。で、ガラパコスさんは、顧客のクレームに対してどうやって解決したんだって話ですね。これもなかなかクレーム対応って表に出てこないと思うんですよね。それが具体的な手順が載っていて、どうやって解決したか書いてあるので、なかなか面白いんじゃないかなって気がしますね。
土屋:本当に具体的な事例を基に紹介されているっていうことなんですよね。
中尾:そうなんですよね。だから一緒に解決をしてきたので、それを本にしようよって言ったら喜んでってみんなが言ってくれて、今回の寺崎さんと一緒に作った本に、事例として載ったという、そんな感じですね。
土屋:そこは先ほども言いましたけど、興味があるところなので、僕もその事例を読んでみたいなと思います。ということで、ちょっと時間も来てしまいました。ぜひ気になる方はチェックしてみてください。最後に、中尾さんからリスナーのみなさんに一言メッセージをいただけますでしょうか?
中尾:はい。最後まで聞いていただいて、ありがとうございました。ぜひ、寺崎さんと一緒に作った本を手に取っていただいて、感想をいただければなと思っています。よろしくお願いいたします。
土屋:はい。ありがとうございます。それでは中尾さん、寺崎さん、本日はありがとうございました。
中尾・寺崎:ありがとうございました。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)