#348【フリートーク】「ほめる」を効果的に使う裏ワザ
このnoteは2022年3月11日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
土屋:皆さん、こんにちは。フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める土屋芳輝です。本日は、編集部の森上さん、寺崎さんと収録をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
森上・寺崎:よろしくお願いします。
土屋:ということで、今回はハッシュタグ「ほめて伸ばす」というテーマで、3人で話していければなと思うんですけれども、どうでしょうか?
森上:この3人に共通するのは子供がいるっていう。
寺崎:「ほめて伸ばす」っていうテーマで、まず連想するのは子どもだよね。
森上:そうだよね。寺崎さんは何か意識的にやっていますか?
寺崎:いや、僕は逆に……。娘なんですけど。
森上:今、小学校1年生?
寺崎:小学校1年生。逆に叱ったことがないんですよ。もう「すごいね、すごいね」って褒めるんだけど、うちの奥さんは育児書とか読んで勉強している人なんですけど、「ダメ、それ。すごいねって言うんじゃなくて、プロセスを褒めてあげて」って。「前はできなかったけど、ここまで今日はできるようになったねっていう、このプロセスを褒めてあげて」って言うんですよ。ただ単純に「すごいね」だけだと、ダメなんだって(笑)。
森上:でも、なんとなく言わんとしていることはわかった。結果を褒めるなっていうことだよね?
寺崎:そういうこと。
森上:過程というか、やったことについて褒めるっていう。
寺崎:そういうこと。
森上:それは一理あるかもしれないですね。
土屋:やったことないですね。
森上:意識的にはやったことないですか? でも、「パパ見てー」って言われて、「おー。上手だね」って。
土屋:やっぱり「すごいね」とか言っちゃいますね。
寺崎:言っちゃいますよね。
森上:リアクション的にはするよね。
寺崎:「いやー、いいね、これ」って(笑)。
森上:(笑)。最近、担当した『自己肯定感ハラスメント』っていう本があるんですけど、それもやっぱり結果を褒めるのはあんまりよくないって言っているんだよ。
寺崎:やっぱりそこはもう鉄板なんだ。
森上:そうそう。今の話を聞いてフッと思い出しました。辻秀一先生っていう、スポーツドクターの先生なんですけど、やっぱり結果だけを褒めちゃうと、そこに達してないときに、そういう意識が生まれちゃうらしいんですよね。だったら、それよりもっと手前のところの、もうやっていること自体がすごいっていう、よくチャレンジしたねとか。例えば、スケートボードで大技をやって、成功したら成功したでいいんだけど、成功したことを褒めるんじゃなくて、それよりチャレンジしたことを褒めてあげると伸びるらしいよ。
寺崎:じゃあ、「10万部突破してすごいね」じゃくて、「10万部突破するまでいろいろとあったよなー」っていって。
森上:(笑)。そういうこと。だから、「あれがあったから、10万部いったんだね」みたいな。そういうことなのかな? それとこれとは……どうなのかな(笑)? でも、褒められたら悪い気はしないですよね、子どもも大人も。仕事で言うと、こっちが言いたいときにオブラートにしちゃう場合がありますよね。言いたいことがあったとするじゃん。例えば、著者さんにここを直してほしいとかって。「こういうところはすばらしいですよね。ただ、ここの部分が……」みたいな。褒め言葉を枕に使っちゃう。たまにそれはやるかなと。そうすると、ちょっとクッションになるかなと。
寺崎:褒めっていうのが戦略というか。人とのコミュニケーションで、『あなたの「影響力」が武器となる101の心理テクニック』っていう本があって、これで褒めのテクニックを使って、例えば「土屋さんはいつもご親切でご理解も早くたいへん助かります」って言って、こういう習慣を持つと、「ラベル効果」って言って、よいレッテルを貼る。そうすると、その人は無意識にその通りの行動を取る。
森上:なるほど。
寺崎:「君は仕事が早いね」とか、「君は服装のセンスがいいね」とか。
森上:でも、それはあるかもしれない。言われた側は「早いね!」って言われたら、遅くできなくなっちゃうよね。
寺崎:そうなんだよね。やっぱり暗示誘導されちゃうから、それで返報性の原理で、人は返そうとしちゃう。
森上:なるほどね。言われた側はね。それで伸ばすわけだ。
寺崎:それで伸ばす。
森上:なるほどー。気持ちよくさせて伸ばすっていう意味かなと思ったら、違うわけね。そっちね。
寺崎:ただ褒められるって、誰しもいい気分になっちゃうじゃないですか。
森上:絶対、マイナスなことはないですよね。
寺崎:そう。でもこの本では、それも注意してって。つまり、追加の褒めの球を撃ち込まれて、無茶な要求を飲ませられることもあると。
森上:どういうこと(笑)?
寺崎:もう褒められて、承認欲求が満たされていい気分になったときに、「ところで、この案件、100万で通してくれませんか?」みたいな話とかね。
森上:逆にこっちが褒められちゃって?
寺崎:褒められて、ウハウハしちゃって。だから、それはたいへん危険ですと。そういうときは、「ああ、それはありがとうございます」と言って、肯定して体制を整えて、褒め返しをする。「そういえば、森上さんは○○にお詳しかったですよね?」ということで、攻守を入れ替える。こっちが逆に褒めるの。褒められて、いい気分になっていると、驕りが生じがちだから、コミュニケーションの最大の敵だと。
森上:(笑)。
寺崎:とにかく相手に優越感を抱かせる。
森上:なるほどね。でも、攻守交替って結構いいテクニックかも。主導権を逆にするっていうことだよね。
寺崎:そういうこと、そういうこと。
土屋:例えば、洋服屋さんとかで「似合っていますよね」って言われて、買っちゃうっていうことにならないためには、「店員さんも似合っていますね」って。
森上・寺崎:(笑)。
寺崎:「さすがセンスありますね」とか言って。そうすると、向こうもうろたえるよね。服を買わせようとしていたけど。
森上:いきなり攻撃を受けるみたいなね。
寺崎:あとね、『面白いほど雑談が弾む101の会話テクニック』っていう本もあるんだけど、この本で上手い褒め方は、お世辞だとわかっていても、人って褒められると喜んじゃうんだけど、あまり度が過ぎると「こいつ、馬鹿にしているんじゃないか」と。
森上:なるほどね。
寺崎:そう思われるから、ストレートに褒めないで……、これはたぶん、皆さんやっていると思うんだけど、伝聞の形で褒める。「部長が君のことを仕事ができるって褒めていたよ」って。それがたとえウソであっても、部長も、伝達した人も、その人にとって好印象になる。
森上:そうかもしれない。
寺崎:これ、心理学でウィンザー効果って言うらしいです。
森上:ウィンザー効果ね。確かに第三者の視点から、そういうふうに伝えてあげるってめちゃめちゃいいですよね。そういうのを上手く使っている人って、いるよね?
寺崎:いるいる。
森上:さっきまでAさんのことを話していて、Aさんがその場にパッと来たときに、「やー、Aさんのこと、すごく優秀だって聞いています」って。
寺崎:そんな話はなかったんでしょ?
森上:そうそう(笑)。それって誰もが気持ちよくなる方法だよね。
寺崎:三方よしだよね。
土屋:そこらへんのテクニックって、書籍の「まえがき」とかに書いていたりとかしないんですか? 「この本を手にとっていただいてありがとうございます。この本を手にとったあなたは意識が高いです」みたいな。
森上:あー、なるほど。褒めるみたいなね。特別感とか。それは確かにやるかも。それはあるかもしれないですね。「これを読んでいるだけですごい」みたいな。
寺崎:やりすぎると、いやらしいけどね。
森上:まあ、気持ち悪いけどね。そんな感じですかね。こんなんで大丈夫なのかな。でも、我々が話せることってこんなところですかね。まあ、結果を褒めないっていうね。
寺崎:そこは1番のポイントかもしれない。
土屋:はい。ということで、今回は「褒めて伸ばす」について話してみました。今回は以上となります。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)