【連載】#7 不気味な光を全力無視|科学戦士「ミギネジ」の悪キャラの倒し方―Season2
本連載は、「科学のお姉さん」として活躍中の五十嵐美樹さんによる、主人公・ミギネジが、科学戦士として科学の原理を使って悪キャラを撃退していく、科学系エンタメストーリー作品です。Season1(全14話)は、科学と女性をつなぐ情報提供サイト「Rikejo」でお読みいただけます。
▼「科学戦士「ミギネジ」の悪キャラの倒し方【Season1】」(全14話)はこちら。
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※本連載は、毎週日曜日更新となります。
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フェノールフタレインとタンバリン
私は、ミギネジ。
誰に言われるでもなく科学戦士をやっている。
独立してからの不安やストレスからか、ミギネジは夜に夢を見てうなされていた。
「ううっ……。何が正解なんだ……?」
そう、天使みたいな人から「フェノールフタレイン」という薬品とタンバリンを同時に差し出されたのだ。
天使の前でタンバリンを叩きながら、フェノールフタレインの反応を粛々と進めるのか?
それとも、フェノールフタレインの中にタンバリンを沈めて逃げるのか?
夢の中で必死にシミュレーションするも、天使を満足させられないことを悟り、ミギネジは愕然としていた。
キッチンの窓越しで動く光
「ふう。水でも飲むか……」
うなされて、ついには起きてしまったミギネジ。
ベッドから出てキッチンに向かうと、窓の外で不気味な光がスーッと動いていくのが見えた。
「なんだあの光? まあ、今日は変な夢を見るし、疲れているのかな。たとえなにか光っていたとしても、さっきの悪夢よりマシ。思い出すだけでも震えるわ。ウェー!」
科学戦士としては、フェノールフタレインと他の薬品ではなく、タンバリンと天使が登場したことのほうがよほど不気味だったようである。
その後も、ミギネジは不気味な光をきっかけに夢について考え込んでしまい、あまりよく熟睡できなかった。
科学戦士・ミギネジ、出動……!?
“プルルルルー”♪
翌日、寝不足のミギネジが3時のおやつを食べてやっと眠気に襲われていると、戦士★エージェントから電話がかかってきた。
「最近大活躍のミギネジにお願いしたいことがある。謎の星人が現れた。ぜひみんなの先頭に立って戦ってほしい!」
ミギネジは、心の中でつぶやいた。
「寝不足でクマがひどいから、今日だけは大舞台を用意するのやめてほしいー!」
と言いつつも、そこは真面目なミギネジ。クマを隠すコンシーラーを厚めに塗り、急いで自転車で向かうことにした。
ところが、コンシーラーに意識を向けすぎたせいで、ある失態を冒すことになる。なんと、自転車の鍵ではなく、小型モーターを取ってきてしまったのだ。
「見ないで触ったときの同じひんやり感、やめてくれー。どっちも金属でひんやりしてて、サイズ感が一緒なのがいけないのよー!」
このとき、ミギネジの戦意はとうとうゼロになった。
敵を目の前に、
ミギネジの無茶ぶりをこなす博夫
仕方なく、とぼとぼ歩いて現場に向かうと、すでに博夫と光波ナミが敵と対峙していた。
「ハハハハー! いつも私が主役よ♪ 誰にも主役は譲らないわ。戦士だか何だか知らないけど、常にスポットライトは私のものよ!」
敵が大声で挑発している。
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