『リトルキャプテン』 ② 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜
今日ジョーイは一人で晩御飯を食べることになっていた。両親が学生時代の同窓会に出かけたので留守番を任されたのだ。ジョーイの父と母は中学時代の同級生である。晩御飯を済ませたジョーイは母親の言葉を思い出した。「ちゃんと鍵をかけておくようにね」ジョーイは玄関に向かった。玄関の外側にはポストが付いていて、新聞はいつもそこに入れられた。新聞をついでに取ってこようとしたその時、目の前の道を雨でずぶ濡れになった男が通り過ぎていった。
ジョーイの家から僅か30メートルほど離れた場所にカフェがあった。「ブラーニーカフェ」と言う名前だ。もちろんジョーイは行ったことがない。学校の行き帰りに自分の視界に入る風景の一部に過ぎなかった。ジョーイの家の前を通り過ぎた男は少し様子がおかしかった。外灯に照らされた顔は血色が悪く、目が血走っているように見えた。ジョーイは不審に思い、離れてゆく男をしばらく目で追っていた。そして男が近所のブラーニーカフェに入っていったのを確認した。この時ジョーイは直感で「行かなくちゃ」と思った。なぜかは自分でも解らなかった。ブラーニーカフェは、おばあさんが一人で営業しているというのを噂で聞いたことがある。ジョーイは自分が不思議な運命に巻き込まれてゆきつつあることを、このときはまだ知る由もなかった。
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