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sinkeylow
『リトルキャプテン』 12 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜
少年に衝撃が走った。目の不自由な人が画家になり、こんな素晴らしい絵を描いていることに。画家の男が奥さんと帰ろうとしたその時、少年は思い切って質問してみた。「すいません!どうやったらそんな素敵な絵が描けるんですか?」男はあっさり答えた。「絵は目で描くんじゃない。心で描くんだ」この日、画家の男が少年に与えた影響は大きかった。そして少年は決心することになる。「もう一度音楽をやろう」と。今彼は画家が立ち去った場所の上に立ち、静かに海を眺めている。それからしばらくすると不思議なことが起こり始めた。夕日の光を浴び出した海の輝きが、さっきの画家の絵とそっくりになってきたのだ。それはほんの数分間の出来事だったが、少年にはとても長い時間に感じられた。以前トランペットを吹いていた時「いずれ指揮者もやってみたいな」と少年は思っていた。「よし!僕はこれから指揮者になる!」自分自身にそう言い聞かせた少年は、この時から「片腕の指揮者」として新しい道を歩んでゆくことになった。
ジョーイはテレビに出てきた「片腕の指揮者」と、その少年に影響を与えた「盲目の画家」のストーリーに胸を打たれた。だが少し経って自分のことを考え始めると、またいつもの劣等感が少しずつ顔を出してきた。そして「僕にできることなんて・・」といつもの結論に達してしまうのであった。
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