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『リトルキャプテン』 29 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜

 最初は人目を気にしていたジーナだったが、徐々に気にならなくなっていった。それよりも生きることにしがみついた。毎日が生と死の狭間だった。ある日、ゴミ箱をあさっていたジーナに声をかけた人物がいた。「すいません、私こういうものです」男は名刺をジーナに手渡した。彼女は名刺に目を落とした。

「キュートエフェクト 代表 バトン」

 ジーナは今何が起こっているのかさっぱり解っていなかった。「僕は今、この国に元気を与えてくれるようなモデルを探しているんですがなかなか見つからなくて・・」「はあ・・・」ジーナは他人事のように聞いていた。「もしよければ僕の会社でモデルの仕事をやってみませんか?」ジーナはバトンをにらみつけた。「こんな侮辱の仕方ってある?」とジーナーは思い、次第に腹が立ってきた。バトンは顔色一つ変えず話を続けた。「僕の千里眼は神様からの贈り物なんです。あなたには光るものがある。そしてそのチャンスは今ここにある」二人はまた少し話をした後、契約を交わすことで同意した。こうしてジーナの人生に光が差し込み、一気に高みへと引き上げられていったのである。この一件から人々は、バトンのことを魔法使いと呼ぶようになった。






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