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sinkeylow
『リトルキャプテン』 28 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜
一日ごとに公園を転々と移動していたジーナは、緑の多い大きな公園を見つけ、しばらくの間そこで寝泊まりした。ある満月の夜、ジーナは一人静かにまん丸の月を眺めていた。すると、亡くなった母の姿がぼんやりと頭に浮かんできた。「母さんの笑顔はあんまり記憶に残ってないなぁ・・」ひっそり呟いたジーナは、少し妄想して時間を過ごすことにした。
「満月の光が一つの線となって、遠くの夜空から今ここにいる私に向かって伸びてくる。その光の上を母さんが歩いてやってきて、私を一緒に満月へ連れていってくれる」
このイメージ通りにジーナは妄想していた。表情の冴えない母親が、光の上を歩いてジーナの前までやってきた。母親はジーナの顔を見ると柔らかな笑顔を見せた。その後二人は手を取り合い、満月に向かって歩いていった。妄想を繰り返し楽しんでいたジーナは次第に眠たくなってきて、気づいた時はすでに朝を迎えていた。起きた時、ジーナの頬は涙で濡れていた。
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